8月の果て/柳美里

8月の果て

柳 美里/新潮社




「国民保導連盟事件」や従軍慰安婦、朝鮮分断。。。著者の血のルーツの闇を描いた本作は、見た目の厚み以上にずっしりと重く、数多く挿入された韓国語に日本語ルビも、盆百の読書家には歯応えを感じる文章で、最後まで読み通すのは決して楽ではありませんが、極稀にしか出会えないレベルの文学を堪能できます。

これまで積み残してきた世代からすべてを引き受けようとする柳氏の覚悟には、本当に凄まじいものがあり、並の読書好きには、感想を述べることすら躊躇われるほど。福田氏、高橋氏の寸評に深く共感。

◎「21st Novel 読書感想記録」
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[MARCデータベース]祖父はなぜ、競技も国も家族も捨てて、独り日本へ逃れたか。幻の五輪マラソンランナーだった祖父の生涯を追いながら、戦前から現代に至る朝鮮半島と日本の葛藤をえぐりだす。『朝日新聞』夕刊および『新潮』連載を単行本化。新潮社 (2004/8/10)

文学に、少しでも心を寄せる者は、この作品にたいして、目も口も閉ざせないはずです。――福田和也氏(週刊新潮「闘う時評」)

42.195キロの彼方から私を呼ぶ声。
日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへ押し上げる。(文庫版上巻用)

感想か。そんな言葉、この小説にふさわしくないな。ものすごく感動したんだ。ほんとに。――高橋源一郎氏(朝日新聞書評)

読書人がこぞって絶賛! 小説家・柳美里が、もてる全てを注いだ代表作。

1940年、東京オリンピックは幻と消えた。失意の日々、肌の温みを求める女たちを捨て、雨哲は故郷を去り、一方、娘たちを夢中にする美しい容貌と、兄譲りの健脚に恵まれた弟・雨根は、いつしか左翼活動に深く傾倒した……小説家柳美里が、国・言葉・肉親、すべてを奪われた無名の人々の声に耳をすまし、自身の生につらなる日本と朝鮮半島の百年の歴史を、実存の全てを注ぎ描きあげた傑作。(文庫版下巻用)




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by yomodalite | 2008-06-25 22:54 | 文学 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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