暗闇のヒミコと/朔 立木(さくたつき)

暗闇のヒミコと

朔 立木/光文社

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初めて朔立木氏の著作を読んだ。事前に検索した読書ブログでの感想は、特に高い評判を眼にしなかったが、多分法廷ミステリーなどの、出版社の宣伝と読者の期待に若干のズレがあるためと思われる。カバー扉にある著者の裁判員制度への危惧を踏まえて、裁判の実態を紹介するという試みは、娯楽作品として充分楽しめるレベルで成し遂げられている。中盤までの、美貌の容疑者がネットアイドルになっていて、ブログ等を活用した冤罪メッセージを訴えているあたりは、安易な現代性の取り込みという感があり、あまり期待できそうではなかったが、2/1を超えて裁判へと入ると、現役弁護士である著者の経験が十分活かされていて物語はリアルさを増し俄然面白くなる。決して弁護士中心ではなく、警察、検察、裁判官、記者。。。容疑者以外の「裁判」のキャスト全てがリアルに動きだし、「裁判」が実態化されていくが、これまでの冤罪をテーマにした裁判の実態という切り口ではない点が新しい。裁判員制度の予習もかねて楽しめます。

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【本の内容】上質な社会小説、かつ法廷ミステリーの傑作。高級養護老人施設「ロワジール奥多摩」の入所者である男女が、近くの河原から水死体となって発見された。この施設は富裕老人層だけを対象とした超高級老人ホームで、被害者は所内では公認の恋人同士だった。捜査の結果、唯一アリバイのない看護師・河本絵里が浮上、警察は半年後に彼女を逮捕するが、河本は「疑惑の女」として各メディアの注目を集め、ネット界のアイドル的存在になっていた。冤罪を叫ぶ彼女は、果たして「白」なのか「黒」なのか。『死亡推定時刻』の著者、新たな代表作。光文社 2007年12月



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by yomodalite | 2008-06-10 20:05 | 文学 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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