京都の叔母様宅/遠藤瓔子

京都の叔母様宅

遠藤 瓔子/ベストセラーズ



一応小説ではありますが、京都暮らしに興味がある人の個性的旅行プランニングにも役立ちそうな本です。本文下にたっぷりと註釈が付いていて、小説にも関わらず文中で「T大」としたところを、わざわざ註釈でモデルは東大などと記すなど、相変わらず著者の手作り感全開で、装幀も自費出版ぽく今イチなんですが、京都の叔母さまに小言を言われてみたいという密かな欲望が満たされます。

遠藤氏の切れ味のイイ、粋な京女っぷりは、これまでの京女にはない貴重なタレント性を感じられます。

以下、http://www.asahi-net.or.jp/~wf3r-sg/ntendoyoko.htm より引用。

京都の町家で暮らす井上淑子62歳、麗子37歳の母子、東京の渡辺彩花24歳を主要な登場人物として、京都人の暮らしぶりが紹介されていく。

第一章は、京都に惹かれつつ実際の暮らしに不便さはないのか京都人の本音を知りたいという思うようになった彩花が、父親の恩師であったという伝手で井上家に3泊4日の予定で訪れる、という設定。
ちょうど桜の時期。観光客には知られていない、桜の見所、京暮らしならではの食べ物の楽しみを、母子2人で彩花を案内するという形で進められていきます。
他からみて日本的な風情あっても実際住むとなると不便なところは大きい。それにも関わらず「町家」暮らしを続けているのは、他にしようもないから、それこそ“痩せ我慢の美学”と淑子は彩花に説明するのですが、言い得て妙。
(※商売をしている場合は「町屋」と言うらしい)

第二章は、夏の頃。初めて恋を知った麗子と、それらしいと感づいた淑子が娘のみを案じるという展開を軸にした、京都の夏の風情を案内。
盆地気候、鰻の寝床のような町屋住宅。当然うだるような暑さを我慢する訳ですが、それは相応の京都人ならではの工夫がある、というのが見せ所。
合わせて、隣の和菓子屋に横浜の港北ニュータウンに住んでいた長男一家が同居することになったという設定をモデルに、外の地(特に東京)からやって来た人間にとって京都人と暮らし難さが描かれます。

※なお、本文下に京都の豆情報がマメに付されているのが有り難い。挿入された絵や写真で京都の具体的な様子も判り易い。
(引用終了)
_____________

【内容「MARC」データベース】彩花・24歳が、京都の旅で宿泊したのは、美しい着物姿の叔母様と娘の麗子・37歳が暮らす京町家のお宅。背割り堤の桜花、祇園祭の宵山、五山の送り火、正伝寺の月見…。はんなり、せつない恋の物語。ベストセラーズ (2008/2/26)



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by yomodalite | 2008-06-03 11:28 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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