「三島由紀夫」とはなにものだったのか/橋本治

「三島由紀夫」とはなにものだったのか (新潮文庫)

橋本 治/新潮社




久しぶりに橋本治の本が読みたくなって、まずは三島由紀夫への格闘が刺激的な本著を選びました。『金閣寺』、『豊穣の海』、『仮面の告白』といった作品の謎、三島と戦後、女、母、恋、人間三島由紀夫の解剖のメスは鋭く全身へと及んでいる。

個人的に「杉村春子」とは何者だったのかが気になっていたので、補遺は興味深く、またあとがきで、橋本氏が東大在学中三島が死に、東大全共闘との討論の翌年の入学生から東大生の印象が激変したというエピソードが興味深い。三島由紀夫と戦後へのヒントが満ちあふれている本。

【目 次】

・アポロ像神話
・スターーあるいは、三島由紀夫が生きていた時代
・私と三島由紀夫
第1章/『豊饒の海』論
・二人の三島由紀夫―檜俊輔と南悠一
・『金閣寺』の二人
・『暁の寺』のジン・ジャンーあるいは「書き割り」としての他者
・『荒馬』の飯沼勳ーその他者の不在
・阿頼耶識
・天動説
第2章/同性愛を書かない作家
・松枝清顕の接吻
・同性愛を書かない作家
・「仮面」の詮索
・『仮面の告白』ーその断層
・それはいかなる「欲望」か
・暴君の欲望
・彼はなぜ恋を殺すのか
・たとえば、『春の雪』の飯沼茂之
・近江はなぜ消えたか
第3章/「女」という方法
・三島由紀夫の「戦後」
・囚われの人
・女は拒絶する
・復讐
・行方不明の女性像
・母の位相
・やさしい子供
・誰がサド侯爵夫人か?
・禁じられない欲望
・母との訣別
・サディズムとの訣別
・出発
終章/「男」という彷徨
・不在の後
・認識が「死ね」と言う
・二つの選択肢
・超法規的なものーあるいは、祖母という「偉大」
・忘れられた序章
・松本清張を拒絶する三島由紀夫ーあるいは、私有される現実
・その人の名は「三島由紀夫」
補遺/三島劇のヒロイン達
・『喜びの琴』事件
・杉村春子から水谷八重子へ
・恋すべき処女ー六世中村歌右衛門
あとがき
____________

【BOOKデータベースより】“同性愛”を書いた作家ではなく、“同性愛”を書かなかった作家。恋ではなく、「恋の不可能」にしか欲望を機能させることが出来ない人—。諸作品の驚嘆すべき精緻な読み込みから浮かび上がる、天才作家への新しい視点。「私の中で、三島由紀夫はとうの昔に終わっている」と語って憚らない著者が、「それなのになぜ、私は三島が気になるのか?」と自問を重ね綴る。小林秀雄賞受賞作。 新潮社 (2002/01)

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by yomodalite | 2008-03-19 16:40 | 評論・インタヴュー | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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