テロリストのパラソル (講談社文庫) /藤原伊織

テロリストのパラソル (文春文庫)

藤原 伊織/文藝春秋



乱歩賞、直木賞、著者の死去という機会を悉く逃していましたが、ようやく読むことができました。すべての登場人物の造形が素晴らしく、セリフが自然で、ハードボイルド風の気負いがなく楽しめる佳作です!

【人物紹介】
菊池俊彦/東大闘争後、新人ボクサーとして目覚ましい成績を残すが網膜剥離のため引退。島村圭介として名を変え、現在はバーの雇われマスター。唯一のメニューであるホットドッグは絶品。

園堂優子/かつての同志にして元恋人。通産大臣を祖父にもち、菊池と別れた後、外務省官僚と結婚したが、15年後に交通事故により死去。 ニューヨーク郊外の高級住宅地に住み、マディソン街の広告代理店に勤務。「メモリー・オブ・セントラルパーク」という短歌の会に参加していた。ペンネームは工藤詠音。
〈油日に火柱のごとき摩天楼ひとつにて拠らむ術なし〉
〈黄昏の街のししむら留めいて赤き果実を剥きシグナル〉
〈殺むるときもかくなすらむかテロリスト蒼きパラソルくるくる回すよ〉

桑野誠/東大全共闘のリーダー。東大中退後会社員を経てフランス留学。その出発前に自ら造った爆弾による爆破事件を起こす。若い巡査が亡くなり、同乗していた菊池(島村)にも嫌疑がかかることになった。

浅井志郎/元警部補で知性派ヤクザ。偵察に行った島村の店のホットドッグの味に惚れ、懇意になる。

松下塔子/園堂優子の娘。モデル事務所に所属。

望月幹/浅井の舎弟にして義理の弟。実は桑野の爆弾により姉を亡くしていた。

森 / 「週刊サン」記者。爆弾事件における菊池の冤罪を主張。
タツ(辰村)/アメリカ留学経験のホームレス。ヤクの売買に絡んでいた。
ゲンさん(川原源三)/秋田からの出稼ぎ者のホームレス
岸川/元法医学者の老人ホームレス
西尾/茶髪の布教者。ヤクの売買に絡んでいた。

その他、山崎由香乃の父、柴山洋子の息子、守。など、魅力的な人物多数。
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[BOOK」データベース]アル中バーテンダーの島村は、過去を隠し二十年以上もひっそり暮らしてきたが、新宿中央公園の爆弾テロに遭遇してから生活が急転する。ヤクザの浅井、爆発で死んだ昔の恋人の娘・塔子らが次々と店を訪れた。知らぬ間に巻き込まれ犯人を捜すことになった男が見た真実とは…。史上初の第41回江戸川乱歩賞・第114回直木賞受賞作。講談社 (1995/09 文庫版1998/07)

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by yomodalite | 2008-02-26 13:56 | 文学 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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