
水道橋博士の
『本業』により本書の存在を知りました。これは博士の異常な愛情も致し方ない名著です。
勝新太郎については、
森繁とのエピソードや多くの豪快伝説で知っていたつもりだったのですが、意外だったのは若山富三郎を知るとむしろ「天然」なのは兄の方だったこと。
ふたりのことが描かれていますが、主役はやっぱり「若山富三郎」若山の、おこりんぼでさびしんぼなパーソナリティーに人生をからめとられ、「おやっさん」と読んだ山城の愛情の度合いがどうしてもそうさせてしまうのでしょう。
芝居のように、第一章ではなく「第一幕」といった章立てにふさわしい兄弟の人生に、何度も拍手を贈りたくなる場面があるのですが、「第四幕」 の葬儀場面では、親しい人が亡くなった哀しさ以上に、もう二度と彼らのようなひとが現れない寂しさでなんともいえない気持ちになります。
日本一の組長の借金を踏み倒していながら、葬儀には全国の組長から花が届く男をうらやましく思わない人がいるでしょうか。若山はヤクザ映画でも活躍しましたが、鶴田浩二や高倉健のようなヒーローではなかったことを考えると、尚更うらやましく、そして寂しいきもちになります。
★★★★☆(登場人物の愛おしさゆえ)
「今だから…昭和さ ある男のぼやき」http://blog.goo.ne.jp/hakodatenoshito0303/e/9fdde48cdf6c98caf25c14e4a2bad5d7
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【MARCデータベース】
栄光と不遇が交錯するなかで、生涯芸への情熱を失わなかった俳優兄弟、若山富三郎と勝新太郎。芸能史を彩ったふたりを見続けてきた著者が、生身の彼らを描いた痛快裏面史。 幻冬舎 (1998/06)
【目 次】
「前口上」ふたりの座頭一
「第一幕」・野火を斬る兄弟
・誕生、チーム富三郎
・撮影所の暴れん坊
・菅原文太と仁義なきテレビ
・壁をぶち抜く役者たち
・帝大コンプレックス
・親分のドサ回り
・聖地、千恵蔵御大の部屋
「第二幕」・下手な芝居
・編集長軟禁事件
・豆鉄砲の親分
・金は天下のまわりもの
・惚れた女と金色のロールスロイス
・ああマサルのせがれだ
・お父ちゃんの人力車
・お母ちゃんのあそこにキス
「第三幕」・『座頭一』に台本なし
・なりきり魔の志ん生、ボケ殺し
・影武者降板の真相
・淋しいスター
・もし勝プロにブルース・リーがいたなら
・もったいない絵〜パンツの中の真実
「第四幕」・おやっさんの一大事
・最後の麻雀
・戒名は“親分”で
・勝さんは負けた
「終幕」たったひとりの花道