古代天皇家と日本正史—現人神と万世一系の超秘密/中丸薫

古代天皇家と日本正史―現人神と万世一系の超秘密

中丸 薫/徳間書店



【目 次】
聖徳太子は仏教ではなく「ペルシャ・ゾロアスター教」の人
万世一系の歴史—それは洪水神話の地タリムより始まる!
シュメールから騎馬遊牧民「スキタイ」に引き継がれた万世一系
日本を成立させたのは伽耶の王族である
縄文・弥生の常識は完全にくつがえされている
ついに倭国の謎を解明する時が来た!
「伽耶・新羅・高句麗」の政治・文化事情
ペルシャかつシュメールの精神「十七条憲法」
闇の権力者の「紀記」による壮大な国仕掛け
正史をくつがえす「大化改新」の真相
闇の権力者は誰だったのか—『日本書紀』の「永遠の謎」が解かれる
日本とは何か、天皇家とは何か—それはペルシャ・シュメールへの回帰なのか


中丸氏の本には必ずパクり元があるはず。と検索したところ、小林恵子氏のパクリと評判らしいです。小林氏の本のボリュームに圧倒されて、こちらを読んでみようかという不純な動機により通読したものの、中丸氏の不純な動機とバッティングした模様。やっぱりダメです。以下のサイトが参考になりました。

☆(判定不能)

↓「探求三昧」http://d.hatena.ne.jp/nmomose/20060129

本の帯には「他の歴史書では決して読めない目からウロコの衝撃事実と情報満載!!」とある。 この本を読むと、古代の日本では、百済や高句麗の権力者たちが入れ替わり立ち代りして渡来して 王朝を乗っ取り、天皇となったと主張しています。

たしかに「目からウロコ」でしょう。 もし、その内容が真実であったとしたら、です。 この著者といえば、闇の権力といった内容の本を多く出していますね。 そういえば、以前の本には「明治天皇の孫」ということを大々的に売り物にしていたようだけど、この本にはそのフレーズが見えないのはどういうわけだろう? そうではないことがわかってしまったのか…。 この本を読んで、「この著者にはタネ本があるに違いない」と思いました。 それで、ちょっと ネットで調べてみたところ、やっぱりありました。 小林惠子さんです。

小林惠子(こばやしやすこ)ーこの女流古代史研究家は、「聖徳太子は西突厥の王(可汗)だった」という説でよく知られています。 それで、さっそくこの人の『興亡古代史』(小林惠子(こばやしやすこ)著、(文藝春秋)という本を取り寄せて読んでみました。 今までは、上記の聖徳太子に関する本(『聖徳太子の正体―英雄は海を渡ってやってきた』)だけは読んでいました。 その本を、ちょうど昨日読み終わりました。 これがまた、トンデモナクとんでもない本なんですね。

『興亡古代史―東アジアの覇権争奪1000年』/小林惠子(文藝春秋1998/10)

突厥というのはTurukの漢訳語で、要するに トルコ系の遊牧民族です。 その西突厥の達頭可汗(タルドゥ・カガン)が日本に渡ってきて聖徳太子となったというのです。 聖徳太子が本当にそのタルドゥ(Tardu)だったかどうかはともかくとして、たしかに トルコとかペルシャとか西域的な要素が太子の行動や逸話に見られるんですね。 それから、この本によると、卑弥呼は江南のシャーマン許氏だったとか。 応神天皇は五胡十六国の秦の一族である苻洛(ふらく)だったとか。 仁徳天皇は高句麗の英主、広開土王(こうかいどおう)だったとか。 そして、古代の日本では伽耶、百済、高句麗、新羅、中国などから続々と国の指導者クラスの人々が渡ってきて、天皇になった。 つまり何度も 王朝交代があったというのです。 この本に書かれたスッ飛んだ内容は、容易にすべてを受け入れられるものではないでしょう。 たしかにこの人は学者でないのが信じられないくらいに博識であり、幅広い知識を駆使してこそ初めて書けただろうという本です。

ただし、論旨に強引なところが多々見られ、「なんでそうなるの?」と、ついていけなくなるところも度々あります。 しかし、そのような度重なる王朝交代があったとしても、不思議はないだろうとは思います。 この本の内容を鵜呑みにするのではなく、ここを出発点として、自分なりに検証をしていきたいものです。 つまり、それだけ捨て置けない部分があるということです。 そして、「もしこれが本当だったら大変なことになる」という内容が。 この『興亡古代史』は、 小林惠子さんがそれまでに書いた10冊ばかりの本をまとめて、日本とその周辺の国々の1000年の興亡の様を綴った大作です。

この本を通勤電車の中で読み始めて、読み終えるのに1週間ぐらいかかってしまいました。 (中略)それにしても、『古代天皇家と日本正史-現人神と万世一系の超秘密』の著者はひどいもんです。 何がひどいかというと、あれだけ 小林惠子さんの主張を取り入れておきながら、あたかも自分の発見であるかのように書いていることが、です。

巻末に参考文献リストもないという、ひどいものです。 (中略)しかし、その本の内容はというと、必ずしもすべてが小林惠子さんの本のパクリであるとはいえず、それ以外にもいろいろと書かれています。 (中略)

【王朝交代】
少なくともいえることは、古代の日本では、いろんなところからやってきた人々が戦いの果てに王朝を乗っ取り、何度も王朝交代があったのだろうということです。 それを取り繕って、日本は「萬世一系の天皇家」のもとに形作られていったという偽装をしているのが『日本書紀』ですから、その内容はハチャメチャで矛盾だらけであっても不思議ではない。

日本の歴史学者などは、『古事記』とか『日本書紀』の内容は鵜呑みにしてはならないと言いながら、やはりあてにならないことを信用してしまっている部分が少なくないと思うんですね。 「萬世一系」の幻想から離れられないというか。
そして、自分たちの考えていることに矛盾することが書かれた昔の本はみんな「偽書」と決め付けてしまっている。 もちろん、世の中には内容が明らかに怪しい偽書もあるんですが、それとこれとをゴッチャにしてはいけないところがあって、そこでこそ「見識」が問われる部分でしょう。
__________

【BOOKデータベース】国際陰謀と血みどろの王権争奪。
真実を踏みにじった古代皇室と日本歴史にまつわる闇のすべてをここに吹き払う…他の歴史書では決して読めない目からウロコの衝撃事実と情報満載。

【MARCデータベース】朝鮮半島の王族が天皇として即位していた! 半島との連結の歴史は抹殺された! 半島と列島の支配者のルーツは共に騎馬民族スキタイだった! 真実を踏みにじった古代皇室と日本歴史にまつわる闇のすべてを吹き払う。(徳間書店2004.10)

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Commented by ぶっだん at 2008-08-14 17:52 x
確かに、中丸薫さんの『古代天皇家と日本正史』は、驚愕すべき内容でありながら、その出所が不明なあいまいな点があって、その点において違和感を感じておりました。実はパクリであったとは・・・。ありがとうございます。
Commented by 古稀神鐵雄 at 2010-09-11 17:21 x
偶々、小林惠子について探していて貴Blogに入りました。
確かに小林の本は面白いのですが、全く強引に説を作っているだけのことのようですね。それでも小生の如き古代史狂にとっては、面白くて読んでしまいます。
同じような古代史トンデモ本作者の小椋一葉の書いたものも、面白いですね。
Commented by yomodalite at 2010-09-11 20:52
古稀神鐵雄さま。小椋一葉氏の紹介ありがとうございます。未読なので、是非読んでみたいと思います。
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by yomodalite | 2007-03-28 11:42 | 天皇・皇室 | Trackback | Comments(3)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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