2007年 08月 03日
日本人はなぜシュートを打たないのか/湯浅健二 |
「クリエイティブなムダ走り」というキーワードから想像がつく通り、オシム監督の代弁者ともいえる内容になっています。プロサッカーコーチ修業時代を過ごしたドイツでの経験談も興味深ですが、第3章には、懐かしいブッフバルトが登場し彼とのディベートあり。レッズで素晴らしいプレイをしたギドだけど、この本であらためて、ドイツが優勝した90イタリアWCで、サビチェをマンマークし、オシム率いるユーゴに勝利した、あのチームの中核で、オシムとは戦友だったということを認識。
タイトルである「日本人はなぜシュートを打たないのか」の答えは、いくつか散りばめられていますが、
哲学者である小林敏明氏の言葉から
「一言でいうと、日本のサッカーでは、プレー中の選手たちが責任を転嫁したり、責任を回避する傾向が強いように見えるということかな。
昔、政治学者の丸山真男という人が、戦時中の日本社会を振り返って、『無限責任=無責任』という表現を使ったことがあるんんだけど、日本のサッカーを観ていて、まさにそれがあてはまると思った。
自分の責任をずらしていく。ずらされてきた責任を次の人もずらす。そして結局、誰も責任を取らないということになってしまうというわけだ。それは、日本の体質かもしれない。日本のサッカー界には、そんな体質を克服していってもらいたいね」
「ウエストコースト日日抄」
http://westcoast.exblog.jp/7191118
湯浅健二のサッカーホームページ
http://www.yuasakenji-soccer.com/yuasa/html/Topic.html
↓湯浅氏による「キーワード」
●自由にブレーせざるを得ないサッカー・・
●勝負はボールがないところで決まる・・
●クリエイティブなムダ走り・・
●有機的なプレー連鎖の集合体・・
●スターという諸刃の剣・・
●守備意識こそが絶対的なバックボーン・・
●攻撃と守備の目的と具体的な目標・・
●リスクチャレンジのみが発展のリソース・・
●リスクにチャレンジしなければミスをすることもない・・
●使い使われるというメカニズム・・
●主体的に「仕事」を探しつづけられることの意義と価値・・
●天才の加入はコーチにとっての大いなる挑戦・・
●主体的に考えて走ること・・
●意図と意志をもつことこそがスタートライン・・
●本物の心理ゲーム・・
●組織と個人のバランス・・
●勝負強さと美しさのバランス・・
●心理マネージャーとしての監督の仕事とバランス感覚・・
●21世紀のイメージリーダー・・などなど。
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【内容紹介】 日本代表の(ありがたくない)代名詞となってしまった「決定力不足」。 その原因についての考察を入り口に、サッカーというボールゲームの魅力と、日本人の特質をとことんまで論じた本書は、ファン、サポーターから絶大な人気を誇る湯浅健二氏の、久々の書き下ろし新刊。 アスキー (2007/7/10)
【目 次】
INTRODUCTION/勝負は、ボールがないところで決まる
第1章/ボール周りだけで勝負を決めてしまう天才たち―組織プレーと個人プレーのバランス
第2章/有機的なプレー連鎖の集合体1―攻撃のおはなし
第3章/有機的なプレー連鎖の集合体2―守備のおはなし
HALFTIME/哲学者・小林敏明さんとの対話
第4章/サッカーは本物の心理ゲームである
第5章/サッカー監督という心理マネージャー
by yomodalite
| 2007-08-03 18:39
| スポーツ
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