狂骨の夢/京極夏彦

文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫)

京極 夏彦/講談社




古本屋「京極堂」を営み、副業として神主を務める中禅寺秋彦を探偵役とする京極堂シリーズの第三作。今回も摩訶不思議な一連の事件を京極堂が「憑き物落とし」の手法を使って解き明かす。

表題の「狂骨」とは、『今昔百鬼拾遺・下之巻』にある、

「狂骨は井中の白骨なり。
世の諺に甚しき事を
きゃうこつといふも、 このうらみの
はなはだしきよりいふならん」

という妖怪(?)から来ている。つまり、今回のキーワードは骨であり、髑髏である。

時は、昭和二十七年(1952年)、海辺に住む怪奇作家、宇田川崇の妻、朱美が続けて見る奇怪な悪夢−海に沈み、肉は溶け白骨だけになっても海底に沈み続ける。急に浮上し、髑髏だけになって浮かび上がる−。そして生家、故郷、前夫にまつわる忌まわしい記憶と金色の髑髏のイメージ。

朱美から相談を受けた元精神科医の降旗もまた幼少時から髑髏の山の前で交合する男女のイメージに苦悩していて、降旗が寄宿している教会の牧師の白岡もまた何か固着して離れないイメージのため基督教の神を信じきれないでいる。

京極堂の妹で編集者の敦子、作家の関口は宇田川から朱美についての相談を受け、指名によって探偵の榎木津も、そして警視庁の刑事木場は逗子の海に浮かび上がる金色の髑髏、山中での集団自決事件の捜査の過程でこの「事件」に巻き込まれる。

骨と髑髏にとり憑かれた人たちの精神的な呪縛を京極堂が解き明かすことによって「事件」は解決される。京極堂=作者の用意する舞台装置はおどろおどろしいものだが、その解決手法は実はきわめて論理的だ。 フロイト やユングなどの精神分析、脳の機能についての医学の成果などが随所に取り入れられている。

上記は、http://www.honnomushi.com/review/2003_08/0002.htm より

本格推理の傑作!
_____________

[BOOKデータベース]夫を四度殺した女、朱美。極度の強迫観念に脅える元精神科医、降旗。神を信じ得ぬ牧師、白丘。夢と現実の縺れに悩む三人の前に怪事件が続発する。海に漂う金色の髑髏、山中での集団自決。遊民・伊佐間、文士・関口、刑事・木場らも見守るなか、京極堂は憑物を落とせるのか?著者会心のシリーズ第三弾。 (1995/5)

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by yomodalite | 2007-03-25 10:01 | 文学 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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