泥の家族/東野幸治

泥の家族 (幻冬舎よしもと文庫)

東野 幸治/幻冬舎

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離婚した奥さんと、再度同居することになった東野氏には、不幸を纏う才能がある。第二弾に、奥さんや娘が登場する作品が書けたなら、内容も経済的にも貧乏な純文学界に傑作が生まれるかも?

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【Amazon.co.jp】イタい、痛い。この痛さはどこからくるのだろう。物語は大阪のとある街で暮らしていた5人の家族を中心に展開する、というより過去へとさかのぼっていく。見舞いにきた友だちに醜態をさらす父、セックスにハマって成績が急降下する兄、愛のない初体験をしてしまう姉。そして、そんな家族を「しょうもないな」と思いつつも、流されてしまう弟(=主人公)…。「七割が作り話で三割が実話」と著者の東野幸治は説明するが、「実はその逆なのでは」という感じを受ける。70パーセントのリアリティー。それも、多くの家族に共通する「鍵をかけてしまっておきたい恥ずかしい話」にスポットを当てることで、本書は読者の「痛覚」を刺激することに成功している。

本作が文壇デビューとなる東野の作風だが、性風俗を小道具として巧みに使いこなす点、女性の描き方—— 本書の「姉」と松本人志の「おかん」に共通するあけすけさなど—— に松本の影響を感じるものの、全体としては松本の不条理性とは一線を画す、骨太で日常的な世界観を持っている。テレビで見せる「お笑い」の顔とはまた違う、東野の新境地をのぞくことができる力作である。(磐田鉄五郎)
2000/11(シンコーミュージック)


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by yomodalite | 2007-06-06 20:48 | 文学 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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