秘密のファイル CIAの対日工作(上下)/春名幹男

秘密のファイル〈上〉―CIAの対日工作 (新潮文庫)

春名 幹男/新潮社



秘密のファイル〈下〉―CIAの対日工作 (新潮文庫)

春名 幹男/新潮社

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初版は2000年共同通信社。

著者は、米国公立文書館で十万ページを超える秘密文書に目を通し、数万ページをコピー、連載時は在日米大使館で毎回翻訳され、米政府内に配布されていた。

昨今、アメリカの対日工作に対して大勢の人が知るようになりましたが、現在読んでも重要な本です。

下記は内容メモ

初代CIA東京支局長であったポール・チャールズ・ブルームと、彼に執事として雇われた成松孝安の奇妙な出会いについて紹介。ブルームは自宅で毎月著名人を集めた夕食会「火曜会」を開催、中でも、

・笠新太郎(朝日新聞論説主幹)
・松本重治(国際文化会館理事長)
・松方三郎(共同通信社専務理事)
・浦松佐美太郎(評論家)
・東畑精一(農業経済学)
・蝋山政道(政治学)
・前田多門(元文相)
・佐島敬愛(信越化学取締役)

の8人の常連については、「8人のサムライ」と呼んでいた。

1953年に、火曜会は解散され、成松はブルーム邸を"円満退社"したが、退職金を現金で与える代わりに、スパゲティ屋の資本金を集めてもらった。店の名前もブルームが考えたその店は、後に全国展開し、日本のスパゲティ料理店の草分けとして有名になる"壁の穴"である。

東西冷戦から1990年代までのCIAの対日工作として、秘密工作部門の大物で、葉山の住人の一人だったデズモンド・フィッツジェラルドが、「チャイナ・ミッション」と呼ばれる秘密工作、すなわち、「中国人を、横須賀、厚木、茅ヶ崎の秘密の施設で訓練する」という対中工作を指揮していた。

ベトナム戦争に対して、日本の市民運動の原型として成長した「ベトナムに平和を!市民連合」(べ平連)が、表面の市民グループと別に、非公然の地下組織、「反戦脱走米兵援助日本技術委員会」(JATEC)という二重構造でできていたこと、JASTECの脱走米兵逃亡ルートをつぶすために、米情報機関からスパイとして偽逃亡兵が紛れ込んだこと等。

政界工作に関しては、GHQの参謀第二部(G2、情報)民間情報局内に、吉田茂追放の論議があったこと、米情報機関と吉田らの"暗闘"が展開されたであろうこと、吉田が「アメリカ政府要人らに対しては、意図的に、毒のない好人物を演じ」ていたこと(中には「彼はどう見ても精力的で野心的な政治家ではなく、温和でのんきそうな地方名士といった感じを与えます」という印象を記している者もいる)等。

安保騒動では、自民党が「全学連と戦う学生グループの創設に努力したが、不十分な資金しかなく、負けてしまいそう」であるとして、右翼や体育会系学生らを動員する資金をCIAが調達したといわれていることや、60年安保を機に、「日本では政治家と右翼とやくざの関係がぐっと近くなった」・・・・など。

【上巻目次】
序章 コリングウッド
第1章 日米開戦への道
第2章 祖国との決別
第3章 CIA対日工作の源流
第4章 反共への急カーブ
第5章 日本の黒い霧
第6章 日本改造

【下巻目次】
第7章 反共工作基地
第8章 政界工作
第9章 情報戦争のいま
_____________

[上巻内容「BOOK」データベース]アメリカ—CIAは、日本に対して何をしてきたのか。戦前・戦中の情報戦、占領期のキャノン機関、児玉誉士夫、笹川良一の活動など、昭和史の転換点には、つねにアメリカの情報工作があった。米国立公文書館に眠っていた膨大な機密書類の発掘とその分析、そして関係者多数の証言から、アメリカによる対日工作の実態を浮かび上がらせる。歴史上の疑問と疑惑に答える日米関係裏面史。

[下巻内容「BOOK」データベース]アメリカ—CIAの対日工作は、GHQの占領体制後も絶え間なく続いた。東西冷戦により、CIAは日本での反共工作を活発化させ、吉田茂、岸信介、佐藤栄作など、歴代の首相に対する政界工作を行う。60年安保、沖縄返還、そして現在の北朝鮮問題まで、日米外交の裏面に隠れた工作の数々が明らかにされる。情報工作という視点から、日米関係の真相と深層に光をあてた迫真の調査報道。



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by yomodalite | 2007-03-31 20:11 | 報道・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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