裕仁天皇の昭和史ー平成への遺訓/山本七平

裕仁天皇の昭和史―平成への遺訓-そのとき、なぜそう動いたのか (Non select)

山本 七平/祥伝社




天皇に関する著書の多い著者ですが、その中でも本著は決定版という印象。含まれていないのは、皇室の財産に関する話題のみ。


■第一章/天皇の自己規定〜あくまでも憲法絶対の立憲君主

■第二章/天皇の教師たち(1)〜杉浦重剛(倫理〜英で化学を学んだ経歴)、服部広太郎(博物)※天皇は強い親英米仏感をもち、独伊を信頼していなかった。  

■第三章/「三種の神器」ー道徳を絶対視しつつ、科学を重んじる杉浦の教育方針

■第四章/天皇の教師たち(2)ー歴史担当・白鳥博士の「神代史」観とその影響(神話や皇国史観をどう考えられたか〜日本に「歴史学」は存在しなかった〜博士は「神代史」をどう解釈したか〜「神代史」研究に国学者が果たした役割〜明治における「神代史」研究の状況〜博士は、信念のままに御進講出来たか〜天皇はその講義にどう反応されたか〜敗戦国に待ちうける皇室の運命

■第五章/「捕虜の長」としての天皇〜敗戦、そのときの未の処し方と退位問題

■第六章/三代目ー「守成の明君」の養成〜マッカーサー会談に見せた「勇気」はどこから来たか(重剛、天皇にロシア革命の真因を説く〜三代目・家光にみる「守成の勇気」〜かたくななまでに憲法を遵守する姿勢のルーツ〜天皇を「ロボット」と看做した人々〜帝国陸軍ー天皇に対し最も「不忠」な集団

■第七章/「錦旗革命・昭和維新」の欺瞞〜なぜ、日本がファシズムに憧れるようになったのか(ファシズムの台頭と、青年将校たちの憧れ〜「今の陛下は凡庸で困る」〜戦争制御における内閣の権限と、近衛の言い訳〜革命の狂気と総括〜相沢中佐の異常心理と「昭和維新」〜永田軍務局長惨殺が、「大御心」か〜憲法と歴史的実体との大きな乖離〜「青年将校」という新タイプの登場

■第八章/天皇への呪詛〜2・26事件の首謀者・磯辺浅一が、後世に残した重い遺産(決起将校の読み違いを招来した一事件〜事件勃発、天皇の決然たる対応〜真綿にて、朕が首を締むるに等しき〜天皇と磯辺との「心理戦争」〜「自殺するならば、勝手に為すべく」〜天皇を叱咤、怨嗟する磯辺の叫び〜真崎大将、陸軍首脳の腰抜けぶり〜2・26事件、最大の失敗〜磯辺が残した「重い遺産」

■第九章/盲信の悲劇〜北一輝は、なぜ処刑されねばならなかったか(北一輝の処刑は明らかに不当〜北一輝には「天皇尊崇の念」など全くなかった〜北が唱えた天皇の位置づけとは〜天皇自らが「天皇期間説」の信奉者〜機関説排撃がもたらした思わぬ影響〜「盲信の構造」なぜ、北が神格されたのか〜社会民主主義に共感を抱いたのは、“時代”だった〜「御公家かついで壇ノ浦」〜天皇機関説のどこが問題視されたのか

■第十章/「憲政の神様」の不敬罪〜東条英機は、なぜ尾崎行雄を起訴したのか(尾崎演説の何が東条首相を怒らせたのか〜「天皇と同意見だと不敬罪」の不思議〜近衛・東条の翼賛体制への痛烈な批判〜不刑罪ー刑にあらざる罪〜(中略)〜天皇ではなく、国民全体が“三代目”

■第十一章/三代目・天皇と、三代目・国民〜尾崎行雄が記した国民意識の移り変わりと天皇の立場(対中国土下座状態の一代目〜二代目ー卑屈から一転して増長慢〜浮誇驕慢で大国難を招く三代目〜システムと実体との乖離がもたらした悲劇
第十二章/立憲君主の“命令”〜国難近し、天皇に与えられた意思表示の手段とは(白川大将に示した、天皇の精一杯の“褒賞”〜木戸と近衛に対する天皇の差別〜5・15事件後の首相選定で示された強い「御希望」〜無視された天皇の「提案」と「御希望」〜陸相人事に見せた、天皇の警告的御希望〜高松宮・海軍中佐の「内奏」を無視〜「聖断」を未遂に終わらせた“もう一つの事件”〜(後略)

■第十三章/「人間」・「象徴」としての天皇〜古来日本史において果たしてきた天皇家の位置と役割(「文化的問題」としての天皇〜「記紀」入門のための、絶好のテキスト←※津田博士の公判記録は、『古事記』『日本書紀』について知りたい人の入門書として絶好のテキストである〜(中略)〜そもそも日本は平和国家であった〜(中略)〜天皇が中国型皇帝とならなかった5つの理由〜(後略)

■第十四章/天皇の功罪〜そして「戦争責任」をどう考えるか(歴史的功罪を論ずることのむずかしさ〜(中略)〜天皇の口を封じた近衛と軍部の策謀〜(中略)〜津田博士が指摘する「自然のなりゆき」〜「戦争責任」=「敗戦責任」としての考察〜(後略)

■終章/「平成」の遺訓(帝国憲法の改正に反対した美濃部博士)
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[MARCデータベースより]昭和天皇は、天皇であることをどう考え、どう「自己規定」していたのか。そのことが、昭和史における天皇の行動にどう影響したのか。立憲君主の苦悩をとおして昭和史の謎に挑む。平成元年に出版。1995年に文庫化(「昭和天皇の研究−その実像を探る」)、2004年に「裕仁天皇の昭和史ー平成への遺訓 そのとき、なぜそう動いたのか」と改題してソフトカバーの単行本として再出版。

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by yomodalite | 2007-03-24 20:30 | 天皇・皇室 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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