米内光政と山本五十六は愚将だった −「海軍善玉論」の虚妄を糺す/三村文男

米内光政と山本五十六は愚将だった―「海軍善玉論」の虚妄を糺す

三村 文男/テーミス



海軍善玉論を覆し、戦後日本を読み直す傑作。

以下メモ。

◎戦争終結前の鈴木貫太郎(すずきかんたろう)首相の「ポツダム宣言の黙殺」を鈴木首相に押しつけたのが米内だった

◎米内は単に親米派であるだけでなく、日本の中国大陸進出に対しては、むしろ徹底的に積極派・推進派だったと思える行動が多い

◎近衛首相の「国民政府を相手にせず」という有名な近衛声明をださせたのも米内だという

◎だから、最後の最後で米内が裏切り者と気がついた、阿南(あなみ)陸軍大臣が「米内を斬れ」と叫んで、そのあと自分は責任をとり腹を切って死んだ。陸軍は海軍のトップの裏のある人間たちにずっと騙されて、3年半の血みどろの負け戦をアメリカとやった。

◎海軍からは、たったひとりの刑死者も出していない。海軍は誰も死んでいない。
「リメンバー・パールハーバー」のはずなのに!

◎不思議なのは、米内がメーソンだった山本五十六のように「アメリカ留学」もしていないのに、あの当時の日本で「米英の走狗」(今で言えばポチ保守に該当する言葉)と呼ばれていたことだ

◎米内光政・山本五十六・井上成美(いのいえしげよし)については、阿川弘之という小説家が伝記小説を書いているが、この人物が戦後、ロックフェラーの資金でアメリカ留学をした男であり、現在の親米派の広告塔である前駐米公使・阿川尚之(あがわなおゆき)氏の父親である。

米内については、阿川のフィルターを通した内容しか出回っていない。米内についての資料は、阿川氏によって一連の小説が書かれるに当たり、海軍善玉史観にとって都合の悪いものは全部処分されたのではないか。
___________

【MARCデータベース】第二次世界大戦、日本敗戦の責任として「陸軍悪玉論」「海軍善玉論」が主流だが、実は海軍こそ「悪」だった。昭和悲劇の水先案内人だった海軍大将米内光政と山本五十六の大罪を新視点で喝破する。

[PR]
トラックバックURL : http://nikkidoku.exblog.jp/tb/4854808
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by 沢山和尚 at 2012-03-02 02:43 x
物事の原因を「○○が悪いから」という精神の構造をこそ分析せねばなるまい。他人を貶すだけの本を信じられますか。それだけの値打ちでしかないだろう。 それに引かれるということは・・・・・。後は言うまい。
Commented by yomodalite at 2012-03-02 10:11
沢山和尚さま、コメントありがとうございます。本書は5年前に読んだもので、今、手元で確認できないのですが、市井の研究家が何年も研究を重ねて、一般的に優勢となっている「海軍善玉論」に異を唱えた、たいへんな労作だったと記憶しています。

戦後、あの戦争の原因に対し、沢山和尚さまが言われるように「○○が悪いから」という幼稚な精神で、さまざまな人たちが貶められてきたと私も感じていますが、なぜか海軍だけは、名誉を守られてきました。

真珠湾攻撃を仕掛けた海軍が、なぜ守られたのか? その疑問を真摯に問い、貶めを受けるべきでなかった人々の名誉の回復ため、また無能な指揮官によって犠牲になった多くの名もない尊い命のために、三村氏は書かれたんだと思いました。

主張への好き嫌いでなく、様々な角度から物を見るということのために、読書人として、高い評価をすべき本だと思いましたが、、

この本に対して「他人を貶すだけの本」と思われるというのは・・・・。後は言うまい(笑)
Commented by earthman at 2012-07-07 02:18 x
「真珠湾攻撃が悪い」というのが現代の日本人の見解だろう。私も以前は無意識にそう思っていた。しかし当時ことについて知るようになると決して間違いではなかったと思うのだ。開戦に追い込まれた日本が劣勢な軍事力で勝機を得るには奇襲しかない。真珠湾以外のいかなる場所を攻撃しても「リメンバー○○!」になったことだろう。米英蘭豪は対日戦争を既に決めているという情報を日本は掴んでいた。アメリカの歴史のリメンバーアラモやリメンバーメインはご存知だろうか?一気に主戦論を作り上げ相手を攻撃し領土を奪っている。
Commented by yomodalite at 2012-07-07 18:20
>開戦に追い込まれた日本が … 奇襲しかない。

そうですね。日本には開戦を避ける手段はなかったと思います。

>一気に主戦論を…

911を経験した米国人も、今は「作り上げられた」と思っているでしょうし、尖閣購入資金も、日本人有志によるものだけではないでしょう。
Commented by てんてまり at 2013-03-04 02:57 x
やめなさい。あいつが悪いこいつが悪いという次元の話じゃないはず。
そんな個人攻撃こそ日本だけが悪いという欧米列強の手のうちに陥ってることだ。あなたのような日本文化の根底の負の部分をえぐり出せ。
また、三村氏の著書に曲解誤り多し。注意すべし。
Commented by yomodalite at 2013-03-04 10:41
てんてまり様、コメントありがとうございます。

ただ、なにを「やめなさい」なのか、私がなにを「やめるべきか」もわかりませんし、私は、三村信者でもありません。「あとは言うまい」と言われた方も、三村氏のように、不公平にあった人々の名誉の回復をはかられた労作に対してだけ「個人攻撃」と非難される方も、私には「欧米列強の手のうち(笑)」の方かと疑わざるを得ません。

>日本文化の根底の負の部分をえぐり出せ。

これは命令ではなく、もしかしたら、、激励でしょうか? てんてまり様は、たぶん、私よりも年長の方と想像いたしますが、日本文化の根底の負の部分をえぐり出すため(笑)、儒教的な精神を覆し「お前もがんばれよ」と返礼させて頂きます。この言葉は私が大好きな芸人で、画家でもある、ジミー大西氏のギャグです。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by yomodalite | 2007-04-14 23:12 | 戦争・軍隊 | Trackback | Comments(6)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


by yomodalite