『キアヌ』ー 子猫とギャングとジョージ・マイケル

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WOWOWで偶然見た、『キー・アンド・ピール』という冠番組をもつ黒人コメディアンコンビが主演の映画。

ロサンゼルス郊外に暮らす平凡な青年、レル(ジョーダン・ピール)は、恋人に振られ、引きこもり状態だったものの、仲良しのいとこで、妻と娘をこよなく愛する真面目な常識人クラレンス(キーガン=マイケル・キー)が訪ねてみると、レルはすでに失恋から立ち直っていて、たまたま拾った子猫に、ハワイ語で「涼風」の意味もつ「キアヌ」と名付け、そのキュートさに夢中になっていた。クラレンスの妻ハンナと娘が、友人のスペンサー一家と週末旅行に出掛けると、家族から解放されたクラレンスとレルは仲良く映画館へ。しかし、夜、レルの家へ戻ってみると、部屋は荒らされ、キアヌの姿はなかった。隣に住むドラッグの売人に、怪しい奴が来なかったかと問い詰めると、麻薬取引の縄張り争いでトラブったグループ「ブリップス」が犯人に浮上。愛するキアヌを取り戻すため、レルとクラレンスはブリップス一味のたまり場へと乗り込み、ギャング同士の抗争に巻き込まれていく・・・

といったストーリーで、子猫とブラックカルチャーが好きな人には、ちょっぴり楽しめそうな2016年の米国のコメディなんですが、

人種間の溝がいっそう深まったと言われた、ヒラリーとトランプによる熾烈な大統領選挙の最中に封切られたこの映画には、ある意味、白人至上主義に火をつけることになった、ギャングやドラッグといった都市文化をフューチャーした黒人分離主義的なラップミュージックによって蔓延した黒人のイメージを覆して、笑いにし、全体を通して、人々の間の緊張や分断を和らげるといった意図が感じられ、

ジョージ・マイケルを神と仰ぐクラレンスが、黒人がやっている音楽にしか興味のない若い世代の黒人に、ジョージの音楽を教えるなど、この映画では、ジョージの曲が重要な場面のネタになっているだけでなく、

映画のコンセプト自体が、白人アーティストとして史上初の最優秀R&B男性アーティストと、最優秀R&Bアルバムを受賞した(しかも、『BAD』のマイケルと『Don’t Be Cruel』のボビー・ブラウンという黒人のスーパースターを抑えて!)ジョージ・マイケル無しではありえなかったという内容なんですね。

マイケルが黒人音楽の垣根を壊したと言われていた時代、ジョージも白人の枠を超えて、黒人社会に愛されていたということを思い出させてくれるような映画が、2015年から制作され、2016年のジョージが亡くなる数ヶ月前に公開されていたなんて・・・

私には、子猫のキアヌの可愛さ以上に、ほんのりと心が温かくなった映画でした。





映画で使用された曲の中から、
クラレンスが怪しげな解説をしていた「Father Figure」をライブVerで。




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Commented by えるちゃん at 2017-12-07 08:15 x
こんにちは^ ^
わー‼︎観てみます^^
実は、好きな作品を幾つか繰り返し観る以外には洋画をあまり観ないタイプでして、邦画ばかり観ていました^ ^
ジョージに関わりがあるとは!
観てみますね。素敵な情報、嬉しいです。

最近はwham!の ”different corner”をよく聴いています。まさにangelic voice!
この曲はMVが白く、衣装も白い(ジョージは全身白が似合わない気がします。髭のせいか)、なんとなく天国のイメージを持ってしまいます笑 そちら側(heaven)では、マイケルや、ジョージや、エルヴィスや、フレディや、カレン・カーペンター…沢山の人が今もLiveをしているのだろうな、なんてフト考えて ワクワクしました。

天才は皆 生き急いでしまいがちな運命(さだめ)なのでしょうか?
あの才能や、あの存在感。あれだけ凄い自分そのものを抱えた人達は、自分が自分だけのものでは無くなり、
きっと普通の状態では居られないのだろうと感じています。

いつも話が飛んですみませんm(_ _)m

そうそう、前に書かれていたジョージの呼び方。文字にすると GM として呼ぶ(書く)ファンが多い気がします(あれ?これは最初のコメントにもかきました?もしそうでしたらすみません‼︎)

週末にこちらの映画を借りて来たいと思います★
またブログに遊びに来させてください^ ^
Commented by yomodalite at 2017-12-07 22:31
>最近はwham!の ”different corner”をよく聴いています。

超名曲ですよね!ま、そんなレベルのばっかですけどw

>天才は皆 生き急いでしまいがちな運命(さだめ)なのでしょうか?・・・

特別な才能に恵まれて、それを余すことなく使い尽くそうと努力してしまう人が、天才なんでしょうね。

>文字にすると GM として呼ぶ・・・

あ、そうなんだ。でも、車会社や、ゼネラルマネージャーを思い浮かべちゃうかもw

ジョージっていうと、ハリソンも強いし、マイケルは、絶対MJだし、キングオブポップも、キングオブR&Bもいるし、プリンスもいるし・・・

やっぱ、ジョージ・マイケルって呼ぶしかないかな・・

>週末にこちらの映画を借りて・・・遊びに来させてください^ ^

待ってまーす!
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by yomodalite | 2017-12-04 19:32 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(2)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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