セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣

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セルゲイ・ポルーニンのドキュメンタリー。
予告を見たときから待ち遠しくて、上映日まですごく長く待たされた気がしたけど、ようやく観ることができた映画は期待以上!素晴らしいダンスシーンの数々は、あと2、3時間見ていたいと思うぐらいで、彼の内面に迫った部分もとても興味深いものでした。

8歳の少年の頃からの映像が使われていて、ウクライナの貧しい地区に生まれたポルーニンの家族の物語が語られていきます。それは、これほどの成功を納めた後に見ても切ないもので、ダンスの才能に期待した家族は、彼の授業料を捻出するために総出で働き、海外に出稼ぎに行くことを余儀なくされたことで、全員が離れ離れになってしまう。

ただダンスが好きだった少年は、次第に家族のため、というプレッシャーに縛られながらも、より高い目標に向かって、人並み以上の努力を重ね、英国ロイヤルバレエに入団後史上最年少の19歳でプリンシパルになり、ヌレエフの再来と呼ばれるようになる。


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まだ20代前半のポルーニンが踊る前に、鎮痛剤や、心臓の薬など、数多くの薬を飲んでいるシーンがあって、血のにじむような努力をしたあとの、痛みの激しさが伝わる場面に、ついマイケルのことを思い出してしまう。

彼の隣りに並ぶことができる人を僕は知らない。
マイケル・ジャクソンの真似をするなんて不可能だ

バリシニコフはそう言っていた。

ルドルフ・ヌレエフとミハイル・バリシニコフは、共に、ロシアが生んだ20世紀を代表するダンサーだけど、10歳ほど年下のバリシニコフが、ヌレエフ以上にマイケルを絶賛していたのは、ポルーニンも束縛されていると感じた、バレエダンサーがもっていない自由を、マイケルがもっているように感じたからなのかも。

バリシニコフは、マイケルの痛みも、それに耐えた精神力についても、よくわかっていたのだとは思うけど・・・。

◎参考記事「ヌレエフとバリシニコフ」

引退作品として、「Take Me to Church」の映像を発表したポルーニンは、その後もまだ、ダンサーであり続けているのだけど、彼の苦悩や痛みを感じることのなく、この才能を享受できるなんて、観客はなんて幸せなんだろう。

映画で使われる音楽にも興味しんしんだったけど、最初にかかったのは、なんとブラックサバス!でも、たしかに、ポルーニンのタトゥーってそっち系が多いかも。



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Commented by co at 2017-08-16 13:10 x
上映期間が終わってしまう…と、あわてて週末にみにいってきました。
あのハワイの映像はネットで何度も見ていたけれど、映画の中の古典も素晴らしかった!
・ウクライナでの貧しい幼少期の映像は、自分の子供時代くらい昔のものに見えたのに、オーディションのために訪れたロンドンではロンドンアイではしゃいでいて、最近かっ!と驚いてみたり、ロンドンアイもルーブルピラミッドも、もうそこにあって当然のものなのかとしみじみしたり。
・ロシアのアメリカンアイドルみたいなTV番組に、西も東もかわらないなと思ったり、番組でのポルーニンの扱いに、西はとーいなと思ったり。

で、結局、あのお方と同じように、類いまれなる天才の美しさ、痛み、孤独、あやうさに、母性は100%持っていかれると再認識したのでした。
別の映画館で上映がつづくらしいので、またいっちゃうな。
Commented by yomodalite at 2017-08-16 19:34
>あわてて週末・・・

間に合って良かったぁーー
これって、THIS IS IT と一緒で、映画館で見る喜びが大きい映画だもんね!
coさんの感想を読んだら、私もまた見に行きたくなっちゃった。
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by yomodalite | 2017-07-20 00:00 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(2)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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