マイケルとヒップホップ(7)King Of Rock 〜 2Bad

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マイケルの「Unbreakable」に使われた、ビギーのラップは、もともとNBAの大スター、シャキール・オニールの「You Can't Stop the Reign」という曲に使われていたものだったのですが、


これは1996年のビルボードのR&B/Hip-Hopチャートで、最高位54位という中ヒット曲で、前年の1995年にリリースされた『HIStory』で、マイケルは「2Bad」では、シャキール・オニール(シャック)と、そして、「This Time Around」では、ノトーリアスB.I.G.(ビギー)のラップを使っていて、


その2人が、それぞれ「俺の天下は止められない」みたいなことをラップしあう曲が、「You Can't Stop the Reign」なんですね。


ちなみに、「2Bad」は「Bad Part 2」のような内容をもった作品で、ジョー・ボーゲルの『コンプリート・ワークス』では、


いかにもストリート風の生意気な雰囲気をもつこの曲は、(ヒップホップの大半がそうであるように)非常に挑発的だ。しかし同時に、「必ず立ち直る」という宣言の曲でもある(蹴られ続けても、僕は立ち続ける)、曲の冒頭に流れるのは、Run-D.M.C の「King Of Rock」のサンプリング音。「King Of Rock」は音楽業界が白人によって牛耳られていることへの反抗心を示した歌だ。この曲を使うというのは、同業の先駆者に敬意を払いつつ、この歌の政治的意図を明確にするための巧みな “技” だ。とはいえ、マイケルが攻撃しているのは、今回も、個人ではなく、制度やイデオロギーである、彼は、自分が標的にされたのは、人種と地位のせいだと感じていた。


とあるのですが、「King Of Rock」の歌詞にも「スリラー」や「バッド」が登場します。






I'm the king of rock, there is none higher

俺はロックの王様、俺以上のやつはここにはいない


They called us and said we're gettin iller

There's no one chiller

It's not Michael Jackson and this is not Thriller

As one def rapper, I know I can hang

みんな俺たちのこと、さらにヤバくなったって言っている

これほどのチラー(ゾクっとするヤツ)はいないって

マイケル・ジャクソンじゃないから、これはスリラーじゃないよ

イケてるラッパーとして、俺はいられるんだ


Now we're the baddest of the bad, the coolest of the cool

I'm DMC, I rock and roll. I'm DJ Run, I rock and rule

俺たちは、ワルの中のワルで、クールの中のクール

俺はDMCで、ロックン・ロールしてる

俺はDJ RUNで、ロックがルールさ・・・


「King Of Rock」を聞いたマイケルは、Run-D.M.Cが言いたいことに共感しつつも、こう思ったんじゃないでしょうか。


「どこが王様やねん。お前らの王国なんか、ちっちゃ過ぎて話にならんわ。それと、ワル中のワルっていうのは、そないなもんやない。ホンマのBADっちゅうんは・・・」


というわけでw、


ホンモノの王様であるマイケルは、マジで残念なやつと、本当にクールな “ワル” を「2bad」で表現します!





What do you want from me?

What do you want from me?

Tired of you haunting me, yeah yeah

You're aiming just for me

You are disgustin' me

You got blood lust for me

But too bad, too bad

僕から何を奪いたい?何が欲しいんだ?

お前らの標的にされるのはうんざりだよ

いつも僕だけを狙っていて、反吐がでる

お前らは、僕の血に飢えているんだ

でも残念だね、そうはいかないよ


Hell all up in Hollywood

Sayin' that you got it good

Creepin' from a dusty hole

Tales of what somebody told

ハリウッドはもう何もかもが終わってる

お前らは「善」だとか言ってるけど

薄汚たない穴から出てきた

誰かが仕組んだつくり話さ



で、マイケルに「ちょっと言うたって」と言われて出てきたシャックは、


Life's about a dream

人生は夢のようなもの

I'm really undefeated when MJ is on my team, theme

でも、マイケルが俺の仲間のときは、絶対に負けることはない。


というラップを披露するんですね。


また、「This Time Around」は、「今度こそ、やられたりしない」という内容の曲で、


ビギーは、スターダムの苦悩を抱えるようになったことで、マイケルの苦悩を共感するようになり俺のダチのマイクもそうしてるんだ)、シャックもビギーもそれぞれ、マイケルを「極上の仲間」として表現するラップを披露しています。


ところが、そんな二人も、自分の王様ぶりを見せつけようとイキがって「You Can't Stop the Reign」(オレの天下は止められない)をリリース。


それを聞いたマイケルは、またもやこう思ったにちがいありませんw。


「お前ら、ちょっと目を離したすきに、チマチマした王国を作りやがって。何回言わなあかんねん?ええか、王様はひとりやねん!アリーナだとか、NYだとか、そんなん「世界」やあらへん。ホンマの「世界」ちゅうのはな・・・」


ということを表現するために作られたのが「Unbreakable」なんだという説明は、また次回w。




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by yomodalite | 2017-07-16 16:06 | MJ考察系 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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