ラ・ラ・ランドはジョン・レジェンドの魅力でいっぱいww

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今まで、アカデミー賞の受賞作や、候補作だから観にいこうと思ったことはなくて、むしろ、どちらかと言えば、そーゆー映画が好みではなかったんだけど、

最近ようやく魅力がわかってきたミュージカルで、これまでのハリウッド映画へのオマージュに満ちていて、その中には『マルホランド・ドライブ』も含まれるとか、また、男女の恋愛を扱った映画でアカデミー賞の最有力と言われることも最近ではとてもめずらしいように思えて、公開されたら早めに観に行こうと思っていた映画でした。

鑑賞前にできるだけ情報を耳にしたくない方なんだけど、直前にアカデミー賞の発表があって、そこで前代未聞のハプニングが起こり、大本命と言われながら作品賞を取れなかったのは、「トランプ政権に対するハリウッドのメッセージ」だとか、前年度の「白すぎるオスカー」への批判だとか・・・

なんだかんだ不覚にも小耳に入ってしまったのだけど、

ヒロインを死から助けるストーリーや、男女入れ替わりとか、ストーリー的に目新しさのない『君の名は』が、予想以上の出来栄えだったような、そんな魅力が『ラ・ラ・ランド』にもあるんじゃないかと思って観に行ったんですね。

でも、見終わったあとの率直な感想を言うと、

古いジャズを偏愛するピアニストを、ライアン・ゴズリングが素敵に演じていて、最優秀女優賞向きの脚本としか言えないような役を、エマ・ストーンがしっかりとこなしていて、

人が簡単に殺されたり、痛めつけられるような残酷なこともなく、主人公が自分の都合や正義のために、人の車を簡単に盗んだり傷つけたりすることが多い昨今の映画の中では、この映画の車のシーンは画期的で見所がある映像に仕上がっているせいで、なんとか許容範囲だし、最近ではめずらしい男女の恋愛を軸にしていることも良かったんだけど、

恋愛にも、自分の行く道を決めるといった人生の甘さや辛さの中にも「魂」が入っていないというか、

古いジャズが好きな男も、昔の映画を見て女優に憧れた女も、監督の映画オタクを表現し、業界内でウケるためだけの存在で、昔の映画を知らない観客が、『ニューシネマパラダイス』を見て感動したり、子供がマイケルのショートフィルムから、昔のミュージカルを見るようになるとか、そういった一般の観客に響くような「愛」が感じられなかった。(『マルホ』に釣られたデヴィッド・リンチファンは観なくてもいいと思う)

それと「白い映画」かと思っていたら、そこも違ってた。

むしろ(人種的な)配慮が行き届いているというか、セバスチャン(ライアン・ゴズリングが演じているピアニスト)を雇うバンドのボーカルを、ジョン・レジェンドが演じていて、これは黒い映画でも白い映画でもなく、ジョン・レジェンドな映画だと思った。

彼の音楽を聴くといつも「いい曲のような雰囲気」だけはあるけど、全然いい曲じゃなくて、黒人音楽のいいところが消えていて、かといって白人ぽくもない、ただただ優等生ぽくて、このレベルで自分で「レジェンド」って言っちゃう?とか、いったい誰が聴いてるの?とか、長年こっそり思ってたんだけど、この映画を見たらとうとう言わずにはいられなくなってしまった。

ライアン・ゴズリングはピアノもダンスも素敵で、存在自体がエレガントだし、オーディションでみせる達者な演技が、選考者に見向きもされないなんていう自作自演に気分が乗らないところはあるものの、エマ・ストーンが実力派スターだということはすごくよくわかるし、

テンポが良くて、すべての音楽が良いミュージカルは希少で、この映画はそういった意味で高いレベルだと思うし、素敵な映像もいっぱいある。

でも、セバスチャンは、チャーリー・パーカーや、セロニアス・モンクのようなジャズが好きだと言いつつ、出てくるのはそれとは真逆の優等生ジョン・レジェンドで、物語もジョン・レジェンドのような仕上がりw

白いとか、黒いとかっていう評価の中には、ジョン・レジェンドのバンドから離れて、自分の好きな店を・・ってところを深読みしているものもあるように思うんだけど、そーゆーことがもううんざりって感じ。

私は、早く家に帰って、エイミー・ワインハウス聞きてぇーー!という気分になりました。


こちらは、観終わった方向け

ラ・ラ・ランドのネタ元映像

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Commented by jean moulin at 2017-03-10 17:51 x
お昼に飲んだワインの酔い覚ましにと、ふらっとこの映画観たのだけど・・、
Yomodaliteさんの感想にもあるように、とてもノスタルジックで、西海岸の空気感も心地良く、主役の二人も魅力的で、普通に良い映画だなあと思うのですけどね。
個人的感想としては、アカデミー賞の音楽関係の賞をいろいろ取っているのに、申し訳ないんだけど、音楽面が弱すぎ、、特にジャズの部分。
ジャズを大きなテーマにしていなかったら、気にならないかもしれないけど、心引く演奏が一つもないんだもの。
あ、でもね、楽しめたから・・。
で、「観ずに死ねるか」でも読むかな。
Commented by yomodalite at 2017-03-10 22:46
>音楽面が弱すぎ、、特にジャズの部分。

セバスチャン(ライアン・ゴズリング)をモダンジャズ好きにしなければ、菊池さんにも文句言われなかったのにねw 

>心引く演奏が一つもないんだもの。

ホント、モダンジャズとか、有名女優が「女優を目指す」っていう設定じゃなく、ジョン・レジェンドじゃなかったらねw
それと、ラストのあれを「どんでん返し」って言うなら、今までの「どんでん返し」は別の名前で呼びたいかも・・

>で、「観ずに死ねるか」でも読むかな。

嫁嫁\(^o^)/
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by yomodalite | 2017-03-02 10:26 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(2)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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