クリスマスに『わたしは真悟』を観に行く

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イブの日は、京都ロームシアターで、ミュージカル『わたしは真悟』を観ました。
真鈴(まりん)役に高畑充希、悟(さとる)役に門脇 麦というキャスティングは申し分のないほどイメージ通り。でも、この作品がミュージカルになるなんて、いったいどんな仕上がりになるのか、まったく想像がつかなかったのだけど、幕が開いてすぐに東京タワーらしき塔が現れて、


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「333のテッペンカラトビウツレ」

という構成には速攻でがっかりしてしまいました。フランス人の演出家を起用したことで、楳図かずおの現代アート界での評価がもっと上がるきっかけになったり、コミック全体を通読すれば10時間ぐらいのストーリーを、140分に凝縮して現代に合わせる、とても困難ではあるものの、今度の指標となるような仕事に期待していたんですが、

概ね原作の筋通りの展開の中で、2016年作品としては必要のないバブル期の日本バッシングなどの設定を残すなど、演出のフィリップ・ドゥクフレは、これまでに培ってきた手法を使って、依頼された仕事をただこなしたという印象で、特にこの原作に思い入れがあるようには思えず・・


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日本マンガが幅広く読まれていると思っていたフランスですが、帰りの電車の中で読んだパンフに、「ホリプロさんが訳してくれた原作漫画を読んで大好きになり・・」と書いてあったので、演出家が自ら選んだ企画ではなく、フランス語版の『わたしは真悟』も販売されていないみたい。

ドゥクフレ氏は、有機物でも無機物でも、人間が表現することにチャレンジしている身体芸術の演出家なので、機械の意志や街の様子、自然現象などは表現できても、真鈴と悟という子供の世界の「愛」や「世界」には手を出せない。そんなことが冒頭すぐの東京タワーになったんですね、きっと。

でもよく考えたら、当時46歳でありながら、これほどまでに子供の感性で作品を創ってしまった楳図かずお氏が、あまりにも稀有なアーティストだったことと、80年代の日本の勢い、その両方が合わさった奇跡をヨーロッパ人が表現することを期待する方が無理だったのかも。

そんな感じで舞台の出来は期待通りではなかったものの、会場は、平安神宮や京都市美術館・府立図書館といった建物の近くで、改装されたばかりのロームシアターも素敵で、同時に開催されていた楳図かずお氏の複製原画展など、イベントとしては充分に楽しめました。


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京都府立図書館&京都岡崎蔦屋書店による選書フェア『わたしは真悟』をもっと楽しむ24冊!というのも紹介されていたのですが、ロボット、SF関連の本が並ぶ中、『結婚式のメンバー』を見つけてちょっとびっくり!それは私のオススメで『わたしは真悟』を読んだ人が、私に薦めてくれた本でもあったから。


結婚式のメンバー (新潮文庫)

カーソン マッカラーズ/新潮社




大阪に帰る電車の中で、これは榊原郁恵から始まった『ピーターパン』ミュージカルの新機軸としてのホリプロの企画で、だから、ピーターパンを演じた高畑充希が主役なんだ、とか、マイケルは『わたしは真悟』読んでなかったのかなぁなどと、いつもながらの想像にふけりながら家に戻ると、大阪駅周辺もご近所もクリスマスでいつも以上に賑わってました。








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by yomodalite | 2016-12-25 18:43 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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