和訳 PRINCE “Last December”

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クリスマスソングが流れる季節になりましたが、プリンスの「Last December」を紹介したいと思います。


この曲が収録された『レインボウ・チルドレン』(2001)は、プリンスのアルバムの中で最も宗教的なメッセージにあふれたアルバムだと言われています。エホバの証人に改宗したことが大きな理由だとは思いますが、彼がこれまでの個人的な信仰から、教団の教義や仲間を求めた理由には、生まれたばかりの子供の死や、離婚といった個人的な理由だけでなく、米国の社会状況への彼なりのメッセージではなかったかと、私は思います。


多くの人々が、アメリカの富を享受できた80年代が終わると、政治から理想主義が消え、数多くの小集団がそれぞれの権利を主張するようになっていき、ヒップホップの美学や、政治的メッセージも、黒人はより黒人らしさを求めることで、ビジネスにおいても成功できるようになった。それは、マイケルやプリンスが次々と打ち破っていった先に見えていた人種の壁のない世界とは少し違っていて、人種間の対立を一層際立たせることにも繋がり、誰もが自由とお金を求める一方で、愛や大きな団結が消えていってしまった・・。


信仰に求めるものは人それぞれですが、プリンスが神への信仰によって、現代の人々に伝えようとしたのは、自由よりも、愛や大きな目標であり、この曲のコーラスのように、


僕らは、お互いを必要としている

僕らは、みんなでひとつなんだ


というメッセージではなかったでしょうか。







Last December


If you're Last December came what would you do?

Would anybody remember to remember you?

Did you stand tall?

Or did you fall?

Did you give you're all?


人生最後の12月が訪れたとしたら、君ならどうする?

君のことを思い出してくれる人がいるだろうか?

君は誇り高く生きて来た?(*1)

それとも堕落した人生を歩んできた?

君は自分のすべてを捧げ尽くしてきたんだろうか?


Did you ever find a reason why you had to die?

Or did you just plan on leaving without wondering why?

Was it everything it seemed?

Or did it feel like a dream?

Did you feel redeemed?


君は死ななくてはならない理由がわかった?

それとも、疑問に思うことなく人生を終えるんだろうか?

なにもかも思ったとおりの人生だった?

それとも夢のようだった?

君は救われたと感じたんだろうか?


In the name of the Father

In the name of the Son

We need to come together

Come together as one


父なる神の名において(*2)

その息子であるイエスの名において

僕らは、お互いを必要としている

僕らは、みんなでひとつなんだ


Did you love somebody but got no love in return?

Did you understand the real meaning of love that it just is and never yearns?

When the truth arrives

Will you be lost on the other side?

Will you still be alive?


君は誰かを愛したのに、報われなかったことがある?

愛に憧れただけじゃなく、その本当の意味を理解したといえる?

真実がこの世界に現れたとき

君は肉体を失った世界にいるんだろうか?

それとも、まだこの地上で生きているのか?


In the name of the Father

In the name of the Son

We need to come together

Come together as one


父なる神の名において

その息子であるイエスの名において

僕らは、お互いを必要としている

僕らは、みんなでひとつなんだ


In you're life did you just give a little

Or did you give all that you had?

Were you just somewhere in the middle

Not to good, not to bad?


これまでの人生の中で、少しは役に立てたと思う?

それとも、自分のすべてを捧げて尽くしてきた?

君は、何事もほどほどで

可もなく不可もなくだったんじゃない?


In the name of the Father

In the name of the Son

We need to come together

Come together as one


父の名においても

子の名においても

僕らは、お互いを必要としている

僕らは、みんなでひとつなんだ


(訳:yomodalite)

__________


(*1)CD訳詞では、最後の12月がやって来たときのことを聞いているという解釈ですが、前の二行は、would you do?、Would anybody・・で、次行は、did you・・なので、ここは時制が変わっていて、 今までを振り返ってどうだった?という意味になるのではないかと思いました。


(*2)Godを父とし、その息子をイエスとするのは、in the name of the Father and of the Son and of the Holy Spirit.(父と子と聖霊の名によって)というように、一神教では一般的ですが、このあとの、We need to come together、Come together as one というのは聖書的ではありません。プリンスは、イエスだけでなく、自分もみんなも神の子供である。だから、Come together as one(僕らは、みんなでひとつなんだ)と言っているのだと思います。


和訳の気になる点は、いつでも遠慮なくご指摘くださいませ。






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Commented by ヤンチャ at 2016-12-07 17:54 x
歌にのせて、人生の最後の12月だったらと自分自身でも考えていたのかな。
だんだんとプリンスのことも優しい目でみている私、の変化も心地良いです。
今年もyomodaliteさんに心より御礼を申し上げます。いろいろな刺激でおかげさまで前よりも若々しい気持ちを保てています。
Commented by yomodalite at 2016-12-08 11:03
>人生の最後の12月だったらと・・

本来の意味から考えれば(Pの宗教では誕生日だとは認めてないですが)、クリスマスは、こーゆーことを考える方が自然ですよね。

>プリンスのことも優しい目でみている私、の変化も心地良いです。

やんちゃさんまで、プリンスに興味をもってくださるなんて・・これで、私の周辺で3人はPに目覚めさせることが出来たかもw

とにかく、自分が受け取り損ねてしまったものは、プリンスの所にある。とは、キング自らも認めていることなので・・そーゆー意味でもプリンス探求はやめられないんですよね。
Commented by YY at 2016-12-08 21:22 x
君は死ななくてはいけない理由がわかった?
それとも、疑問に思うことなく人生を終えるんだろうか?
私は父を亡くしたときに、父の生きてきた信じた道とか、後悔とかを含めて、私がその疑問を答に変えて素敵に生きていくことを実践しようと思いました。そんな気持ちに近いのかな?
息子さんを亡くされて、そういう気持ちに辿り着く、本当苦しくて、寂しかったと思います。
でも、それに止まることなく、世界の人々にみんなでひとつと伝えることができるプリンス、改めてリスペクトでした。素敵な楽曲のご紹介ありがとうございました✨
Commented by yomodalite at 2016-12-09 11:17
>私は父を亡くしたときに、父の生きてきた信じた道とか、後悔とかを含めて、私がその疑問を答に変えて素敵に生きていくことを実践しようと思いました。

YYさん、すごいです。私は肉親との関係が薄いせいか、マイケルの死以上に衝撃を受けた経験がないんですよね。

>息子さんを亡くされて、そういう気持ちに辿り着く・・・

プリンスは、息子の死についてはなにも語ってなくて、ファンから見ても、改宗前、改宗後の変化というのは、エロイ歌詞がなくなったことぐらいで、彼は、初期の頃からずっーと神を信じ続けてきた人なんですよね。

それは、マイケルが自分の子供を授かる前から、子供のことをずっと考えてきたことや、マイケルの脱会後と脱会前が変わらないこととも、似ているような気がします。
Commented by YY at 2016-12-09 16:13 x
Michaelの死は、実父の死の衝撃と同等レベルであると言えるほど、Michaelから多くを学ぶ日々です。人は100%死に向かって生きています。考えないで生きるのは勿体ないくらい。
息子さんの死は人に語れないくらいの壮絶なものだったのでしょう。それでも、音楽を通して強く生きていこうという姿勢を息子さんに見てもらいたかったのかなと思いました。
MichaelもPrinceも、自分の中にある確固たる神のような存在があるのでしょうね。
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by yomodalite | 2016-12-05 07:00 | 現代文化・音楽・訳詞 | Trackback | Comments(5)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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