2016年 12月 03日
愛の宇宙方程式とヒップホップ・ジェネレーション |
数日前にアップされた、Soul Train Awards のテディ・ライリーのショー、ご覧になりました?
MJメドレーはもちろん、こちらも最近ますます元気なティト兄のギター参加もあって、とにかくテディが今でもすっごくカッコよくて、なんか元気出ちゃったんですけどぉ・・
この頃の黒人音楽には言葉の壁を感じなくてイイよね。
ヒップホップ時代は、メロディよりラップが重要視されるようになって、世代間の差とか、地域差も激しくなり、歌の中に暴力とドラッグが蔓延して、実際に亡くなったラッパーも・・・
それなのに、どうして、これまでの音楽ジャンル以上のビッグビジネスになったのか?
そんな疑問を解いてくれる本になかなか出会えなかったのだけど、この本は、ヒップホップの歴史が丹念に描かれていて、色々と参考になりました。
なじみのないカタカナ用語が多い上に、厚みが5センチぐらいある大書なので、想像以上に時間がかかって、なかなか読み終わらなかったんですが、ようやく、「ミリオン・マン・マーチ構想」が登場する(P643)頃から興味深い記述が増えてきて面白くなってきた。
それにしても、全756ページ(注釈をのぞく)もある本を、643ページまで読んで、ようやく「ミリオン・マン・マーチ」(1995年)って!、ジェイ・Zや、ノトーリアス・B.I.G.が出てくる前に、ヒップホップの歴史ってそんなに長くあったっけって思いません?
記憶の中では腑に落ちなかったものの、スパイク・リー監督の出世作『ドゥ・ザ・ライト・シング』は1989年で、映画では、それまで同じ地区の住民という関係だった韓国系やユダヤ系と黒人たちが分離していく状況を描いていて、その後さらに黒人とユダヤ人の連携関係が崩壊したことがヒップホップ文化の発展にとっては重要なポイントになったことや、
MTVで初めてかかった黒人音楽がマイケルとプリンスだった、というのは有名ですが、そのときMTVや、流行の仕掛け人たちが嫌っていたのは、黒人だけでなく「都会」だった。という話も、なんだか納得するものがありました。
マイケルのヴィデオを初めて見たとき、それを都会的だとは感じなかったけど、当時の他のアメリカンアーティストたちはもっと「カントリー」な感じの人が多くて、「ライブエイド」はロックアーティストたちが仕切った若者のイベントという印象だったけど、「ウィ・アー・ザ・ワールド」は、紅白歌合戦みたいで、なんか古臭いように見えた。
そんな風に思えた時代のアメリカは、今のようには「分断」しておらず、ヒップホップの仕掛け人たちによる、MTVでラップを流す計画は、マイケルがMTVに登場した数年後にはあって、マイケル以降、それまで消費社会の中心にあったカントリーミュージックは消え、都会中心になっていったんですね。
とにかく取り上げたくなるポイントが多すぎてピックアップするのも大変な大書なんですが、押野素子氏の翻訳がスムーズで読みやすく、ヒップホップの資料という以上に、アメリカの歴史に迫った本だと思いました。
そして、私がヒップホップに四苦八苦しているとき、ダーリンがときどき笑いながら読んでいたのがこちら。
空手バカのダーリンは、読む本の6割以上が「格闘技関係」なんだけど、この分野には、いろいろと変わった方が多くて、この本の著者の保江邦夫氏も数理物理学・量子力学の教授で、少林寺拳法や、大東流合気武術などさまざまな武術を学んだだけでなく、イエス・キリストが直接使用した(!)活人術まで伝授されて、『人を見たら神様と思え』なんていう本も書いておられたり、
比例代表で、日本のこころを大切にする党から立候補されて、落選されていたり、とにかくてんこ盛りな人生を歩まれている方なんですけど、
物理学用語をテキトーに利用して、宇宙の真理を語ってしまうスピリチュアル本は多いですが、理論物理学者の著者が書いたこの本では、受験生時代からここまで、自分の人生がいかにツイていて、スゴい奇跡にいっぱい遭遇してきた、という話が満載の・・・ナンダカンダ笑える本でした。
by yomodalite
| 2016-12-03 07:00
| 読書メモ
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