映画『AMY エイミー』

AMY エイミー [DVD]

エイミー・ワインハウス,ミッチ・ワインハウス,マーク・ロンソン,トニー・ベネット




映画は、十代の頃に友人たちと過ごすエイミーのプライヴェート映像で始まる。
友人たちとのパーティーで、ほんの少しだけ聴ける歌声は、やっぱり当時から光っていて、そこからラストシーンまで、エイミーはほとんどの画面に映っている。

授賞式や、レコーディング、インタヴュー、コンサート風景など彼女のアーティストとしての歴史の一場面以上に、プライヴェート映像が豊富で、幼なじみや、デビュー当時からのマネージャー、ミュージック・ビデオの撮影アシスタントで薬物依存症の夫ブレイク、父親・・・彼女を知る人物も大勢登場するけど、コメントは断片的で、監督は、エイミーの若すぎる死について、彼らに語らせることを避けている。

ブレイクを見ていると、なぜこんな男と、彼にさえ会わなければ・・と思ってしまうのだけど、

デュエットもしたトニー・ベネットが、彼女のことを、エラ・フィッツジェラルドや、ビリー・ホリディに匹敵するようなシンガーだったと褒めていたり、クエストラブが、音楽オタクである自分に、彼女が次々にジャズアルバムを送ってくることを語っている場面をみているうちに、ブレイクのことも、彼女がジャズシンガーとして選んだ相手だったのだと、納得してしまった。

ジャズもブルースも、それは音楽ジャンルの名前なんかじゃない。
それは、魂のあり方や、生き方のことで、ブレイクは避けられない運命の相手だったのだと思う。

デビュー後、彼女は、「私を知れば世間はわかるはずよ。私には音楽しかないって」と言っていた。でも、映画の冒頭では、歌は趣味であって、仕事になるとは思っていなかったという彼女の声も収録されている。彼女が有名になることに強い不安を感じていたことも、よく描かれているのだけど、それは、ただ純粋に歌が好きだった女の子が、世間に翻弄されてしまった、ということではなく、エイミー自身がこの結末に対して、正確に予想できたからだと私には思えた。

私が最初に彼女を知ったとき、すでに彼女は、大きなビーハイブヘアで、チープなコミック・テイストのタトゥーと、細すぎる足のハイヒールが痛々しい、あの姿だったのだけど、

その後、デビューして間もない頃の映像を見たことがあって、まだビーハイブヘアじゃない彼女は、大学でジャーナリズムを学んでいるような明るく聡明な雰囲気で、あまりのギャップに驚いたことがあった。そこにはドラッグの影響しか考えられず、なぜ、すでに多くのアーティストが失敗してきた道に今更・・・という思いがあったのだけど、今はもうそうは思わない。

健康な肉体より、魂が腐っているという状態はわかりにくい・・

エイミー・ワインハウスが好きな人も嫌いな人もどちらでもない人にもオススメ!


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Commented by YY at 2016-07-26 07:39 x
そちらでは始まっておるのですね✨こちらの方は秋頃放映予定です笑 エイミーもただただ歌いたかったんだな、音楽したかったんだなと、マイケルのThis is itで感じた哀しみ?なのか怒りなのかをを感じます😌エイミーの映画はまだまだ観られないけど、秋頃観ますね!JBのドキュメンタリー映画も秋頃放映なんですよ笑 芸術の秋にふさわしいわ🌠🌠🌠と、自分に納得させる日々です🌹
Commented by yomodalite at 2016-07-26 20:32
>こちらの方は秋頃放映予定です笑

公開地域でラッキーでしたね!

>マイケルのThis is itで感じた哀しみ?なのか・・・

私は「This is it」自体には、哀しみや怒りは感じなかったんだけど、この映画も、死の真相とか、薬物が・・ということよりも、エイミーの生き方が描かれている、という風には感じたかな・・

>JBのドキュメンタリー映画も秋頃放映なんですよ笑

実は、エイミーと同日にJBの映画も観て、ブログにも書こうと思っているんだけど、こっちもすっごく良かったですよ。

こっちでは、便乗企画(笑)で、『ソウルパワー』もやってて、今日、時間ギリギリ間に合いそうだったので、慌てて観に行ったんだけど、チケット売り場で、財布を忘れたことを発見して、泣きながら帰ってきた(笑えない)
Commented by YY at 2016-10-12 23:18 x
やっとのことで「AMY」見て参りました!昔から夭折の作家とかミュージシャンを調べたりするのが好きでして、なぜこの人はこうならざるを得なかったのか妄想に耽るのが趣味と言いますか。
エイミーが性的虐待を受けてはいないけど、九歳の時に父親が出て行ってからこうなったのと、ブレイクに言うシーン。子どもは色んな哀しみを吸収し、上手く吐かす事が出来ないとき、こんなにもジャジーな人になり得るのか、曲を聴く私たちには感動だけど、とうのエイミーの身を切るSoulに改めて哀しみを感じずにはいられなかったです。
トニーベネットが「生き急ぐな、生き方は人生から学べる」と言う言葉。身に染みつつ、アーティストたちみたいにはいかないけど、地に足付けて明日も頑張るかと思いました。
Commented by yomodalite at 2016-10-13 22:34
>昔から夭折の作家とか・・こうならざるを得なかったのか・・

私は思春期の頃からずっと夭折の人がキライだったんですね。みんな同じ道のりを辿っているように思えたし、20代で才能があるなんてありきたりで、天才とは言い難いとも感じていて・・でも、エイミーは何度も考えて、それを選んだというか、今の時代に、自分はジャズを生きる運命なんだと、恐れながらも突っ走った。

夭折の天才って、道半ばで倒れたようなイメージもあるけど、彼女の場合はすごく見事だったというか、「完璧」な人生だったように思えました。エイミーのように若くして、自分の運命に目覚めた人には長い人生はいらなかったんじゃないかと。

>地に足付けて明日も頑張るかと思いました。

私も、「生き急ぐな、生き方は人生から学べる」のように、自分の運命についてまだわからないので、明日が必要みたいです。
Commented by YY at 2016-10-14 12:25 x
自分の運命に目覚めた人✨まさにそうですかも😌
私はこの映画でエイミーを少しだけでも知れて、好きなミュージシャンの一人になりました😌
次はジャニスのドキュメンタリー映画が、なんとたったの三回だけ上映されるので、行きたいと思っていますが。なぜ三回だけなのかがなぞです😉
Commented by yomodalite at 2016-10-14 17:57
>次はジャニスのドキュメンタリー映画が・・・

そうそう、私もそれ観なきゃって思ってたのに、忘れるところでした(YYさんありがとーー)

明日観に行けたらいいな♪
Commented by YY at 2016-10-16 18:23 x
ジャニスの映画、お役に立てて光栄です
(。・∀・。)ノ
私も昨日観てきました( ´艸`)でも、その前に下の子がいつもと違って、バイバイ、ママって感じではなく、一緒に散歩がしたかったらしくって、少し近所を散歩して、預けて、映画館横の駐車場はいっぱいで、徒歩10分位程の駐車場(遠く感じました、ギリギリなんで(ToT))に停めねばならず、絶対大事な幼少期からテキサス大学のブ男投票の前のシーンところまでは空白です笑

人の痛みが痛いほど汲み取れるから、ブルースに出会い、歌う事になったジャニス。本当は内気で、恐がりで、何よりも愛と承認を求めた姿。全然ブスじゃないし、むしろ魅力的なのに😌自信を持って、ジャニス!
最後のエンドロールでジョンレノンが、ドラッグやお酒にハマる(原因)を追求すべきと言っていました。私もいつも考えています。少し考えればそうなのになんで?って😌

そちらは限定ロードショーではないのでしょうか✨うらやましいです✨
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by yomodalite | 2016-07-21 10:41 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(7)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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