HIStoryと黙示録:ティーザー

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HIStoryティーザーに引用された5つの映画は、すべて世界大戦と世界帝国が創られる恐怖が絡んでいて、人類全滅の可能性がある深刻な恐怖をもたらすものを扱っている。(→「新たなヒーロー像」)

ということから、ここまで「黙示録」に注目して、4本の映画について書いてきたのですが、今回は肝心の「HIStoryティーザー」が、黙示録をどう扱ったか、について。


黙示録の天使は、

地上に住む人々、あらゆる国民、種族、言葉の違う民、民族に告げ知らせるために、永遠の福音を携えて来て、大声で言った。

これは、ティーザーの映像が始まる前、エスペラント語で男が叫んだ、

「さまざまな国が、世界共通の母と、愛と、音楽の癒やしの力の名のもとに、この像を建てよ!」

という部分に似てますね。でも、このあと黙示録の天使たちが言った、

神を畏れ、その栄光をたたえなさい。神の裁きの時が来たからである。天と地、海と水の源を創造した方を礼拝しなさい。(黙示録14章)

と違って、ティーザーは、「像を建てよ!」です。

ここは、エスペラント語ですから、ほとんどの人が聞き取れず「大笑い」できた人は極わずかだと思いますが、以前も書いたように(→参考記事)黙示録の天使たちは、偶像を拝むとか、偶像を崇拝するものを地獄に落とす気がハンパないんですよ(笑)

これから、アホほどデカイ像を建て、しかも大勢で崇拝して見てますから、黙示録の天使たちは全員ブチギレ確実で、地獄行きのジャッジするに違いないんですがw、

ティーザーでは、このあと、軍隊のシンボルであり、ヨハネをあらわすとも言われる《鷲》の彫像が映り、


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マイケル率いる兵士たちが夕陽をバックに現れます。



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黙示録(別名:The Book of Revelation)や、聖書(通称:The Book)への間違った解釈に基づいた「HIStory(歴史)」を「Past(過去)」のものとし、「Present(現在)」と、「Future(未来)」を「Book I(新たな本の第1巻)」とするという、マイケルの『HIStory : Past, Present and Future, Book I』が叩きつけた「挑戦状」が、ググッと感じられたと思いますが、マイケルの軍隊はさらに力強く進んでいき、


0:48あたりから、映画「レッドオクトーバーを追え」のサントラから、Hymn to Red October(レッドオクトーバー賛歌)の物悲しいメロディーが流れ、街道は「KING OF POP」のプラカードと、人々の悲鳴にも似た歓声に包まれます。


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黙示録では、「小羊(イエス)」を前にした天使たちは、

あなたは屠られて、あらゆる種族と言葉の違う民、あらゆる民族と国民の中から、御自分の血で、神のために人々を贖われ、彼らをわたしたちの神に仕える王、・・・屠られた小羊は、力、富、知恵、威力、誉れ、栄光、そして賛美を受けるにふさわしい方です。

と言うのですが、これは、「KING OF POP」のプラカードをもち、沿道でマイケルの軍隊に声援を送っている場面に対応しているんじゃないでしょうか。


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また、ここで、マイケルの腕章にある《777》が、黙示録で悪魔の数字と呼ばれる《666》のパロディだということはいわずもがなでしょう。聖書には「7」という数字が頻繁に登場しますが、黙示録は特にそれが顕著で、小羊(イエス)を、3つの《7》で表現している箇所もあります。

わたしはまた、御座と四つの生き物との間、長老たちの間に、ほふられたとみえる小羊が立っているのを見た。それに七つの角と七つの目とがあった。これらの目は、全世界につかわされた、神の七つの霊である。


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音楽は、兵士たちの切ない心情を奏でていますが、マイケルは投げキッスと極上のスマイルを返します。


寒く、つらく、虚しい
光は私を置き去りにした
君が死んでしまうなんて、どうして私にわかるだろう?
今また旅立つ、懐かしき我らの国
これが現実で、夢ではないなんて
想像することもできない
母国、わが故郷
さらば、我らの祖国よ

恐れを知らず海を行け
北の海の誇りを胸に
革命の希望を胸に
君たちは人民の信念をみなぎらせ
十月に、十月に
我らの革命の勝利を君に告げよう
十月に、十月に
君たちは我らの遺産となるだろう

(Hymn to Red Octoberの歌詞和訳)

◎十月革命(Wikipedia)




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大勢の人々がいる街道は、英雄広場にある、現代美術館と近代美術館の間の路で、人々の歓声はますます高まり、



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次に立ち止まった街道で、マイケルが率いる軍隊は、実際の場所にはない《凱旋門》をくぐり抜け、その両側には、ハンガリーの英雄広場にあった、頂上に天使ガブリエルがいる像がいくつも並んでいます。ここでのガブリエルは、最終戦争の始まりを告げるという意味は感じさせるものの、伝統的な聖書の考え方では、大天使ガブリエルがいくつも、というのはありえません。それでは「大天使」になりませんからね。

大天使という存在は、新約聖書からは薄れているので、ヨハネの黙示録にもガブリエルの名前は登場しないのですが、ガブリエルを思わせる天使像を並べたことで、この街道にいる戦士たちと、それを率いるマイケルには「ミカエル」の意味を帯びてきます。神と自分のあいだの存在を認めず、神のメッセンジャーとしての天使には重きをおかずに、街道で見ている人々と同じように扱っていますが、「ミカエル」としては見て欲しいのでしょう。(参考記事→)




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そして、最終戦争に勝利するミカエルが率いる兵士たちは、腕に腕章ではなく「白い包帯」し、撃つことのできない木製の銃で、華麗なライフル・ドリルを披露します。(参考記事→)




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すると、ここで『地獄の黙示録』と同じ夕陽をバックにヘリコプターが現れます。映画では、「額に神の刻印を押されていない人には害を加えてもよい」という伝統的な黙示録の解釈にそって、異教徒を攻撃しまくるのですが、(参考記事→)

マイケルの場合は、黙示録の天使たちを怒らせていますからね(笑)。

ここでは、天使が放った「イナゴ」(ヘリコプター)によって、車に火が放たれ、街灯を破壊したのでは?という不安と、

第七の天使が鉢の中身を空中に注ぐと、神殿の玉座から「事は成就した」という大声が聞こえ、稲妻、さまざまな音、雷が起こった・・・

という、2つの意味を感じさせつつ、完成した彫像の除幕式は、すっかり日が落ちた英雄広場で始まります。




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ロケ場所である、ハンガリーの千年記念碑は、左側に歴代の国王の像、右側に政治家や将軍たちの像が飾られているんですが(参考記事→)、映像では、右側の像たちが点灯され、そのあと英雄広場全体に照明が点いて、ガブリエル像の背後から、布で覆われた巨大な像が見えてきます。



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(ガブリエル像の背後から像を見ている)



除幕式を指揮している男は、王室関係の行事を思わせるサッシュをしていて、背後の彫像ははっきりとはわかりませんが、おそらく右側の政治家や将軍たちの像でしょう。



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ターゲットに照準を合わせ、発射レバーを引いた男は、ファッションを見ると、冒頭で彫像作りを指揮していた男のようです。



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この巨大な彫像が布で覆われていることを、黙示録的に解釈すると、小羊が最後の封印を解く役割を担っていることも思い出されます。

神とおぼしきひとの右手にある七つの封印のある巻物は、「小羊」が開くのがふさわしい

マイケルの「Book I」が、この巻物の意味をもっていると思われるのですが、この巨大な彫像も、最後に封印を説かれるべきものなのでしょう。

マイケルの「ティーザー」は、チャップリンが『独裁者』で演説した世界観を「スマイル」とともに提示して見せた世界だと思います。しかし、ここにはチャップリンが映画では表現していないことも盛り込まれています。


そのもっとも大きなものがこの《巨大な彫像》の建立と、


それを攻撃しようとする・・・


というわけで、この続きはまた次回。





(ここまでを確認したい人のために動画も貼っておきますね)




最後にもうひとつ・・


マイケルがこの時期、慌てて結婚しw、滅多にプライヴェートを見せなかったマイケルが、これでもか、と「結婚」をアピールしたことはご存知だと思いますが、



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(映像ではブーツに婚礼を挙げた場所が刻印されているだけですが・・参考記事→)

ハレルヤ、全能者にして、わたしたちの神である主が王となられた。わたしたちは喜び楽しみ、神をあがめまつろう。小羊の婚姻の時がきて、花嫁はその用意をしたからである。
最後の七つの災害が満ちている七つの鉢を持っていた七人の御使のひとりがきて、わたしに言った、「さあ、きなさい。小羊の妻なる花嫁を見せよう」。


最終戦争に勝つためには、花嫁の存在や、お披露目も重要だったんですよね(笑)






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by yomodalite | 2016-03-18 12:09 | ☆MJアカデミア | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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