大阪散歩(福島の古本屋と福沢諭吉と五代友厚・・)

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数日前の大阪W選挙とよばれた日、投票所の近所の小学校から、夕陽に誘われて、家から福島方向へと散策した。

福島は、大企業のビル群も近く、テレビ局の本社ビルや、芸能人が暮らすマンションも多くありながら、庶民的な街並みも残されている、東京でいえば「麻布十番」に近い、と私は思っている場所。

この日は、何度も通っている商店街なのに、今まで気がつかなかった古本屋を見つけて入ってみた。


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カビや埃をコーティングして、懐かしいよりも、古臭さが目立つ怠慢な古本屋が多い中、こちらは、一冊一冊、とてもキレイな状態で置かれているだけでなく、店主のセレクトは、この店を「おしゃれな古本屋さん」と言ってしまうことを、少し躊躇うぐらい幅広くて、



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家に持ち帰る本を選ぶのに、すごく迷ったのだけど、すべてビニールのカバーがかけられていて、新本と見間違うぐらいキレイな文庫から、日本の作家に的を絞り、一冊は、つい最近、友人から好きだという話を聞いて、再注目していた色川武大の『百』に決め、



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もう一冊は、ものすごく迷ったのだけど、関川夏央の『豪雨の前兆』(解説:水村美苗)にした。

どうしても、このタイトルが心から離れなくなってしまったから・・

◎Trumpet(ホームページ)
http://trumpet-books.jimdo.com


店を出るとすっかり日が落ちて、たくさんの店に灯りがともっている通りからも離れたくなかったのだけど、河辺のクリスマスイルミネーションのことも気になってきて、大川の方へと遠回りしてみる。


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河辺のクリスマスツリーの前では、すでに大勢の写真撮影しているグループがいたのだけど、そのすぐ側にあった「福沢諭吉誕生地」という記念碑も、今日はじめて気がついた。



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東京の家の近くには、「慶應義塾発祥の地」という記念碑があって、それは、明治時代、そこが外国人居留地だったからだと思っていたのだけど、福沢諭吉はずっと河辺に縁があった人でもあったんだなぁ。。波止場には、人と文化が流入され、海に近い大きな川の周辺には、都市ができる。アムステルダムも、パリも、ニューヨークもすべてそんな風にできていて、共に近代日本の中心地になった東京都中央区と大阪市中央区は、今も同じ風景を感じる場所も少なくないのだけど、

縦横無尽に張り巡らされていた東京の中心部の川は徐々に埋め立てられ、福沢諭吉がいつも眺めながら成長した大阪の川は、今も見守られているから「水運」が保たれているのかも・・

東京に比べて、今の大阪が遅れているように見えるのは、この場所に、近代日本の礎となった者の魂がより強く残っているせいもあるように思う。

対岸には、五代友厚の大きな像がそびえ立ち、この地で生まれた山崎豊子は、戦後の日本に疑問を投げ掛け続けた。



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帰宅して、この日に買った本をもう一度眺めてみたら、『豪雨の前兆』の表紙が、なんだか、大阪の河岸に見えてきた。



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関川氏の名前の下に見える建物が、大阪市中央公会堂に見えてしまうのだ。



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河岸からみた公会堂の写真はこちら



その表紙は、ヴェネチアにある、ザッテレ河岸の写真だと、

文庫カバーには書かれていたのだけど、それが「豪雨の前兆」という作品と関係があるのかどうかは、まだこれから・・・





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by yomodalite | 2015-11-26 16:00 | 日常と写真 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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