世界を変えた書物はどの国から多く出版されていたのか

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稀覯本の詳細や、「知の森」をイメージした会場全体の様子は下記のリンクを!



会場内が撮影自由だったのが嬉しかったのですが、こちらでは、「世界を変えた書物はどの国から多く出版されていたのか」という映像によるグラフが興味深かったので、そちらの写真を。

(このグラフは、竺覚暁『工学の曙ー世界を変えた書物 解題年表』という書籍に記載されている約2300冊の書物からの集計)

色や形が刻々と変化する有機的な映像を写真に撮ったため、見づらい色合いになっていますが、

コメントとその時代の主要な出来事も追加しました!


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◎1450年
圧倒的に、イタリアがリード。その次にドイツ、フランスとスイスは拮抗し、ベルギーとオランダもほぼ同じで続いている。

☆百年戦争(フランスの王位継承をめぐって、ヴァロワ朝フランス王国と、プランタジネット朝およびランカスター朝イングランド王国の戦い。これによって、フランスとイギリスの国境線が決定する)


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◎1475年
独走イタリアがさらに拡大、ドイツとフランスが一位との差を縮め、スイスが後退。スペイン、オーストラリア、ベルギーが拮抗し、イングランドが出現する。


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◎1500年
独走イタリアをフランスがドイツをリードし、勢いを増すイングランドとオーストリアが後を追い、スペイン、ベルギー、ポルトガル、スイス

☆ブラジルが発見される



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◎1525年
イタリア、フランス、ドイツ3カ国が拮抗。スイスが盛り返し、ベルギー、イングランド、スペイン、ポルトガル。オーストリアは縮小化。

☆イタリア戦争(1521−1526)/ハプスブルグ家(神聖ローマ帝国、スペイン)と、フランス(ヴァロア家)が、イタリアを巡って繰り広げた戦争。

☆教皇レオ10世(メディチ家出身)は、神聖ローマ皇帝カール5世と結び、フランス支配下のミラノを奪還し、ロードス島の聖ヨハネ騎士団とヴェネツィア共和国の連合軍はオスマン帝国に敗北する。


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◎1550年
イタリアが3カ国の拮抗から抜け出して、首位に返り咲き、2位がフランス、スイスがドイツを破り、イングランドとドイツが拮抗。

☆アルタン・ハーンの軍が北京を包囲


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◎1575年
イタリアの首位は変わらないものの、書籍量が減少。2位フランス、3位ドイツはスイスを抜き返し、オランダ、スイス、イングランドが拮抗。


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◎1600年
出版国が広がる。首位イタリア、2位ドイツ、フランス、スイス、オーストリア、オランダ、イングランドが拮抗。スコットランドとチェコが急上昇。

☆イギリス東インド会社創設
☆関ヶ原の戦い(日本)
☆ウィリアム・シェイクスピア、『ウィンザーの陽気な女房たち』を執筆


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◎1625年
フランスが首位。2位がイタリア、ドイツ、オランダ、イングランドが拮抗。次いで、急上昇したポーランド、スペイン、ベルギーも拮抗。

☆三十年戦争/ボヘミアにおけるプロテスタントの反乱をきっかけに勃発、神聖ローマ帝国を舞台に、1618年から1648年に戦われた戦争。スウェーデンが参戦した1630年以降は、フランス王国ブルボン家とオーストリア大公国ハプスブルク家のヨーロッパにおける覇権をかけた戦いともなった。


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◎1650年
イングランドが首位。2位がフランス、イタリアは3位に陥落。オランダ、ドイツ、スイスが拮抗し、スペインが追いかける。

☆イングランド・オックスフォードにヨーロッパ初のコーヒー・ハウスが開店。
☆トマス・ホッブズの『リヴァイアサン』刊行(1651年)


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◎1675年
首位イングランドは変わらないものの、2位のフランス、3位のイタリアが差を縮める。縮小したドイツはオランダと拮抗し、オーストリア、スペインが後を追う。

☆イギリス:グリニッジ天文台完成。
☆パリに世界で最初のカフェができる。
☆ジョヴァンニ・カッシーニが土星の環が複数の輪で構成されていることを発見。
☆バールーフ・デ・スピノザの『エチカ』完成(出版は没後)
☆江戸幕府、伊奈忠易が無人島(ぶにんじま、現在の小笠原諸島)を調査。



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◎1700年
首位イングランド、2位フランス、3位イタリアの順位は変わらず、ドイツとイタリアの差もほとんど縮まっていない。次いで、オーストリアとスペインが拮抗

☆デンマーク=ノルウェーおよびポーランド=リトアニア共和国がスウェーデン・バルト帝国を攻撃。これをきっかけに大北方戦争が勃発
☆デンマーク=ノルウェーおよびドイツのプロテスタント地域にてグレゴリオ暦が採用される。
☆スウェーデンにてスウェーデン暦が採用される。
☆ウィリアム・ダンピアがヨーロッパ人として初めてニューブリテン島に到達。


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◎1725年
首位イングランドが拡大し、2位フランスとの差を広げ、3位のイタリアはオランダに追い上げられる。ドイツとスイス、新たに登場したロシアが拮抗


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◎1750年
フランスとイングランドは同率首位。わずかな差でイタリアが3位。間を開けられてスイスが続き、ドイツ、オーストラリア、ロシア、スコットランドが拮抗。オランダは縮小しスウェーデンと拮抗。

☆バウムガルテン、『美学』第一版出版。
☆ドゥニ・ディドロらによる百科全書の刊行が始まる(1751年)
☆ベンジャミン・フランクリン、雷の中で凧をあげ、雷が電気であることを証明(1752年)
☆イギリスでグレゴリオ暦が採用される(1752年)



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◎1775年
フランスが首位。わずかな差でイングランドが2位。3位イタリアとの差が拡大、ドイツがそのあとに続く。スイス、スコットランドが拮抗、アイルランド、オーストリア、スウェーデンと同様の位置にアメリカが出現。

☆アメリカ独立戦争勃発(1775 -1783年)


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◎1800年
首位フランスの勢力が大きく拡大。2位イングランド、アメリカが急成長し3位。次いでドイツ、ロシア。イタリアは大きく後退し、スウェーデン、スコットランドと並ぶ

☆フランス革命戦争: マルタ護送船団の海戦でイギリスが勝利。
☆アメリカ議会図書館発足。
☆伊能忠敬、蝦夷地を測量
☆トーマス・ジェファーソン、アメリカ合衆国第3代大統領に就任(1801年)


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◎1825年
首位フランスの後を、ドイツ、イングランド、アメリカがほぼ同率で並ぶ。その後を、ロシア、イタリア。

☆ボリビアがスペインから独立する。
☆文政の異国船打払令。
☆ブラジル独立を承認
☆南米でアルゼンチン・ブラジル戦争が起きる(1825 -1828年)


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◎1850年
首位イングランドの後を、ドイツが猛追。フランスは3位に降格し、その後がアメリカ

☆ホーソーン『緋文字』発表
☆アメリカン・エキスプレス設立
☆ヴァグナー『ローエングリン』初演
☆イギリス海峡で初の海底ケーブル敷設
☆米国でカリフォルニアが31番目に州となる
☆シドニー大学創立(オーストラリア初の大学)
☆テニスン(英国)が桂冠詩人となる



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◎1875年
首位イングランド、ドイツ、フランス、アメリカという順位は変わらず。

☆サン=サーンス交響詩「死の舞踏」がパリで初演
☆ビゼー歌劇「カルメン」パリで初演(オペラ=コミック座)
☆ドイツ帝国でドイツ社会主義労働者党結成
☆東京気象台設置
☆チャイコフスキーピアノ協奏曲第1番アメリカで初演(ボストン、独奏ハンス・フォン・ビューロー)
☆ニューヨークで神智学協会設立
☆英国がスエズ運河株式会社を買収(44%)
☆抄紙会社(のちの王子製紙)が開業



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◎1900年
ドイツが首位、2位イングランド、3位はフランス、アメリカが拮抗。次いでオーストリアとロシアが拮抗し、そのあとを初登場の日本とインドが追う。イタリア、クロアチア、アイルランド、スコットランドはアジア勢よりも後退

☆プッチーニ歌劇「トスカ」イタリアで初演(コスタンツィ劇場)
☆英国皇太子(後のエドワード7世)暗殺未遂
☆パリ万国博覧会開催され、地下鉄が開通する
☆パリ五輪(第2回夏季オリンピック大会)開催
☆凸版印刷創業
☆東京電気鉄道(後の都電)設立
☆京都法政学校(後の立命館大学)創立(中川小十郎)
☆女子英学塾(後の津田塾大学)開校(津田梅子)
☆夏目漱石が大日本帝国文部省留学生として英国に留学



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◎1925年
イングランドが首位、2位アメリカ、3位ドイツ、4位フランス、次いでイタリア、僅差で、ロシアと日本

☆イタリアのベニート・ムッソリーニが独裁宣言
☆日本の娯楽雑誌『キング』創刊
☆国家社会主義ドイツ労働者党(ナチ党)再建
☆アドルフ・ヒトラー『我が闘争第1巻』公表
☆アドルフ・ヒトラーを保護する組織としてナチス親衛隊設立
☆クー・クラックス・クラン(KKK)第1回全国大会を開催(ワシントンD.C.)
☆柳田國男が雑誌「民族」を創刊。民俗学と民族学の連携を提唱。


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◎1950年
アメリカが他を引き離して首位に。2位イングランド、3位に日本が急上昇。そのあと、イタリアとドイツが拮抗し、次いで、ロシア、オランダ、フランスは大きく後退する。

☆イギリスが中華人民共和国を承認する。このため台湾の国民党政府は、イギリスと断交する。
☆アメリカ、ソ連、イギリスがベトナム民主共和国を承認する。
☆朝日新聞と毎日新聞が名古屋市での印刷を再開。
☆寿屋(現・サントリー)が「サントリーオールド」を発売。
☆警視庁がD・H・ローレンス作、伊藤整訳の『チャタレイ夫人の恋人』を猥褻文書として摘発。
☆ピーナッツ (漫画)、連載開始。
☆中国人民解放軍がチベットに侵攻(チャムドの戦い)
☆マザー・テレサ、神の愛の宣教者会設立。


グラフは1950年まで。この後のグラフも見たかったなぁ。。



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Commented by としえ at 2015-11-26 21:32 x
おもしろいですね~!
Commented by yomodalite at 2015-11-27 11:48
会場内の竺覚暁教授による解説は全然聞いてなかったんですが、色々と見所のある展覧会で・・このグラフも、自分で歴史と合わせて見ていたら、ますます面白くなってきて・・大学の宣伝としては、かなりイイですよね!
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by yomodalite | 2015-11-25 06:00 | 歴史・文化:美術 | Trackback | Comments(2)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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