マイケルとチャップリンのエスペラント(2)

(1)の続き


ヒストリー・ティーザーのエスペラント語は、オープニングで男が叫んでいる、







“Diversaj nacioj de la mondo konstruas ĉi tiun skulptaĵon en la nomo de tutmonda patrineco kaj amo kaj la kuraca forto de muziko”


“Different nations of the world build this sculpture in the name of global motherhood and love and the healing power of music.“


「さまざまな国が、世界共通の母と、愛と、音楽の癒やしの力の名のもとに、この像を建てよう!」


と、そのあと溶鉱炉のようなところで、


“Venu ĉi tien!”

Come over here!


こっちへ来い!


という音声の二カ所のみで、


『独裁者』と違って、エスペラント語が文字として登場するところはありません。



このフィルムに登場する文字を見てみると、



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これは、ロシア語っぽくて、私はロシア語なんてチンプンカンプンなんですが、でも、少し違っているというか・・・ロシア語に使われているキリル文字の「З」「Ж」「Є」「У」を、ちょっぴり変えて造ったんじゃないかなぁ・・・

一番上部に並んでいる4文字も、「И」「Ф」「Я」までは、ロシア文字ですが、一番右側の三角みたいなのは、「Д」ではないような・・ロシア語だけじゃなく、おそらく非スラブ系文字で探しても少し違うんじゃないでしょうか? 

https://ja.wikipedia.org/wiki/キリル文字一覧

でも、、「Д」は「デルタ」だから、やっぱり文字デザインとして「△」もアリ??・・(ロシア語だとして、英語変換すると「IFAD」?)

なんてことを思っていたら、同時進行で調べていたティーザーの音楽に『レッド・オクトーバーを追え』のサントラが使われていることが判明!(kumaさん、moulinさんありがとーーー!!!!)

ちなみに、この曲の前にかかっている音楽については、「ターミネーター2」を加工してあるとか、後半は「レッドオクトーバー」と同じ作曲者の「Honor and Glory (1996 Olympic Games)」じゃないかとか、いや、1996年って『HIStory』よりも前じゃん・・などの話があったものの、結局、この前後の音楽は、MJの音楽チームが適当に創ったのではないか・・という感じになってきているんですけど、どなたか、わかる方はおられますか?(ブラッドさんは何か言ってないのかな・・)






この曲は、Hymn To Red October(レッドオクトーバーの賛歌)という題名なんですね。


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じゃあ、やっぱりロシア語だったのかな?と思いつつ、『レッド・オクトーバーを追え』の「Wikipedia」を見てみたら、

映画の冒頭では「КРАСНЫЙ ОКТIАВR」と赤い文字で表記される(一見ロシア語かと思うが、いわゆる偽キリル文字表記の一種)。

と書かれていて、


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こちらは、ティーザーと違って、私にはまったく「偽」っぽく見えなかったんですけど・・REDは「КРАСНЫЙ」だけど、Octoberは「октября」だったんですね。いずれにしても、ティーザーの文字がロシア語なのかどうかは、よくわかりませんが、

ソヴィエトの「十月革命」を指すレッド・オクトーバーは、“革命” という意味を感じさせますよね。

ベルリンの壁が壊れ、ソヴィエト連邦が崩壊したのは、ヒストリー発売の4年前(1989年)ですが、同じ年、撮影が行われたハンガリーでも、MJが、社会主義崩壊後にいち早く公演を行ったルーマニアや、自分の家として国宝のような城を買おうとしていたり、「ジャクソン・ランド」を建設する計画もあったポーランドでも(→参考記事)、東ヨーロッパ諸国の共産主義国家が次々に崩壊しました。「ヒストリー・ティーザー」の社会主義的な雰囲気からは、そういった国々に新たな光をもたらそうとしていた、MJの意志が感じられます。



また、その他の文字に目を向けてみると、


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(兵士たちは上部の星がないデザインではあるものの
MJと同じバッジ)



f0134963_10282700.png
(袖の部分もMJのバッジと同じ文字?)



よくはわからないものの、これらは、現在の主要な言語よりも古い、文字の根元を思わせるような、架空の文字ではないでしょうか。。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ルーン文字
https://ja.wikipedia.org/wiki/ヘブライ文字
https://ja.wikipedia.org/wiki/古ヘブライ文字


そして、この隊を率いているMJは、エスペラント語を話す溶鉱炉にいた男たちが造っていた「丸の中に星」のバッジをつけてはいるものの、

彫像とは異なるデザインになっていて、使われている文字も違います。


ちなみに、MJの逆側の腕のバッジはデザインが違っていて文字はなく、「777」のみです。


f0134963_15102431.jpg


では、

この隊を率いているMJは、彫像の男ではないのでしょうか?

というか、

エスペラント語で、「あらゆる国に共通した母と愛と音楽の力の名のもとに、この像を建てよう!」って言ってた像に、どうしてエスペラント語ではなく、英語で「POLICE」って入っているんでしょうね?(笑)

全然「エスペラントの星」じゃないじゃないですか(笑)

あの蒸せ返るような溶鉱炉で作業していた、エスペラント語を話す男たちも、出来上がった像を見て、( ゚д゚)ポカーン て感じでw、「話が違う!」と、MJに文句を言っても不思議でないような・・

隊を率いているMJが「POLICE」で、彫像とバッジを逆にした方が、しっくりくるような気がするんですけどねぇ・・

まだ、Part 3もあることですし、とりあえずこの疑問は、保留にしておきますが、

このティーザーの中で、架空ではない文字は「KING OF POP」などのプラカード以外に、もうひとつあるんですよね。

それは、MJのブーツの前面にはっきりと入っている

「DOMINICAN」という文字。


f0134963_10331558.jpg


えっーーー、ドミニカ共和国・・・せめてハイチにしてくれないかな(なんでw)とか、一瞬、頭が混乱したんですが、これは、おそらく、

「最近、リサ・マリーと結婚したんだよね、ドミニカ共和国で

という、MJの人生の1ページというか、歩みwを記念したものではないかと。

それは、確かに「HIStory」ですからね(笑)

そんなところで「Part 2」の補足もこれで終了(ふぅーーー)





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Commented by moro at 2015-10-31 00:25 x
yomodaliteさん、こんばんは。お疲れ様です。
シリーズの翻訳、そして考察ととても濃い内容に感動しています。特に「独裁者」との関連でティーザーの冒頭の言葉がエスペラント語であること、星のマークの意味がわかって目から鱗です。ティーザーは映像も音も大好きで、最初に見たときは直感的に「こんなに反感を買いそうな表現でど真ん中堂々と突き抜けるマイケルはやっぱ凄い・・・」と思ってたのですが、知識を得て理解を深めるというのはまた別次元ですね。
エスペラント語は大学にサークルがあったので、世界の共通語としての理想を持つ言語というのは知っていましたが、その後うん十年も意識に上ることもなかったのです。
それから、クライマックスの彫像のまわりをぶんぶん飛び交うヘリコプターのシーンは大好きなシーンでいつもにやにやしてしまいます。
>夜空を飛び交うヘリコプターも、その物々しさは、世界共通の母と愛と音楽の癒やしの力を象徴して建てられた像への「祝祭」というよりは、
常にメディアに追われ、激しい取材合戦に巻き込まれ、そして、このあと起こった、裁判のときの史上最大のメディアの狂乱を「予告」しているかのような

私もそう思います。自宅をヘリコプターから空撮されたりしてましたよね?それでも笑って手を振ってる映像を
どこかで見たような気がします。上から見下ろされていたマスコミを飛び回るハエみたいに股間の下をくぐらせたのかなぁ、と。・・・不謹慎ですみません。
私のアホな感覚とは別に、きっとあのヘリコプターもまた深い解釈ができるのでしょうね。楽しみにしています。





Commented by yomodalite at 2015-11-01 11:10
moroさん、ありがとうございます。

20年後になっていても、時間をかけて語ってくれる人が大勢いて、また新たな感動があったりするって、本当にスゴイですよね。

エスペラントについても、『意志の勝利』との関連についても、食い足らない、というか、結局「何なの?」と思われる人もおられるかもしれないんですが、わかりやすいプロットにまとめないところが、彼女たちの会話の好きなところで・・・

今、今年出版された「独裁者」に関する本を読んだところなんですが、チャップリンが最終的にこの形にするまでの軌跡を追っていると、マイケルの完成したショートフィルムだけでなく、幻に終わった映画のことなども思い出し、また、「独裁者」は、完成した映画だけでなく、完成する前も、世界中に大きな影響を与えていたこととか、もう、とにかく想像以上で・・・

世界中の老若男女にとてつもなく愛されたチャップリンの栄光と転落、そして、復活・・という面でも、マイケルが「チャップリンになりたい」と思っていたことに、ますます唸ってしまった。という感じです!

ここまでの訳でも、1パラグラフの解釈で、何日も悩んでしまうほど、時間がかかってしまってますが、なんとかPart3までがんばります!
Commented by のこのこ at 2015-11-08 19:15 x
最近ファンになりマイケルジャクソンをたどって別館からこちらにお邪魔しました。英語がさっぱりなので、和訳や解説など興味深々に読ませていただいております。This is itを聞いて泣き、ヒストリーを聞いて泣き、ウイアーザワールドマイケルバージョンを聞いて泣き、ヒールザワールドを聞いて泣き、目が潤っております。まだまだ読んでいない記事がありますので、読むのが楽しみです。
Commented by yomodalite at 2015-11-08 23:12
のこのこさん、はじめまして。ありがとうございます!

ちょっぴりお役に立つことが出来たとしたら、嬉しいです。

>This is itを聞いて泣き、ヒストリーを聞いて泣き、ウイアーザワールド・・・

私も未だに泣き続けているんですけど、、日々、新たな発見があることも多いんですよね。

>まだまだ読んでいない記事がありますので・・・

自分が信じたい方向に、結論をもっていくようなことはしたくなくて、できる限りあらゆる方向から考えてみたいと思うんですね。

それで、長々と決着がついていないものも多いですが、近道よりも「遠回り」が楽しい年頃みたいです。
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by yomodalite | 2015-10-30 06:00 | ☆MJアカデミア | Trackback | Comments(4)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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