幼な子の歌・タゴール詩集/神戸朋子訳 日本アジア文学協会刊

本書は、こども時代のことや、母への思い、また著者がこどもの気持ちになって書かれた詩が中心に納められています。

この中から、「children OF THE WORLD」や、「こちらのメモの詩」などにインスピレーションを与えた詩を、タゴール自身の英訳詩も併記してメモしておきます。


On the seashore of endless worlds children meet. The infinite sky is motionless overhead and the restless water is boisterous. On the seashore of endless worlds the children meet with shouts and dances.

世界の海の岸辺に
子供らは集う
果てしない大空は
頭上に動かず
泡立つ碧い水は
終日踊る
ああ 浜辺に満ちる賑わいよ
子供らは集う

They build their houses with sand, and they play with empty shells. With withered leaves they weave their boats and smilingly float them on the vast deep. Children have their play on the seashore of worlds.

砂で家を建て
貝殻で遊ぶ
木の葉で
小舟を折り
碧玉色の大海に
浮かべる
世界の海の岸辺に
子供らは集う

They know not how to swim, they know not how to cast nets. Pearl-fishers dive for pearls, merchants sail in their ships, while children gather pebbles and scatter them again. They seek not for hidden treasures, they know not how to cast nets.

子供らは泳ぐ術も知らず
網を打つ術も知らない
海女は真珠を求めて潜り
商人は船を漕ぎ駆け巡っているけれど
子供らは小石を見つけては集め
積んで遊んでいる
子供らは富を求めず
網を打つ術も知らない

The sea surges up with laughter, and pale gleams the smile of the sea-beach. Death-dealing waves sing meaningless ballads to the children, even like a mother while rocking her baby's cradle. The sea plays with children, and pale gleams the smile of the sea-beach.

海は泡を立てて笑い
浜辺も笑う
逆巻く波は
揺籠をゆする母のように
優しい調べを
子供らの耳に歌う
海は子供らと共に遊び
浜辺は笑う

On the seashore of endless worlds children meet. Tempest roams in the pathless sky, ships are wrecked in the trackless water, death is abroad and children play. On the seashore of endless worlds is the great meeting of children.

世界の海の浜辺に
子供らは集う
暴風雨は空に彷徨い
船は遥かな海に沈み
死の使者が飛んでゆくけれど
子供らは遊ぶ
世界の海の岸辺に
子供らの大いなる集いがある

(神戸朋子訳)


*タゴール自身は詩にタイトルをつけていないと思いますが、一般的にこの詩は「On the Seashore」と呼ばれているようです。




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Commented by ヤンチャ at 2015-04-27 22:56 x
訳していただき、初めてわかるいろんなこと。ほんとに千金に値すると思う。こちらのブログ。おかげさまで、せめて良き日本人としてクールで居なければと思います。
Commented by ヤンチャ at 2015-04-28 05:59 x
??この詩については既に翻訳のあるものでしたが、今までのyomodaliteさんの痒いところに手の届く訳、インタビューを見つけてきてあたかもそこでキャプテンが話ししてくれているかのような感覚にさせてもらってること、について賞賛を表したかった。
Commented by yomodalite at 2015-04-28 22:58
ヤンチャさん、いつもありがとうございます!
訳してると、キャプテンと対話しているような気分になって楽しいんですよね。

でも、インタヴューの場合は、sourceによって、ところどころ違ってることも多いし、数行ないことすらあったりするんですよね。先行訳も必ず見るようにしてるんですが、英語から日本語へは距離が遠いので、英文併記は必須じゃないかと思ってます。
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by yomodalite | 2015-04-27 21:00 | ☆マイケルの愛読書 | Trackback | Comments(3)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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