認知症の「真実」(講談社現代新書)/東田勉

認知症の「真実」 (講談社現代新書)

東田勉/講談社

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認知症とは、少し関係のない話かもしれませんが、先日とあるブログで読んだこと。

介護施設で暮らす90歳の義母が危篤状態になった。食事ものどを通らず、点滴で栄養を補給してもむくみが激しくなるだけなので、点滴もやめ、施設の医者から「どこの病院も、死期の近い高齢者を治療する余裕がなく、救急車に乗せて、受け入れる病院を探しまわるより、このまま静かに運命を受け入れるのを待つ方がよい」と言われたけど、家族としては、1%の可能性でも、再起を願って病院に搬送したいと願うのが自然だと、その医者の意見に不信感をいだき、病院に搬送した。その決断が功を奏し、今は、自立呼吸ができない状態だけど、生きている。

ブログ主はそれを「生命の強さ」と表現され、病院に収容されて、10日以上生きている母を見て、人の生き死に関する決定的な判断が、たった一人の医師の言葉で左右されてしまうことの怖さを感じざるを得ない。現在の医療に対して、いろいろ考えさせられたと綴っておられたのですが、

私はそれを読んでショックを受けた。1%の再起とはどういう意味だろう?

ブログ主は、50代以上と思われる男性で、日頃から、社会時評に対しても、その年代の方に相応しい冷静さで書かれている方ですし、私のような感想を抱く人の方が少数なのかもしれませんが、私には、それが「生命の強さ」とは思えず、その90歳の老女は、これまでに何度も、医療技術と、介護施設によって、奇跡的に生かされてきたように思え、家族が寄り添うということの意味について考えさせられました。

人の一生は、何歳だから長いとか、短いとか、言えるものではなく、100歳で、やり残したことが山のようにある人も入れば、40代で余生を感じる人もいる。どう死にたいかは、どう生きたいかということでもあるので、他人が決められることではありませんが、今後の老人医療は、介護される側も、介護する方も、教育やしつけを、学校に押し付けてきた世代ばかりになるので、病院や、介護施設に「死の責任」を感じる人は、ますます多くなるのかもしれません。

また、病気は重くなる前に、早期に発見することがもっとも良いことのように言われていますが、現代の医療は、それまで病気だとされていなかったことを「病気」に分類するようになっています。

認知症も早期発見がよいとされ、「ものわすれ外来」など、患者が行きやすい科が設置され、さまざまな治療薬があるとか。 

治療薬を創ることに賢明な努力をされている方も多いでしょうし、医者も良い薬だと思わなければ、処方することはできないでしょう。ただ、、画期的な「うつ病」の治療薬ができてから数十年が経ちますが、うつ病患者はますます増えて「心の風邪」とまで、言われるほど患者が増えました。

老人のぼけ症状や、介護は、いまや誰もが遭遇する問題になっていますが、それは、それより前の時代、健康保険によって、病院が薬を求める老人だらけになったという世代との関係はなかったでしょうか。健康を考えることは、本当にむずかしい問題のようです。。




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Commented by kyou89rock at 2015-02-06 18:28 x
こんにちは
たまに失礼します。
徒然草第93段「牛を売るものあり」
私は、生とか死とかを考えるとき、この段を思います。
Commented by yomodalite at 2015-02-07 11:06
コメントありがとうございます!
「徒然草」に全然なじんでなかったので、ネットで調べてみました。

http://www.tsurezuregusa.com/index.php?title=徒然草%E3%80%80第九十三段

私には、牛の飼い主が、飼っていた牛を一晩で亡くした気持ちが、あまり想像できないのですが、「死を怖がるのなら、命を慈しめ」という話は、すごく共感します。

マイケルも『葉隠れ』を読んで、「武士とは、いつ死ぬか分からない、それを日常の心得として、毎日を生きる。いわば生きることの有難さを感謝して生きるという反語なのだということを、自分の生き方に投影していた」(『マイケルからの伝言』より)ようで、

私もそういう感じを見習いたいなぁと。
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by yomodalite | 2015-02-05 13:05 | 健康・医療 | Trackback | Comments(2)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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