ドストエフスキーの『白痴』にハマる

あのセルビア出身の「L'Uomo Vogue」のファッション・エディターが、マイケルと、よくフロイトやドストエフスキーの話をしていて、MJは特に『白痴』が好きだと言っていた。と知り、ムイシュキン公爵をはじめとした登場人物のことが懐かしくなってきて、新訳で再読しました。

長編は、少しでも開いた時間に読み進めることができるKindleが便利なので、私はこちらの望月訳をセレクト。


中山訳との価格差は大きいですが、海外文学で文庫本3冊分の分量。ロシア語の名前や、会話をテンポよく理解することを考えると、読みにくさは致命的なんですよね(サンプル版での比較をおすすめします)

読んだことのある方は、主人公のムイシュキンは、キリストがモデルになっていて、世界で最も美しい人間を描こうとしたこと、また、創作ノートの段階では、彼は「公爵スフィンクス」という名前だったり、7センチのナイフとか(あの曲は7インチですけど…w)、ハンス・ホルバインの『死せるキリスト』の絵とか、他にも、様々なMJとの関連性を想像できると思うんですが、、

『白痴』というタイトルも、ムイシュキンには、癲癇の持病があり、その治療により、自分は「白痴」のようだった。と称しているものの、おそらく作者は、登場人物すべてを「愚か者」(英題:idiot)だと言っていて、

トーツキーの養女で元愛人であるデンジャラスな女、ナスターシャ、彼女に欲望をたぎらすロゴージンと、彼女を救おうとするムイシュキン、この3人の関係を主軸に、悲劇が繰り広げられるのですが、以前読んだときは、この話をここまで長くする意味も、3人以外の登場人物のことも把握できなかったんですが、インヴィンシブル以降のMJについてずっと考えてきたせいでしょうかw、今回はそのあたりも少し楽しめたような。

日本人が、世界文学の古典を読むためには、基礎的な宗教的知識だけではダメで、「God」を頭上にも、精神にも取り入れて、人間には手に負えないような荒涼とした自然に身を置き、血に飢えるほどの喉の渇きを感じながら、愛と嫉妬に狂い、父か、母か、あるいはその両方を殺すことを考えながら、ジーザスに救いを求め、その後のキリスト教の長い歴史を「地獄への道は善意で舗装されている」ことだと知るという「下準備」が必要になることが多いのですが(メンドクさっ)、

ドストエフスキーは1821年生まれで、小説の舞台でもあるペテルブルグは欧米より遅れてその文化を取り入れた都市なんですが、彼はそういった近代化の批判者だったせいか、今の日本で多くの人が感じている感覚と相通じるところがあって、、という点なども、高校生のときに読んだときには、まったく感じなかったことですね。

陰謀論系の本が、日本で流行りだしたのは80年代からですが、それは、この時代になって、ようやく、自由や権利といった、生活に密着しないものも、お金で買えるということが、日本人にもわかるようになり、貴族社会が舞台になっている。とか、没落貴族の話とかではない、現実の世界のスーパーリッチの存在を、初めて知って、それで、クリスチャンでもないのに「サタン」のことだけはわかったような気分になったからでしょう。

でも、地獄や、悪魔については、文学から学ばなきゃね。

そして、文学のKINGは、やっぱ「悲劇」でしょ。

正統派キリスト教の三位一体は、拙速と妥協の産物だけど、ムイシュキンとロゴージンとナスターシャの三角関係は、誰が誰を愛して、誰に嫉妬し、憎しみを抱いているのか、そして誰が一番悪いのかということを、私たちに突きつけるけど、そこには答えがない。でも、答えがないということが、古典文学になるための条件のようなもので、どちらが正しいかと決めるのは、なんであれ「宗教」です。科学も、哲学も、法律も、数学も、神学の婢(はしため)で、陰謀論は祈りを失くしたクリスチャンの呪詛なので、いつも、どこかにいるサタンのことばかり考えてしまう。

MJがこうなりたいと思ってたミケランジェロは1475年生まれ。100年、200年なんて、本当にあっという間で、自分が戦えるのは、「Big Brother」ではなくて「自分の心」という「Little Space」の中だけだと思う今日このごろ、

確実なのは500年後も、マイケルの音楽が必要とされてるってことだけだと思う。

ところで、、

冒頭に書いた「MJは特に『白痴』が好き」という情報なんですが、、ソースを明示しようと思って、記事を探したところ、ルシュカがドストエフスキーが大好きで『白痴』を5回も読んだという記事(http://shopghost.com/rushka-bergman/)はあるものの、MJが、、という内容のものは見つからなかったので、

私の妄想だったみたい(滝汗)

私もその記事知ってるっていう人はせひお知らせくださいませ。

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Commented by Jean moulin at 2014-10-26 13:08 x
Yomodaliteさん、ご無沙汰です。
前にね、「罪と罰」を貸した友人が、「だめ、これ。スープがぬるくてね、ドレスがほこりっぽくてね、床が冷たくて、もう耐えられない」て言って、返してきたのだけれど、彼女は、ドストエフスキーを読む準備が出来すぎていたのかもしてないね。
そんなこんな(?)で、寒くなってきたら「白痴」を読もうと思っていて、Yomodaliteさんの意見も読みながら、何版で読もうか考えていたんだけど、結局、友人が河出の世界文学全集、米川訳を貸してくれたので、それを読むことにしたよ。
文庫の表紙もなかなか印象的だけど、全集も綺麗な挿絵が入っていてなかなかいい感じ。
マイケルが「白痴」好きという記事は、ちょっと見つからなかったけど、でもきっとそうに違いない(笑)
Commented by yomodalite at 2014-10-26 22:37
彼女は、ドストエフスキーを読む準備が出来すぎていたのかも。。。

出来過ぎていた?って意味はわかんないけど、わたしは、どの作品にしろ、古い翻訳本を貸すよりも「新訳」が出てたら、そっちを買った方が「お得」だって強く言うなぁ。。『罪と罰』なら、亀山訳の一択だってw

>結局、友人が河出の世界文学全集、米川訳を貸してくれたので、、、

それって、60年代に出版されてるやつ? エラいなぁ、、私、今、全集で長編読むとか、絶対に無理。。最後まで辿りつけそうにないわ。

>マイケルが「白痴」好きという記事は、、、

思い違いだったみたいね。。ルシュカが、MJと、フロイトやドストエフスキーの話をしたっていうのは読んだ気がするんだけどね、、そこから、ルシュカが「白痴」好きって記事をみて、私の頭の中のMJが、「ぼくも『白痴』が一番好き!」って勝手に妄想しちゃったみたい。。ぐっすん。。でもきっとそうに違いないよね(笑)
Commented by jean moulin at 2014-10-27 21:51 x
>絶対に無理。。
うん、私も実は自信ない・・。
望月訳、お試しダウンロードしてて、それで読もうかなって思ってたんだけど、借りちゃったもので・・、60年代のものにチャレンジ。
それを貸してくれた友人が独特の人で、ちょっと世界観を共有できればなとも思ってるの。
Commented by yomodalite at 2014-10-27 22:37
今日、moulinさんのブログ見て、わかった。

挿絵がアンドレ・マッソンだなんて、もう、思いもよらない組合せでびっくりしちゃった!
ナスターシャの夜会に集まった男たちの絵を見ても、誰がムイシュキンで、誰がロゴージンなのか、全然イメージできないしw

それにしても、今読むと、このストーリーは現実よりも必然で、まさに実存だって思うけど、少女時代にこの本と出会ってたら、ドストエフスキーのこともシュルレアリストだって思っちゃってたかもね。

でも、こんな貴重な本を貸してくれる人がいるんだったら、米川訳で読むしかないかも


がんばれーーー^^
Commented by Jean moulin at 2014-10-28 18:39 x
〉挿絵がアンドレ・マッソンだなんて、
でしょ!でしょ!
巻末には、きれいな写真入りの解説があったりして、とても素敵な本なんだよ。
ただ重いの(泣)
でも、「白痴」読むの始めてだから、がんばってみる。
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by yomodalite | 2014-10-18 19:14 | MJ系ひとりごと | Trackback | Comments(5)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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