ユダヤ・コネクション/アルフレッド・M・リリアンソール

ユダヤ・コネクション―アメリカ=世界戦略を決定するのは誰か

アルフレッド・M. リリアンソール/三交社



ラビ・シュムリーや、彼が尊敬してやまないエリ・ヴィーゼルのことを考えているときに、再読した本。著者は米国に住むユダヤ人で、原著は1978年、日本では1991年に出版された古い本ですが、今、読み返しても、「シオニズム」について、これ以上の名著はないように思います。

翻訳者の宇野氏は、本書の翻訳以外にも多くの「怪しげなユダヤ本」の著者でもあり、氏によるまえがきは、ユダヤやシオニストの裏の顔や、残虐性にのみ焦点をおいて書かれていますが、

「裏の顔」というものは、特定民族だけにあるものではありません。

下記に、本書の適確な紹介と、感想が紹介されているのですが、


たしかに、私たちは、アメリカの属国である日本に住んでいるので、報道はイスラエル寄りで、パレスチナや、イスラム国家に、否定的な報道に曝されています。それでも、2014年に、本書を読んでみようという方なら「イスラム・パレスチナの戦士というのは、皆テロリスト集団である」などとは思っていないでしょうし、すでにマイノリティであるユダヤ人の力の源になっている「ユダヤ・コネクション」の存在を確信している人も多いでしょう。

実際、パレスチナ問題をしらべて行くと、イスラエルの正義を信じることは難しいのですが、シオニズムを生み出したのは、ユダヤ人だけではないという点も、本書の重要な部分であり、アメリカ中に張り巡らされた「ユダヤコネクション」を詳細に解説しただけでなく、当初はイスラエル建国に反対していた多くのユダヤ人が、シオニズムや、イスラエルの戦闘行為に加担していくまでの歴史も詳細に描かれています。

私たちの国でも、過去の歴史について、何度も謝罪させられてきたことへの不満を発端として、長引く不況の中、国内に抱えてきた差別問題を正当化したり、生活の不満を外国のせいにしようとする流れが加速しています。そこに危機感をもっている人は大勢いますが、いつのまにか、大多数の国民の意思になってしまっていることに焦燥感を感じる人も多いでしょう。

本書を書いたリリアンソールも、それと同様の危機感から、同胞にむけて、自分たちの間違いを正そうと書いたのではないでしょうか。

ユダヤコネクションは、米国議会を動かす大きな力をもっているようですが、日本の議会が、私たちが望むような判断をしないことと同じく、大勢のユダヤ人がそこに不満を抱きつつも、今日のような事態を避けることができなかった。

私たちの国の現状を考えれば、陰謀論でなんでも説明できたような、平和な時代は過ぎ去り、もはや、ユダヤ人の恐ろしさなどと言っていられる時代は終わったと思います。

どんな国家や、民族や、個人も、自分の良心を信じ、正しい選択をしているという間違いが、絶対悪を生み出し、最悪の不幸と災いを生むのではないでしょうか。

下記は、本書でリリアンソールが紹介している、W・ロバートソンの言葉から。

ユダヤ人は「聖書の民」であると同時にストリップ・ティーズの創案者である。彼らは金権支配政治と共産主義双方の先駆者である。彼らは「選ばれた民」というコンセプトをもって生まれ、生活すると同時に、もっとも声高な反人種主義者である。彼らは神を畏れ、憎しむことにおいてもっともはなはだしく、もっとも厳格であると同時にもっとも寛容である。彼らはコスモポリタンであると同時にもっとも狭量であり、もっとも文化的であると同時にもっとも粗野な人間たちである。イスラエルのユダヤ人組織「サブラス」は1万人の「アラビアのロレンス」のように果敢に闘うが、しかしドイツでは彼らの兄弟たちは小羊のように屠殺場に引かれていった。同じような人種的ダイナミックスが、ときおり、ユダヤ人を社会階層のトップにまで駆りたてると同時に、彼らを奈落につき落としてきた。ユダヤ人の歴史に見られる極貧と億万長者に相わたる振子のようなぶれは、一方でロスチャイルド家のお伽の国の城へ導くと同時に、アウシュヴィッツのガス室へ導くといってもよかろう。客観的に見た場合、代々のユダヤ人のさすらいの物語は、魅カ的であると同時に嫌悪を催させ、人を気高くさせると同時に堕落させる。部分的には喜劇的であるが、大部分は悲劇的である。ユダヤ人についていえる唯一の確かな言葉は、実はそうした言葉がどこにも見つからないということである。


(引用終了)



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by yomodalite | 2014-10-11 19:56 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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