ミック・ジャガー:ワイルドライフ/クリストファー・アンダーセン

ミック・ジャガー~ワイルド・ライフ~

クリストファー・アンダーセン/ヤマハミュージックメディア

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町山智浩氏の2012年から2014年までに、米国で話題になった言葉についてのエッセイ『知ってても偉くないUSA語録』、その第1章「4000 Women」は、本書に書かれている、ミックが抱いた女の数(笑)

ロック界では、キッスのジーン・シモンズが自伝で4897人だと言い(笑)、最近出版された本によれば、あのウォーレン・ベイテイは、なんと1万2775人だそうで(笑)、ブラジルの女優ソニア・ブラガはハリウッドに招かれたとき、「ベイティさんに抱かれました?」と聞かれると、「当たり前でしょ。ニューヨークに行ったら自由の女神を見るようなものよ」と答えたとか(町山本)。

MJファンの中には、著者のクリストファー・アンダーセンの名前に記憶がある方もおられると思いますが、あの本と同様、こちらも1ページごとというか、1行ごとに「見たのかよ」とツッコミたくなるような内容でw、厚さ2.5ミリで二段組みというボリュームの中には、女性だけでなく、男性も含まれるワイルドな下半身ライフがぎっしりと詰め込まれています。

友人としても、同時代のライバルとしても、デヴィッド・ボウイが頻繁に登場するのですが、両性具有でバイセクシャルというキャラを、当時もっとも体現していたボウイ以上に、ミックもセクシャリティを超越しようと、モンローをはじめ、セクシーな女性の研究を怠らなかったとか。

今では、ミックもボウイもクラプトンも「女性っぽさ」なんて1ミリも感じませんが、でも、今、レディ・ガガが「バイセクシャル」を掲げているのと、60年代や、70年代の雰囲気はどこか違うんですよね。性的マイノリティのためとか、そんなことはどうでもよくて、女の子とも、男の子とも、魅力的だったら「ヤってみたい」と思うだけ。リベラルなアイデンティティより、本当の自由が重要だったようです。

著者は英国王室のスキャンダル本で有名らしく、こういった話題にかけては、対象が誰であろうとw、勝手に筆が進んでしまいそうな方なんですが、ミック・ジャガーという素材にはぴったりあっているようで、セックスとドラッグのことしか書かれていないような本が、どこか「おとぎ話」のように感じられるのは、今はなくなってしまった「自由」がここにはあるからでしょうか。

そんな下半身ライフだけでなく、ストーンズと言えば、昔からハードドラッグ愛好者として有名でしたが、

第4章「天使と悪魔」から、省略して引用。

ーー1967年6月29日

すでにキースに懲役1年を宣告していたかつら頭のレズリー・ブロック判事は今、ミックに塀の中で三ヶ月過ごすように言い渡していた。チチェスターにあるウェスト・サックス裁判所の外には800人のファンが集結し。彼らの「恥を知れ!」やら「彼らを釈放しろ!」というシュプレヒコールが法廷内まで響いてきた。

ミックとキースに救いがあるとすれば、今回の有罪判決には世界中から抗議が殺到していることだった。デモ隊が各国のイギリス大使館を包囲し、ミックとキースを即刻釈放せよと要求した。世界中のディスクジョッキーが、ふたりが自由を手にするそのときまで、ストーンズの曲をかけ続けると誓った。そしてザ・フーは共闘の意を表明として、今の状況にふさわしいタイトルが与えられたストーンズの楽曲ー「ラスト・タイム」と「アンダー・マイ・サム」を両面シングルとしてレコーディングした。

世論も「ミックとキースを解放せよ」と声を荒げた。多くの新聞が「ストーンズへの厳罰は「毎度おなじみの英国の偽善」であり、「とんでもない不当判決」だと非難する社説を掲載した。決定打はロンドンの老舗『タイムズ』紙の編集長によって振り下ろされた。モッグは18世紀の英国詩人アレクサンダー・ポープを引用した「誰が車で蝶をひき殺すか?」というジャーナリスト史上もっとも有名なタイトルの社説において、今回の判決を激しく抗議した。

(引用終了)

ドラッグ使用してなかったわけじゃないのに、大メジャー紙が社説で、逮捕を非難するだなんて、今では想像できないですね。それと、ミックもキースも、ヘロインやコカインなどのハードドラッグを永年にわたって多量に使用していたはずなのに、どうして70歳を超えた現在まで、肉体的にも、精神的にも健康なんでしょう?

医者が処方する薬で亡くなるケースはすごく多いのに。。


また今年、ミックの恋人、ローレン・スコットが自殺というニュースもありましたが、彼女は、本書の第9章にルウェン・スコットとして登場しています。

最後に、マイケル関連についての要約メモ。

本書の前にかなり荒く読んだ、キース・リチャーズ自伝『ライフ』では、80年代、ミックはマイケル・ジャクソンの虜で、彼の事ならなんでも知りたがり、CBSと社長のウォルター・イェトニコフとの契約したのも、そうすればマイケルと同じぐらい売れると思っていた。というようなことが書かれていたのですが、こちらの本では、

ミックはジャクソンの偉業に敬意をもっていた。だが、違うレコード会社だったら、『スリラー』はあれほどの大ヒットにはならなかったということもわかっていた。

当時の妻のジェリーとの間に娘が生まれると、真夜中に夫妻のベッドで授乳することは許さない。母乳は胸がむかつくにおいなんだよ、とミックは言うと、マイケルは明らかに引いていたが、「ステイト・オブ・ショック」のデュエットにミックを参加させることについてはあきらめなかった。発売直後に第3位にランクインしたこの曲は、ソロのキャリアを気づくことに不安を抱いていたミックには大きな自信になったものの、コラボレーションについては、どちらのスターも相手に感心しなかった。ジャクソンはミックの調子はずれを非難し(彼は一体どうやってスターになんてなれたの?)、ミックはマイケルの才能を「ビールの泡のようなもの」とけなした。

(要約引用終了)

「ステイト・オブ・ショック」の記述は、『マイケル・ジャクソン・インク』にも少しだけあって、そちらは、この曲のリリースが、ジャクソンズのシングルと同時期でファミリーともめた…みたいな内容で、スリラーで成功したあと、アルコール中毒になって失脚したおしゃべり☆☆野郎のイェトニコフが発信源のようでしたが、本書の記述は、これまでの本や報道からまとめただけみたいですね。

本書にマイケルが登場するのは、これだけですが、MJが自分の使命を自覚するうえでは、確実に影響を与えたであろう人物についての客観的なストーリーの中には、MJが求められたり、反発された理由も浮かび上がってくるのでは、と思って読みました(ずいぶんと無茶な読み方ですがw)。


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by yomodalite | 2014-09-30 06:00 | 報道・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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