映画『トランセンデンス』

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7月1日「映画の日」。朝に「集団的自衛権・行使容認」のニュースがあって、私は6月中の大勢の人のつぶやきを再度眺めたりして、それから、午後に『トランセンデンス』を観に行った。

たったの2時間で終わる物語に、膨大な制作費がかかっているというアンバランスが苦手で、ハリウッド映画を積極的に見ないようにしている私も、人工知能、クリストファー・ノーラン、ジョニー・デップという組合せに、つい惹かれてしまったのだ。

映画が始まるとすぐに『安堂ロイド』を思い出した。天才物理学者・沫嶋黎士が「僕が殺されても、君は絶対に護るから…。」と言った婚約者は、IT企業の広報だったけど、『トランセンデンス』の男女は、共に人工知能を研究する科学者夫婦。

夫は反テクノロジーのテロリストの凶弾に倒れ、妻は夫の脳を人工知能にアップロードすることを思い立つ。


アップロードされた脳は、果して、元の夫と同じ「人間」でありうるのか。

コンピューターの性能により、人間の脳を越えた能力をもった天才科学者は。。

愚かな人類を滅ぼす「神のような機械」を創るべきなのか?

人は、進化という変化に耐えられるのか?


映画終了後に確認してみたら、ノーランは制作・総指揮で、監督ではなく、レビュー検索でも低調だった。今、ハリウッドで創るSF映画としては、もう少しツッコんだ描き方が出来るのでは。。と思う映画ファンが多いのかもしれない。

私は、この映画を観ている間、「集団的自衛権」のことだけでなく、日々のニュースを出来るだけ取り入れないように。と思っていても、逃れられないほど何度も目にしたニュースや、それらについて書かれたブログの様々な言説を思い出した。

STAP細胞はあるのか、ないのか?

それは、科学音痴の私にはまるでわからないことなのだけど、なくても全然困らないし、絶対にあった方がいいとも思えないので、何百匹ものネズミの命と引換えにしてもいい。と信じて実験する理由もわからない。

報道した人々の科学への無知も多く指摘されたけど、科学に疎い多くの人々に、これほど、この話題が大きく取り上げられたのはなぜだろう?

日々の報道に関して、報道している人も、何かしら書いている人々も、政治を行っている人々も、常に考えているのは「バカ」をどうするかということではないか。と思う。

近代の啓蒙主義者は、「バカは教育によって治るはずだ」と考えた。しかし、どれほど教育してもバカは減らない、、というようなことを嘆く政治好きブロガーは多い。

啓蒙主義者をリベラルや民主主義に置き換えてもいいのだけど、

どうすれば、バカに説明できるのか。とか、どうすればバカが生きられるのか、と思う「優しい」意見や、そんなことをすると、バカではない人々にも、バカが伝染する。と考える「厳しい」意見があって、

バカに優しいか、厳しいか、対立軸はそれ以外ないようにさえ、私には見える。

なにを「バカ」だと思うかも、何を優しいと感じ、何を厳しいと感じるかも、少しづつ違うのだけど、自分を「賢い」と思っていないと、他人を「バカ」にすることはできないし、自分が「正義」だと信じていないと、他人を「悪」だと思えない。

だから、、、

大きな争いことをなくすには、自分が「賢い」と思う人が、
自分の「バカ」に気づけばいいのだ。

でも、それは、バカだと思われている人が、教育によって頭が良くなることより、もっとむずかしい。そんな教育はないし、その成果を評価するシステムもない。

現代の智慧は、現代のルールに縛られていて、どれほどの賢者であっても、生きている人間には、それぞれしがらみがある。

だったら、、、機械の方が「正しい選択」ができるのでは?

でも、結局、この映画では、

それを「正しい選択」だとは描かない。

天才科学者夫婦は、夫も妻も美しく、ふたりは「愛」で結ばれていたから。

でも、、

おそらく優れたA.I.は、今の「愛」という概念を否定することになるでしょう。

なぜなら、

それは未熟な感情であふれているから。。






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by yomodalite | 2014-07-02 12:38 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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