マイケルが撮影スタッフに書いた手紙

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MJが書いた手紙です。このときこれをメモしておこうと思っていたのですが、他のことに気を取られそのままになっていました。でも、手書きのメモは多く残されていますが、MJの手紙の中ではこれはかなり長文だと思うので、やっぱり記録しておくことにしました。

手紙を書いた相手、William Pecchi Jr (またはBill Pecchi)は、1982年に保安官の小さな役でホラー映画に出演したり、1987年からのバッドツアーや、1988年の映画『Moon Walker』の、Camera Operator(撮影スタッフ) の1人で、2000年頃まで、TV・映画で、照明、美術・小道具なども担当されていた方のようです。

◎Bill Pecchi(IMDb)

手紙はキャピタル東急の便箋に書かれているので、おそらく1987・88年のバッドツアー日本公演時に書かれたもので、当時29歳、ペッキーの年齢はわからなかったのですが、MJはキャリアが長いので、大抵の場合、自分の方が先輩という意識が強いようでわかりにくいのですが、近い年齢か、年下なのではないかと想像し、

また、単純に彼の仕事に感動して感謝の手紙を書いたというよりは、辛い少年時代を経て成長した彼に激励をおくるだけでなく、もっと向上心をもって欲しいという気持ちから書かれていると、私は思いました。

英文ソースは下記から。
http://www.anotherpartofme.com/tag/william-pecchi-jr/
http://rhythmofthetide.com/tag/william-pecchi-jr/

日本語部分の気になる点は、遠慮なくご指摘くださいませ。

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Pecky,

I very, very seldom write letters, but in this moving occasion I couldn’t help myself. I want to thank you for putting the effort forward to capture the magic and excitement of the people of the world.

ペッキー

ぼくが手紙を書くのは、とてもとてもめずらしいことだけど、この感動的な出来事に自分を抑えきれなくて、世界の人々の魔法と興奮をとらえるための努力をしてくれた、君にありがとうを言いたい。

What you do is a very personal and powerful medium to me. It is the art of stopping time, to perserve a moment that the naked eye cannot hold, to capture truth spontaneous truth, the depths of excitement in human spirt. All else will be forgotten, but not the films. Generations from now will experience the excitement you’ve captured; it truly is a time capsule.

君のすることは、君ひとりの仕事であっても、ぼくにとって非常に強力なメディアで、それは、時を止める芸術であり、肉眼ではとらえきれない真実の瞬間を保存し、興奮する人の心の奥にある真実をもとらえる芸術だ。すべてが忘れられても、映像はそうじゃない。これからの世代の人々は、君がとらえた興奮を経験する。それは、まさにタイムカプセルだ。

I will not be totally satisfied until I know you’re at the right angle at the right time, to capture a crescendo of emotion that happens so quickly, so spontaneously. What you have done was good, but I want the best, the whole picture, cause and effect. I want crowd reaction wide lens shots – depths of emotions, timing. I know we can do it. It is my dream and goal to capture TRUTH.

君が人々の感情の起伏をすばやくキャッチし、その完璧な瞬間を、絶妙なアングルでとらえるまで、ぼくは完全には満足できない。君の仕事はすばらしいけど、ぼくが求めているのは最高のものなんだ。原因も結果も完璧な絵のように、激しい感情も、そのタイミングも、観衆の反応すべてをワイドレンズでとらえること、ぼくたちになら出来るだろう。「真実」をとらえることが、ぼくの夢であり、目標なんだ。


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We should dedicate ourselves to this. The person who makes a success of living is the one who sees his goal steadily and aims for it unswervingly. That is dedication. There is no other way to perfection than dedication, perseverance. Just tell us what you need to make it happen. Take the leadership to direct the other cameramen.

ぼくたちは、このことに身を捧げるべきだと思う。人生を成功させる人は、しっかりと目標を見据え、それに向かって全身全霊で邁進する人です。全力で身を捧げ、粘り強くやり続けるという以外の方法などありません。ぼくに、君がそうするために必要なことを教えて、君は、他のカメラマン達に指示するためにリーダーを引き受けてください。

I enjoy working with you that is why I asked you to come, you have a gentle spirit that’s very likable. Maybe I look at the world through rose colored glasses, but I love people all over the world. That is why stories of racism really disturb me. You hurt my heart and soul when you told me of your boyhood in Texas. Because in truth I believe all men are created equal. I was taught that and will always believe it. I just can’t conceive of how a person could hate another because of skin color. I love every race on the planet earth. Prejudice is the child of ignorance.

君に声をかけたのは、君との仕事を楽しんでいるからです。君はとても好感が持てる、穏やかな勇気の持ち主だ。ぼくはバラ色のレンズを通して(楽観的に)世界を見ているのかもしれないけど、世界中の人々を愛している。だから、人種差別的な話には本当に心がかき乱される。君がテキサスでの少年時代のことを、ぼくに話したときも胸が痛んだ。ぼくは心からすべての人は平等に創られていると信じているから。ぼくは常にそう教えられてきたし、これからもそう信じる。肌の色の違いで、ひとを憎むことができるなんて想像もできない。ぼくは地球上のすべての人種を愛しています。偏見は無知から生まれるこどもです。


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Naked we came into the world and naked we shall go out. And a very good thing too, for it reminds me that I am naked under my shirt, whatever its color. I’m sorry to bring up such past news, but in the car I was hurt by what you said. I’m so happy that you have managed to overcome your childhood past. Thank God that you’ve graduated from such beliefs of ignorance. I’m glad I’ve never experienced such things. Teach your kids to love all people equally. I know you will.

ぼくたちは、裸でこの世に生まれ、裸でこの世を去る。それは、自分のシャツが何色であっても、その下は裸なんだということを思い出させてくれる、とてもいいことだと思う。昔の話を持ち出してすまなかった。でも、ぼくは、車の中で君が話してくれたことに傷つき、そして嬉しかったんだ。君がこども時代の過去を克服したということが。君が、無知な偏見を卒業できたことを、神に感謝します。ぼくにはそんな経験はないので、君のこどもたちにも、すべての人を平等に愛するように教えてあげてください。きっと君はそうするでしょう。

I speak from my heart saying I love you and all people, especially the children. I’m glad God chose me and you.

ぼくが、君や世界中の人々、とくに子供たちを愛しているというとき、それは心からそう言っています。神が君とぼくを選んでくれたことを嬉しく思います。

Love M.J.

愛を込めて、MJ


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Commented by やんちゃ at 2013-07-22 07:02 x
>ぼくはバラ色のレンズを通して(楽観的に)世界を見ているのかもしれないけど、世界中の人々を愛している

隊長の珠玉の名言をまた見つけてくだっさって感謝です。
こんな風に隊長から褒めてもらえるように生きようと目指したらよいのですね。最近、眠りかけていた私を揺り起こしてくれました。
Commented by yomodalite at 2013-07-24 13:48
>こんな風に隊長から褒めてもらえるように生きようと目指したらよいのですね。

うん、、そうできたらいいよね。でも「世界中の人々を愛する」ってむずかしいよね。MJファンのひとも、彼の敵を見つけたり、攻撃することに一生懸命な人が多いというか、そんな風に見えるよね。

内田氏が言っているように、「私のような人間はこの世にできるだけいない方がいい」という呪いをかけつつ(http://nikkidoku.exblog.jp/15224016/)、自分と同じような人を友人にもち、「世界が私のような人間ばかりだったらいいな」という夢をもちつつ、自分と違うひとを愛してしまう。

自分の頭をもってしては他人の頭の中で起きていることを言語化することができない。他人の頭に自分の身体を接続するのである。(http://nikkidoku.exblog.jp/17797156/)

こんなことは、相当意識していても、なかなか出来なくて、

世界中の人を愛しているような人を尊敬しているようで、そんなひとを愛している「自分」がカワイイだけなので、すぐに敵を見つけて憎んでしまう。

でも、そーゆーことも、みんな「隊長から褒めてもらえる」と思ってやっているんだよね。。ホントむずかしいよねぇ。
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by yomodalite | 2013-07-10 11:02 | マイケルの言葉 | Trackback | Comments(2)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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