素顔のマイケル・ジャクソン/ディーター・ウィズナー

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Die wahre Geschichte(ドイツ版カバー)


踊りたくなる気持ちもありつつ、6月25日は、この本を読んで過ごしました。

日本版は、ちょっぴり首をかしげたくなるような表紙なんですが、発売されたばかりのこの本の著者の名前を見て、速攻「ポチ」ってしまったんです。このブログにMJのことを書き始めたのは、インヴィンシブル期以降の彼のことを知りたかったからなので、当時のマネージャーである、ウィズナー(Wiesner)には、すごく興味があって。


素顔のマイケル・ジャクソン

ディーター・ウィズナー/講談社

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ページをめくると、ヒストリーツアーや、バンビアワードのときの写真があり、
キャサリン・ママからの「本書に寄せて」では、

ディーター、息子がひとりの人間として描かれているエピソードの数々を提供してくれてありがとう。そして、息子が残した多くのプロジェクトや計画を、広く世に知らしめてくれたことに感謝します。

という、2011年10月の言葉があり、

今までずっとわからなかった「MJユニバース」についても多く書かれてあって、
私は狂喜したんですが、

Amzon.comでも、Amzon.ukでも、一件のレヴューもありません。
英語翻訳されてないからですね。(たぶん。。)

http://www.amazon.com/Michael-Jackson-Dieter-Wiesner/

それなのに、

日本語で読めるなんて!(嬉)

企画協力として名前がある、リチャード松浦氏(朝堂院大覚氏の息子)の尽力によるものでしょうか。また、翻訳者によるあとがきはありませんが「訳注」からは、菊池氏の丁寧なお仕事ぶりも伝わりました。


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確かに、ウィズナーが「最後の10年間、最も近くにいた男」かと言われれば、
すぐに、ツッコミたくもなります。

彼がマネージャーだった頃、MJへの面会を厳しく制限していたように、彼も解雇後から晩年までは、MJに会いにくい状況だったでしょう。ただ、ウィズナーだけでなく、他の元関係者の多くが、自分が一番マイケルのことを考え、彼のためになる仕事をしていたと思っていることについては、私は、それぞれの人が、そう信じるだけのことは「ある」と思っていますし、

本書で「MJの敵リスト」として挙げている人のことも同様にそう思います。

ウィズナーは、MJ自身がつかった言葉として「システム」という言葉を挙げ、

彼を取り囲む「システム」に、逃げ道を許されなかったのだ。

と語っています。

でも、私は、普通に生きたいと思う人間で、そのシステムに加担していない人がいるとは思えません。

また、普通以上の生き方をしたいと願う、優れた人であっても「システム」から逃れることなど、ほとんど不可能だと思っています。

本当に特別な天才が、その有り余る才能に、永年磨きをかけ続け、
常に「鋭さ」を大事にして、
どこまでも「鈍さ」を憎まない限り。。


MJは、両親も、兄弟も、成人後も感謝の念を忘れなかった、ベリー・ゴーディ、前人未到の作品を共に作り上げたプロデューサー、クインシー・ジョーンズ、最盛期のマネージャーである、フランク・ディレオも、莫大な財産取得に大きな尽力をした、ジョン・ブランカ、一流レコード会社の社長としてだけでなく、敏腕音楽プロデューサーとして時代を築いたトミー・モトーラ、そして、ビジネスとは関係なく、愛情をかわした女性とも、ほとんど例外がないと言っていいほど、自分から離別していますが、

その理由は、彼がとことん「鈍さ」を憎んだからだと、私は思います。

誰をも愛し、出会った人の誰からも愛されたMJは、人は憎まなかったけど、人の「鈍さ」には、自分にも、他人にも、どこまでも厳しかった。

でも、愛にも、幸せにも、優しさにも、自分が信じた道を歩み続けるということの中にもどっぷりと「鈍さ」は潜んでいるもので、MJのことを思って、彼のためになるように考えたつもりでも、彼のその厳しい基準を満たすことは、誰ひとりとしてできなかった。

彼の「エネミーリスト」は、とてつもない高い理想を、実現しようとしていた「ドリーム・リスト」の裏返しというか、相手の中に、自分の変えるべき点を見ていることから、書かれたものだと思います。

というのは、毎日飽きることなくMJのことを考え続けた私の「4年目の結論」ですが、本書は、そんなつまらない「結論」より、ずっと面白く、

MJの完全委任権(power of attorney)を持っていたウィズナーが、様々なビジネスの現場での思い出を語ってくれていて、比較的近い時期に、MJと行動を共にしていた、フランク・カシオの本と同じぐらい、生き生きとした「素顔のMJ」が満載です。

終盤には、現在の裁判にも関連する、いわゆる「死の真相」についての話もありますが、彼に関わろうとした、お金だけが目的でない、優秀な人々のすべてが「なぜ、この心優しき天才が、こんなに不安定な生活を送らざるをえないのか」と思い、ファンもなぜなんだろう?と思う。

でも、目の前に常に「乗り越えるべき壁」を見てしまう男にとって、

私は「安定」こそが、最大の敵であり、そのせいで、彼は常に(どんなに辛いと感じても)「不安定」を保っていたのだと思います。

だから、、誰にも助けてあげられなかったのだと。
私は、そういった、やりきれない思いを抱きつつ、「僕は人を憎むことは教えない。「世界を変えるのではなく、自分を変えよう」という、彼のメッセージを考えなきゃと思っていますが、

本書は、週刊誌風の「ネタ」が、好きな方も、嫌いな方も、また、嫌いといいつつ、好きとしか思えないような人(笑)にとっても、面白い本だと思いました。


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by yomodalite | 2013-06-27 10:29 | マイケルジャクソン書籍 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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