狂人失格/中村うさぎ

狂人失格 (本人本)

中村うさぎ/太田出版

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久しぶりに小説を読みました。

中村うさぎさんの「小説」も、初めて読んだのかもしれません。もっとも、これが「小説」なのかどうかは微妙なのですが・・・海外の古典とか、若干のお勉強気分以外で、小説を読むことが、めっきり少なくなっていたのだけど、数日前に、この小説に、裁判で名誉毀損の判決がおりたというニュースを聞いて、すごく読みたくなった。そーゆー人は多かったようで、しばらくの間、Amazonでも楽天でも、入荷待ち状態だったのだけど、

私は、その「宣伝」には、積極的に乗りたいというか、この本には、お金を払っておきたいと思いました。厳しい道を歩まれているなぁと思って。。

文章を書くという表現のキツさについては、うさぎさんだけに限らず、感じることが多いのだけど、現代の、日本の、女の、「文学作品」というものが、多少なりとも「古典」のスタイルを受け継いでいて、本当に可能なのか?という点において、中村うさぎさんほど、嘘がつけないひとはいないんじゃないかと思う。

以前、ユーミンと中村うさぎ氏のトークショーのような番組を見たとき、

ふたりがお互いに共感しているのは、自分に対しての客観性というか、自己評価への厳しさだと感じたのだけど、それでも、永年高いクオリティの作品を創り続け、自他ともに認める天才アーティストであるユーミンですら、うさぎさんには一目置いていて、

うさぎさんは、ユーミンの才能に嫉妬しつつも、今、現在において、自分の方が厳しい道を歩んでいて、自分の方が、自分に嘘をついていない。と自負していて、ユーミンもそれを認めざるをえない。

ユーミンにとっての音楽は、どんなに制作に苦しいことがあっても作品という「喜び」がある。それに比べると、中村うさぎさんにとっての文章は「身を削る」ことばかりのような、、なんとなく、そんなことを感じた番組でした。

◎ユーミンのSUPER WOMAN 「中村うさぎとめぐる東京の夜」<1>
◎ユーミンのSUPER WOMAN 「中村うさぎとめぐる東京の夜」<2>

小説のモデルから、名誉毀損で訴えられた作品としては、ずっと以前に読んだ『石に泳ぐ魚』のことも思い出しました。

その作品も、訴えたモデルの人以上に、著者が身を削って書かれたと感じられる美しい作品だったけど、柳氏の作品は「文学という神」に捧げられていたと思う。

でも、中村うさぎさんは、文学の神ではない、自分の内なる神に対して戦っていて、それは、すぐに癒しを求めようとして、カンタンに浄化されることを望む、わたしたちには一番理解したくない毒を孕んでいて「作品」という昇華をも拒んでいるように思える。

名誉毀損で訴えたひとのことを、これを読むまで知りませんでしたが、彼女は自身のブログで、何度も顔出ししたうえに、自分がモデルであることも公言し、自費出版した自著の宣伝もしている。賠償額はそのことを考慮したうえでの決定らしい。

私には、この本は、最初からこのような結果を予想し、モデルである彼女に、うさぎさんが多少でも期待していたとは1ミリも思わないので、陳腐な内容も、小説とは言えないような文体にも、筋の通った「地獄巡り」を感じました。

☆カンタンに癒されたり、魂が浄化されたくない人に!
◎Amazon『狂人失格』


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Commented by あ き ら at 2013-06-22 01:12 x
こんばんは。時折立ち寄らせていただいております。
何やらそそる感を感じつつワタシなぞにはおっつけない感を抱いて黙って帰る繰り返しだったのですが、今日はもう深夜だしいいか!とわけのわからない気分になってちょっと書いてしまいました。

あー、うさぎさんの本はこれだったんだなぁとか、ジョニー・ミッチェルをポチしてまた聴いたり。お着物の記事もどれも素敵過ぎて大好きです。

失礼しました。
Commented by yomodalite at 2013-06-22 21:34
あきらさん、コメントありがとうございます!それと、深夜にも乾杯。

お名前リンクからおじゃまして、あちこち拝見しちゃいました。

あっエイミー!とか、
http://gunjyoiro.jugem.jp/?eid=418

ニーナも!
http://gunjyoiro.jugem.jp/?eid=475

「落語心中」面白そうとか、
http://gunjyoiro.jugem.jp/?eid=603

生志師匠の「柳田格之進」まだ聞いてなかったなぁとか、
http://gunjyoiro.jugem.jp/?eid=601

色々、刺激をうけました。ありがとうございます!

着物は、大阪に来てからまだ1度も着てないんだけど、近日中に、お直しで東京に預けてあったものが届いたりするので、また、着てみようかなぁと思ってるとこです。
Commented by あ き ら at 2013-06-23 15:14 x
おお!丁寧な返信を下さって恐縮です。拙宅ものぞいてみて下さったとの由、かさねてありがとうございます。あつかましい癖にお恥ずかしや。またたのしみに通わせてくださいませ。新しい着物の記事もたのしみです。

そして「あ、またあの阿呆が来たよ」(落語風に)という具合になってしまうかと思いますが、たまにお喋りさせてやって下さいませ。リンクも持ち帰らせていただきます。m(_ _)m
Commented by yomodalite at 2013-06-25 22:58
>「あ、またあの阿呆が来たよ」(落語風に)

私はアホなことなら、いつどんなときだって「大歓迎」です! 特に、、なんか面倒くさいことに、うっかりハマっているときなどは… ww、さらに2倍増しぐらいでしょうか (^_^;)
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by yomodalite | 2013-06-19 09:10 | 文学 | Trackback | Comments(4)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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