勝新図鑑―絵になる男・勝新太郎のすべて/川勝正幸

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とうとう、こんなものまで。。

定価よりも大分高い金額だったけど、どうしても勝新が欲しい!
そんな夜に、ついポチってしまったのだけど、


買ってよかったぁーーー。


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素晴らし過ぎる帯コピー!!と寸分も違わない内容ww

酒も薬も愛もお金も... 勝新のデンジャラスな魅力と、

勝新を愛さずにはいられない人々の愛がいっぱい詰まってて、

とにかく、ラブリー!


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この絵は特殊マンガ家、根本敬氏の絵ではなくて、、
勝新が突然入れられた “別荘” で描いた「仏陀が見えた部屋」

このあと、デニス・ホッパーによる序文「宇宙船因果号の邂逅」があり、勝新ディナーショーの魅力を語りつくした、横山剣(クレージーケンバンド)による「モミアゲハンサムワールド」や、


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漫画家やまだないと氏による絵と文「ろくでなしの男」、勝新フィギュアの制作者である高杉涼氏の談話、また、かつての「オリーブ少女」にはたまらない仲瀬朝子氏による『悪名』シリーズはかわいいなどの素敵な文章に、勝新映画のビジュアルが盛りだくさん!



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ページを押さえるのは、煙管か、煙草入れか、白飯のおにぎりにしたかったんだけど
本が分厚かったので、家になぜかいっぱい転がってる空き瓶を使いましたw



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表紙にも使われてる、この写真は『喧嘩屋一代・どでかい奴』
モミアゲの小デブ感と墨流しのネクタイ... たまらんっ



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『駿河遊侠伝・賭場荒し』


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『座頭市血笑旅』この作品はまだ観ていないなぁ....



ビジュアルは、映画作品だけでなく、勝新が発売したレコード、勝新が撮影した写真集など、多岐にわたっていて、まさに「図鑑」!


そして、極め付きのレヴューは、吉田豪氏による、タレント本山脈に燦然と輝く勝新伝説

タレントが書いた本に登場する勝新エピソードが13冊分紹介されていて、どれも面白い。勝新自身の対談集『泥水のみのみ浮き沈み』は絶対に手に入れなくちゃ。。

最後に、

幻の名盤解放同盟のおふたり、特殊漫画家・根本敬氏と音楽評論家・湯浅学氏による対談「勝新太郎が目指した世界」より、省略して紹介します。

湯浅:俺が勝さんを意識したのは、やっぱりアヘン事件だな。俺が大学生のときだった。

根本:勝さんが知らないような法律、作る方が悪い(笑)。

湯浅:そうだよな(笑)

根本:俺の友だちがテレビで「マイウェイ」を歌う勝新を見て、それを口で説明された瞬間に、今までごっちゃになってたいろんな勝新太郎がーーアヘン事件も含めて、小学校の頃にテレビの年末特集で観た「悪いんだけど、いい人」という座頭市像もーーものすごい勢いで集約された(笑)。

湯浅:シド・ヴィシャスより勝新の方がパンクだよ。

根本:内田裕也さんが’79年に武道館でやった「ロックンロールBAKA」じゃ、20分「マイウェイ」を歌ったんだってね。

湯浅:客席に降りて、客と握手して。そのときは途中からロックに変わった(笑)。

根本:80年代は「マイウェイ」の最後がディスコになるんだよ。

湯浅:90年代は「ボレロ」になる

根本:時代を反映して、アレンジが少しが変化していく。

湯浅:歌だと、一応演技じゃないじゃん。自分の仲にあるものをどんどん出していけるからさ、どんどん煙くなっていくわけ、勝さんの周りが。その「煙」をみんなが吸うから。

根本:ジミ・ヘンドリックスじゃないけど正に「紫の煙」だよね。

湯浅:そういうでかいスケールで聴ける歌手って、いないでしょ。英語で言うとサイケデリック。本来は精神を拡張することだから。そういう意味で勝新太郎はすごくサイケはわけ。

湯浅 美の立った世界でも通用するようなことをしておきながら、わりと場当たり的なデタラメな世界で生き続けていっても、全体を見ると「勝新太郎という世界」に統一されているかのように俺らに思わせる力があるんだ。だってさ、『警視-K』(80)って、普通、企画の段階でうまくいきっこないことが分かるじゃない。

湯浅 無理あるよね。事件そのものがよく分からなくなっちゃうんだもん、途中で。

また、『警視K』はリアリティを追求するあまり、自然にしゃべった音声が聞き辛いという苦情がテレビ局に殺到したという。役者・勝新太郎の遺作となった黒木和雄監督作品『浪人街』(90)においても、勝さんの台詞だけすごく聴き取り辛くなっている。

湯浅 晩年の勝さんは「空間のノイズ」を気にしていたんだよね。物が伝わるのって耳だけの問題だけじゃないから。その場の空気をリアルに描こうとすると、どうしてもそうなっちゃう。

根本 皮肉なことに、勝さんが下咽頭がんに侵されたことにより、実生活でもどんどんどん声が枯れて、ファズがかかり、聴き取りにくなり、俺らも「絶対聴き逃しちゃいけない」と緊張するようになった。

でも、これってすごい重要なことでさ。中村玉緒さんと最初で最後の舞台となった『夫婦善哉 東男京女J(96)なんて、大阪公演は勝さんの歌う劇中のジャズソングが2曲だったのに、その後の横浜では3曲になっていたの。楽屋へ行ったらさ、「痛いから余計に歌った」という。治療だったんだ。と同時に「哲学」ともいえるが。

湯浅 あの舞台のときはしゃべってるっていう感じじゃないね、もう。全体に歌ってるみたいになっていた。

根本 その前の『不知火検校』(94)の舞台のビデオをでっかい音で再生してみると、一番最後に勝新が見えない神に断罪されるシーンなんだけど、「俺のことを人非人と言ったな。人でなしと言ったな」という台詞の「俺」の「お」っていう声が出る前に、意識してないとます聴こえない音が聞こえるんだよ。振動が。あれが大事なんだよ。

湯浅 おそらく三味線の弦鳴りみたいのものなんだよ。しゃべる前にアタックの音がある。たとえば、「か」だと、普通は「Ka」と発音するだけなんだけど、勝さんの場合は「K」の前に音がいっぱいある。「か」の原型みたいな音を、いちいち言葉の頭にもお尻にもどんどん付けていく。母音の中にまた母音があるような構造。それでセリフの中に音がいっぱい入ってくるからさ、舞台がどんどんどんどん延びちゃう(笑)。

根本 勝新太郎はそういう形で完成されていこうとしていたんだよ。

湯浅 入院する2年前ぐらいだっけ。「『不知火検校』(60)をもう1回映画にするから、アイデア出せ」って呼ばれて行ったんだけど。勝さんは脳の中にあるイメージを画像化する研究所へ何回か行ってて。「それを映画に使いたい」っておっしゃってた。そういう素粒子みたいな世界にもう入ってたんだよね。

根本 だから、「この空気の中に電気菩薩みたいなのがいるんだよ」(根本敬著『電気菩薩 豚小屋発 犬小屋行きの因果宇宙オデッセイム)って発言も出てくるんだよ(笑)。


(引用終了)


ブルース・リーよりも前に海を渡ったアジア発の最初のヒーロー「座頭市」その魅力にとりつかれた人はワールドワイドなためか、本書の文章は、すべて英語が併記されているので、楽しい英語学習本としての価値も高いのですが、

勝新は、一度その味を知ってしまったら、もうそれなしでは生きられないような劇薬なので、服用には充分にご注意ください。

すでに依存症であるわたしは、今、勝新の音楽ものが欲しくてたまらず、あちこち徘徊してしまいそうです。


◎[Amazon]勝新図鑑―絵になる男・勝新太郎のすべて


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◎[関連記事??]【悲報】ワンピース休載の原因はやはり勝新だった


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by yomodalite | 2013-05-21 09:47 | 現代文化・音楽・訳詞 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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