John Lennon “Woman”(訳詞)

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「Woman」について、ジョンが亡くなる直前のインタヴューが納められた
『ジョン・レノン愛の遺言』から。

ーーヨーコさん、あなたははじめて『ダブル・ファンタジー』の中の「Woman」を聴いたとき、泣けてきましたか?

ヨーコ:イエス、イエス。

ーーちょっと私に言わせてください。私はワイフに聴かせてみたんです。

ヨーコ:彼女も泣いたでしょう(笑)

ーー「Woman」は、30歳代、40歳代の人たち向けですね。本当に受けている。

ジョン:そう、僕が今、40歳だからね。僕の年代に向けて語りたい。若い人たちが好きになってくれても幸福だし、もっと年上の人たちが好きになってくれても幸福です。でも、僕は僕たちと一緒に生きてきた男性と女性、生き延びてきた60年代グループの人たちに向かって語りかけているのです。

戦争、麻薬、政治、街頭暴力などを生き延び、混乱全体の中を生き延びてきた。「Woman」はヨーコに向けた歌ですが、すべての女性にも捧げる歌です。僕はすべての男性のために、女性に向かって表現しようとしているのです。女性に対する気持ちから、あるときハッと気がつきました。

ふたりがいなければ何もない。ふたりが一緒にいて、はじめて子供をつくり、社会をつくる。だから、女性はこうあるべきとか、男性はこうあるべきとかという考えはなんとくだらないことでしょうか。僕たちはすべて人間。僕はこのことをヨーコに向かって言おうとしていているのです。すべての男性を代表してね。

(引用終了)



下記は「Woman」の和訳です。
お気づきの点は、遠慮なくご指摘くださいませ。


Woman
Written By John Lennon

(For the other half of the sky)

(空のもう半分のために)

Woman I can hardly express
My mixed emotions at my thoughtlessness
After all I'm forever in your debt
And woman I will try to express
My inner feelings and thankfulness
For showing me the meaning of success

ぼくに、女というものを表現するのはむずかしい
ぼくは浅はかだし、どう言っていいのかわからないところもあるけど
女性に対して、永遠に返せない借りがあることはわかってる
でも、なんとか説明してみるよ
ぼくが心の中で感じている感謝の気持ちや
ぼくに、成功の意味について教えてくれたこととか

Ooh, well, well
Doo, doo, doo, doo, doo
Ooh, well, well
Doo, doo, doo, doo, doo

ふぅー、さて、さて
じゃあ、やってみるよ

Woman I know you understand
The little child inside of the man
Please remember my life is in your hands
And woman hold me close to your heart
However distant don't keep us apart
After all it is written in the stars

女性は、男の中に、小さな子供がいることを
知っているだろう
ぼくの人生は、君(女性)の手の中にあるということを、どうか忘れないで
そして、その胸にぼくを抱き寄せて
どんなに離れていても、男と女を引き離すことはできない
それは、すでに運命に書かれていることなんだ

Ooh, well, well
Doo, doo, doo, doo, doo
Ooh, well, well
Doo, doo, doo, doo, doo
Well

ふぅー、(もう少し続けるよ)…

Woman please let me explain
I never meant to cause you sorrow or pain
So let me tell you again and again and again
I love you, yeah, yeah
Now and forever
I love you, yeah, yeah
Now and forever
I love you, yeah, yeah
Now and forever
I love you, yeah, yeah

すべての女性へ。どうかぼくの話を聞いてくれ
ぼくはいつだって君(女性)を悲しまそうだなんて思っていなかった
そう、何度でも何度でもくり返して言うよ
愛してる
今も、これからもずっと
愛してる...



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However distant don't keep us apart は、

どんなに離れていても「ぼくたち」を引き離すことはできない

にするのが、普通だと思いますが、この頃のジョンとヨーコのインタヴューを目一杯読んでいると、彼らは、新しい男女関係のリーダーであり、ヨーコも、フェミニズム運動をリードしてきたという側面もあるのですが、女性の権利向上による、男女関係の混乱に、憂いも感じていて(異性と愛を育むことを困難と考える人が増えたり… )

ジョンは「女にとっても、男にとっても、お互いが必要だ」ということを、主張ではなく「愛を通して」伝えたいと思っていて、まずは「男性から」というメッセージを、女性だけでなく「男性に」送っているのだと思います。

After all it is written in the stars 

運命(星)に、書かれているというのは、運命の相手という意味も、もちろんそうなんですけど… 。


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「Woman」について『ジョン・レノン・ラスト・インタヴュー』から、
省略して引用します。


ーー「ウーマン」というのが、私は本当に好きなんですが。

そう、ありがとう。ぼくもあれは好きだが、あれの話はちょっときまりが悪いような… 

ーーなぜ、きまりが悪いんです?

なぜなら、まだぼくの中には、自分を男性的に見せたい、皮ジャンパーのタフなレノン、行儀の悪い言葉づかい… といった気持ちが少し残っていて、、、ぼくだってほかの奴と同じようにロマンティックだし、昔からずっとそうだったのさ。あれは、そう80年代向けの「ガールズ」ってとこなんだな、ぼくには。だけどぼくにはあれが、、突然わかったのさ、女のことが。ぼくは、そのとき女というものが、ぼくたちにとってなんであるかが、いきなりわかった、セックスの対象でも母親でもなくて、彼女たちのしてくれることがね。

だから、はじめのところで、ぼくは空の半分の側に向かってつぶやいているけど、あれは毛主席の有名な声明なんだ。

つまりもう半分の方さ。みんなが知っている男と女、男と女っていうのはジョークさ。お互いがなければ、なんにもないんだ。だから、これはなんて言うか、、ほら、ぼくが女に感じていた別の視点でね。それはあの歌の中で言ったような形でしか、ぼくには表現できないのさ。あれは、ヨーコと同時に、すべての女たちに捧げたのさ。

(引用終了)

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曲の冒頭で、ジョンがつぶやいている "For The Other Half Of The Sky" (空のもう半分のために)は、毛沢東の「空の半分を支えているのは女性である」という言葉からだったようです(どういう場面で、毛沢東氏が語ったのかはわかりませんでした)。

上記で引用した『ジョン・レノン・ラスト・インタヴュー』(初版タイトル『ジョン・レノン ALL THAT JOHN LENNON』)は、1980年12月6日、BBCの取材により、アンディ・ピープルズがインタヴューしたもので、ジョンが亡くなる2日前に行なわれ、3時間15分にも及んだもの。インタヴュアーが、イギリス人のため、ジョンはリバプール訛りをむしろ強調するように、語っているようです。

また、冒頭で紹介した『ジョン・レノン愛の遺言』は、1980年12月8日午後2時から5時まで(NY時間、日本時間では9日午前4時~7時まで)ジョン・レノンの住居(ダコタ・ホテルのアパート)で録音されたもので、こちらは、亡くなる数時間前のインタヴュー。

ですから、本当の最後の言葉は『ジョン・レノン・ラスト・インタヴュー』ではなく『ジョン・レノン愛の遺言』の方なのですが、こちらは再販はされてないようです(多分)。

どちらのインタヴューも、ニューアルバムのことと、これまでの作品について語っているのですが、ジョンの旺盛なサービス精神のせいか、印象が違っていて、訳者が違うせいもありますが、でも、両方ともすごく興味深い内容で、わたしは2冊とも読んでよかったと思いました。


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by yomodalite | 2012-11-20 10:23 | 現代文化・音楽・訳詞 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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