John Lennon “Instant Karma”(訳詞)

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この曲がリリースされたのは1970年。ジョンが60年代から東洋思想に強い関心があったことは、当時の若者にも大きな影響をあたえていたと聞いていますが、スピリチュアルも、平和運動も「流行」のひとつになっただけで、、という思いが、この曲を創った頃のジョンにはあったのではないかと、私は想像しました。



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国内版CDの訳詞では、INSTANT KARMA はタイトル通り「インスタント・カーマ」だったのですが、そのままカタカナにするんだったら「インスタント・カルマ」の方がわかりやすいし、「インスタント・カーマ」が、何なのかわからなかったら、gonna get you もされても、knock you もされても気がつかないし、何より We all shine on にもならないと思います。

この詩がわかりにくいのは、スピリチュアルに興味がある人の多くが、「カルマ」という言葉を、一方では「生まれ変わることへの希望」のように感じ、もう一方では、前世の因縁などのように、自分では動かしがたい宿命として考えていて、そこに疑問を感じていないからだと思います(ジョンは、多くの偉人たちと同様、その矛盾に悩んでいました)。

前世というものに「ファンタスティック」な思いを抱くことは、その一方で、現在の自分にも、他者にも、前世の行いという、自分には動かしようのない理屈をつけて、今、生きている「みんなが輝ける」ことをあきらめることにも繋がっている。

前世や、来世のことよりも、今を変えようと思えば「一瞬」で変われる。INSTANT KARMAは、教義化されたカルマという言葉や、自分の「運命」といったものに、囚われることなく、そんなもの(運命のこと)は、今すぐにでも変えられるんだという意味が込められていて、

私はジョンがインド思想に学び、またそこに疑問をもったことが「INSTANT KARMA」を生んだのだと思いました。

詩の内容にあわせて、即席だったり、お手軽だったり、刹那的で、流行ってる感じで、get you して来そうな “因果なやつ”を、とりあえず3種類考えてみましたが、他にもっとイイ感じの「INSTANT KARMA」を思いついた方は、ぜひ教えてください。

また、ヤバい英語力を最大限駆使して訳していますので、日本語部分はご注意の上、間違いや、気になる点は、お気軽にご指摘くださいませ。(コメント欄参照)







“Instant Karma”
Written By John Lennon

Instant Karma's gonna get you
Gonna knock you right on the head
You better get yourself together
Pretty soon you're gonna be dead
What in the world you thinking of
Laughing in the face of love
What on earth you tryin' to do
It's up to you, yeah you

最新流行の「教義」が、おまえを狙っている
今にも、おまえの脳に入り込もうとしている
落ちついて、本当によく考えないと
あっという間に、死はやってくる
おまえにとっての世界は、微笑んで笑っていればいいのか
今、やるべきことをやらなくて、どうするんだ

Instant Karma's gonna get you
Gonna look you right in the face
Better get yourself together darlin'
Join the human race
How in the world you gonna see
Laughin' at fools like me
Who on earth d'you think you are
A super star
Well, right you are

ありきたりな「運命」が、おまえをがんじがらめにする
それは、おまえの顔をじっくりとのぞき込む
愛する人のことをよく考えて
人間に生まれたことを楽しまなきゃ
世界には色々あるんだってことを知って
俺の愚かさを笑い飛ばせよ
おまえは自分のこと何だって思う?
スーパースター!
いいんじゃない。おまえは確かにスーパースターだよ

Well we all shine on
Like the moon and the stars and the sun
Well we all shine on
Ev'ryone come on

そうさ、俺たちはみんな輝く
月のように、星のように、そして太陽のように
そうさ、みんなが輝ける
さあ、みんな!

Instant Karma's gonna get you
Gonna knock you off your feet
Better recognize your brothers
Ev'ryone you meet
Why in the world are we here
Surely not to live in pain and fear
Why on earth are you there
When you're ev'rywhere
Come and get your share

出来合いの「宿命」に、溺れてしまって
おまえは完全にノックアウト状態
出会える人たちはだれでも兄弟なんだよ
なぜ、この世界に生まれて来たんだと思う?
傷ついたり、恐怖に脅えるためじゃないだろう
どうして、おまえはそこにいるんだ
さぁ、ここに来て、おまえの居場所を見つけなきゃ

Well we all shine on
Like the moon and the stars and the sun
Yeah we all shine on
Come on and on and on on on
Yeah yeah, alright, uh huh, ah

そうさ、俺たちはみんな輝く
月のように、星のように、そして太陽のように
そうさ、みんなが輝ける
さあ、みんな!

Well we all shine on
Like the moon and the stars and the sun
Yeah we all shine on
On and on and on on and on

Well we all shine on
Like the moon and the stars and the sun
Well we all shine on
Like the moon and the stars and the sun
Well we all shine on
Like the moon and the stars and the sun
Yeah we all shine on
Like the moon and the stars and the sun



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下記に、岩谷宏氏の訳を追記。

インスタント・カーマ

瞬間のカルマがあなたを捉える
あなたの脳を一撃する
気持ちを集中しろ
もうじきあなたは死ぬ
何を考えるのかも
恋を笑いで一蹴して
何に努力するのかも
すべてあなた次第だ

瞬間のカルマがあなたを捉える
顔面を一撃する
気持ちを集中して
人類の一員なんだと思え
ものの見方を変えるんだ
僕みたいなバカは笑い飛ばして
あなた自身が何者かを考えるんだ
あなたはスーパースターか、
そうさ、あなたがスーパースターなんだ

そうなのだ、みんなが輝くのだ
月のように星のように太陽のように
誰もが輝くのだ
そうだ、あなた自身が輝くのだ

『ジョン・レノン詩集』訳・岩谷宏(シンコーミュージック1986年出版)より


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下記は『ロスト・レノン・インタビュー〈1〉ラブ・アンド・ピース』から。

自然と浮かんできたんだ。
だれもがカルマ(業)のことをあれこれ論じてただろ、とくに60年代はね。
でも僕がふと思ったのは、
カルマが過去や未来の人生に影響するものだとすれば、
今この瞬間にも存在するはずだってことだ。
今、君がなにか行動を起こせば、実際にその反動が生まれるわけさ。
みんなそれを考えなきゃいけないんだ。
そういう思いがあったのと同時に、
僕は芸術のひとつの形としてのコマーシャルやプロモーションにすごく興味がある。
そういうのが好きなんだ。
つまり『インスタント・カーマ』っていうのは、
思いつきとしてはインスタント・コーヒーと同じようなものだよ。
なにかを新しい形で世に示すわけさ。
とにかくそういうのが好きだったんだ。(p267)


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Commented by kume at 2012-08-23 16:26 x
お言葉に甘えてちょっと提案。歌詞の意味をとるのは難しいので、ピントが外れてるかも。そんなときは無視してください。
第一パラ
What in the world you thinking of Laughing in the face of love 愛を面と向かって笑うなんていったい何を考えているんだ
第2パラ
Better get yourself together darlin' ~like me
ねぇ、自分をしっかり持って、人間らしく振る舞わなくっちゃ
僕のような愚か者が笑われているってこと、君はどう思ってるの


Commented by yomodalite at 2012-08-23 18:16
kumaさん、こちらもありがとうございますーーー!!!

この詩はホントに難しくて、国内版CDの訳も、ネット上でも検索してみたんですが、どれも納得がいかないというか、よくよく考えてみると、日本語として意味が通じてないものばかりなので、かなりの「ジャンプ力」が必要な詩のように思うんです。

第一パラは、最初に変換したのは、私も「愛を面と向かって笑うなんていったい何を考えているんだ」なんですが、What on earth you tryin' to do It's up to you に続けるのに、「微笑んで笑っていればいいのか」にジャンプしてみました。

また、第2パラなんですが、最後の、A super star Well, right you are を皮肉ぽく訳しているものが多いんですが、私はそうではなくて、ここは「完全肯定」だと思うんです。この詩はサブタイトルが「We all shine on」なので。(つづく)
Commented by yomodalite at 2012-08-23 18:18
で、Better get yourself together darlin' ~ like me は、このdarlin' が、リスナーで、yourself の your なのかどうかもイマイチよくわからないんですけど、

「僕のような愚か者が笑われているってこと、君はどう思ってるの」だと「スーパースター」は僕(ジョン)になって、君が正しいと言っているのも「僕がスーパースター」だからということになりませんか?

この後に「Well we all shine on Like the moon and the stars and …」とするには、やっぱり、君がスーパースターであることが肯定されていないと、、と思ったんですが。。。
Commented by kuma at 2012-08-31 00:05 x
darlin' はリスナーに対する「ねぇ君」くらいの感じかなと思いました。だから、Better get yourself together darlin' Join the human race は、「自分の意志を持って、全人類とつながろう」ってとりました。この歌には繰り返しin the worldという言葉が使われてますけれど、これは単純に疑問文を協調する「一体全体」ってとって良いのではないかと思います。on earthも同じくです。
foolsのくだりは「僕みたいな間抜けな奴を笑ってる、君はどういうつもりなんだ」かなぁ。そのあとに来るスーパースターは、やっぱり皮肉っぽく聞こえる。つまり、君はスーパースターだろうけど、でもね僕たちは一人一人、みんな輝いているんだよ、っていうような。
違うかなぁ…。
Commented by yomodalite at 2012-08-31 08:45
kumaさん、早速ありがとうございますっ!
>darlin' はリスナーに対する「ねぇ君」くらいの感じかなと思いました。
同意。そうすると、Laughin' at fools like me Who on earth d'you think you are と言っているのは、このリスナーではないんですね?でも、

第1パラは You better get yourself together
第2パラは Better get yourself together darlin'
第3パラは Better recognize your brothers

で、第1が、自分自身、第3が兄弟みたいなことだとすれば、darlin' に恋人という意味合いがある方が自然な気もするんですが、、

>in the worldという言葉 …「一体全体」ってとって良いのではないかと思います。on earthも同じくです。

そこは踏まえたはずなんですけど… w でも…なんか意味が通じないと思っている間にいじり過ぎたかも、、でも、とにかく、INSTANT KARMAが何で、「一体全体どういうつもりなんだ」みたいなところから、 Well we all shine on になる理由がわからないんですよね。(つづく)
Commented by yomodalite at 2012-08-31 08:54
>foolsのくだりは

そこも、なんか納得がいかなかったので変更したところなんですが、、

Well に「でもね」は思いつかなかった、、君はスーパースターだろうけど、(だろうけど)も思いつかなかった、、でも、それで意味が通じるかも。。

kumaさんがおっしゃるように、この2点で、君は、一般人ではなく、実際に「スーパースター」に向かって言っているという世界が見えますね。

INSTANT KARMAが、捕らえられそうになる「運命」という意味だけでなく、「運命」なんて、今すぐにでも変えられるという2種類の意味。という私の解釈はどう思われます?

Instant Karma にあてた3種類に、違和感はないですか?

Instant Karma ~ A super star ~ Well we all shine on という流れから、私はウォホールの「15分で誰でも有名人になれるだろう」(最初は「誰でも15分間は世界的な有名人になれるだろう」と言っていた)に近いんじゃないかと思っていたんですが、、
Commented by kuma at 2012-08-31 17:25 x
>Instant Karma にあてた3種類に、違和感はないですか?
で、あらためて考えてみると、案外この言葉は、「即座の因果応報」という単純な意味じゃないかと。つまりInstant Karma’s gonna get you っていうのは「悪いことするとすぐに罰が当たるよ」ってことではないかと思ったりします。だから、この歌全体として、「因果応報はすぐにやってくるよ、だから、ものをちゃんと考えて、愛情を大切にして、周りの人とつながって行くんだ。自分だけが特別っておもう(スーパースター)のはどうかな。僕らはみんなどの人も輝いているんだ。輝き続けるんだ」って感じのコンセプトではないかなぁと。歌詞におけるyouは「みんな」で、JohnはInstant Karmaに気をつけろよって、みんなに呼びかけてるのかな。そんなふうにも感じられます。
でも、違うかなぁ・・・ほんと、難しいッス。
Commented by yomodalite at 2012-08-31 22:11
kumaさん、対話しながら思考できるの、楽しいです!

>ものをちゃんと考えて、
>愛情を大切にして、
>周りの人とつながって行くんだ。

同意です。

>「即座の因果応報」という単純な意味じゃないかと。

即座の因果応報とは、シュムリーが言っていた「自分がしたことの結果は、自分にはね返ってくる(What goes around comes around)」と同じ意味ですよね?

この意味合いも、含まれていると思いますし「気をつけろ」とも言ってると思うんです。それで、MJが「カルマと正義1」http://goo.gl/8azRn で、ちょっと唐突とも言える感じで「カルマ」を持ち出して、展開していった会話を思い出したんですね。(つづく)
Commented by yomodalite at 2012-08-31 23:01
We all shine on で、月のように、星のように、そして太陽のように…っていうのも「DANCE OF life」で「god」でしょう。

ジョンは、ラジニーシのところに行って、MJはチョプラに学んでいるんだけど、彼らは、それらの思想の良い面を理解しつつも、2人とも「カルマ」は否定してる。(今がすべてだということ。ジョンは「GOD」の詩 http://goo.gl/tK5uy 参照)

簡単に言えば、2人とも「今がすべてだから、今がんばろう」ということなんだけど、ジョンは「God is a concept by which we measure our pain」って言ってる。一方、MJは「God breath you」にすら、本気で「神さま」を感じさせるようなキャラなので、MJの神は宗教的な印象もあったんだけど、、

シュムリーとの会話で、ジョンと同じように哲学的な人だったってことがわかって、それで逆に、ジョンが気をつけろって言った “Instant Karma” が、We all shine on になる理屈もなんかわかったような気がして、ジョンの「カルマ」も「因果応報」だけでなく、様々な「運命」とした方が We all shine on に繋がるかなぁと、、

Commented by yomodalite at 2012-09-01 10:09
上のコメントの中の「カルマと正義1」の短縮URL、リンクに失敗しちゃった。
http://nikkidoku.exblog.jp/17863143/ (←ここね)
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by yomodalite | 2012-08-17 15:30 | 現代文化・音楽・訳詞 | Trackback | Comments(10)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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