和訳 DANCE OF life『Dancing the Dream』[7]

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マイケル・ジャクソンが1992年に出版した『Dancing the Dream』に
収められた「DANCE OF life」の和訳です。

苦手な英語力を最大限に駆使しています。日本語部分には、充分ご注意のうえ、
気になる点や間違いは、遠慮なくご指摘くださいませ。


DANCE OF life 
Written By Michael Jackson


生命のダンス

I cannot escape the moon. Its soft beams push aside the curtains at night. I don’t even have to see it — a cool blue energy falls across my bed and I am up. I race down the dark hall and swing open the door, not to leave home but to go back into it. “Moon, I’m here!” I shout.

ぼくは月から逃れられない。夜、その柔らかな光線はカーテンを押しのける。見なくたってぼくにはわかる。冷たく青いエナジーがベッドに降り注がれて、ぼくは起き上がる。暗いホールから競うように降りて、さっとドアを開ける。家から出たのではなく、家にたどり着いたんだ。ぼくは月に叫ぶ「ただいま!」

“Good,” she replies. “Now give us a little dance.”

「おかえり」と月は答える「私たちのために踊ってみせて」

But my body has started moving long before she says anything. When did it start? I can’t remember — my body has always been moving. Since childhood I have reacted to the moon this way, as her favorite lunatic, and not just hers. The stars draw me near, close enough so that I see through their twinkling act. They’re dancing, too, doing a soft molecular jiggle that makes my carbon atoms jump in time.

でも、ぼくの体は、彼女の言葉なんかよりもずっと前に動き出している。いつからだろう?自分でも思い出せない。ぼくの体はいつだって動いていて、子供のころから、ぼくは月を感じるとそんな感じで、彼女が気に入るように狂気じみてしまうだけじゃなく、まさに彼女の虜だった。月だけじゃなく、星たちもぼくを誘ってきて、その煌びやかな光の演出をまぶし過ぎるほど間近で見た。星たちも踊っているんだよ。星の分子はゆるやかにスイングし、ぼくの中の炭素原子も、それに合わせて飛び跳ねる。

With my arms flung wide, I head for the sea, which brings out another dance in me. Moon dancing is slow inside, and soft as blue shadows on the lawn. When the surf booms, I hear the heart of the earth, and the tempo picks up. I feel the dolphins leaping in the white foam, trying to fly, and almost flying when the waves curl high to the heavens. Their tails leave arcs of light as plankton glow in the waves. A school of minnows rises up, flashing silver in the moonlight like a new constellation.

腕を大きく拡げて、海に向かうと、ぼくの中から別のダンスが沸き上がる。月のダンスはゆるやかで、芝生の上の青い影のようにやさしい。大きな波が起ち上がるときは、地球の鼓動が聴こえてきて、テンポが速くなる。イルカたちは、白波を上げて跳ねていて、飛ぼうとしてる。天まで届くような大きな波が来たら、ほとんど、空も飛べるだろう。イルカの尾は光の弧を描き、プランクトンは波間に煌めく。ヒメハヤ(☆)の群れが現れて、月光に反射して銀色に輝く。まるで新しい星座のようだ。

☆ヒメハヤ(minnows)画像

“Ah!” the sea says, “Now we’re gathering a crowd.”

「まぁ!」海が言う「みんなが集まってきたわ」

I run along the beach, catching waves with one foot and dodging them with the other. I hear faint popping sounds — a hundred panicky sand crabs are ducking into their holes, just in case. But I’m racing now, sometimes on my toes, sometimes running flat-out.

波に足を捕われたり、かわしたりしながら、ぼくは波打ち際を走る。プツプツという微かな音が聴こえる。たくさんの砂蟹があわてて穴に逃げこむ音。でも、ぼくは今疾走中。ときには爪先を立て、ときには全速力で。

I throw my head back and a swirling nebula says, “Fast now, twirl!”

空を仰ぐと、渦を巻いた星雲が言う「さあ、今よ、回って!」

Grinning, ducking my head for balance, I start to spin as wildly as I can. This is my favorite dance, because it contains a secret. The faster I twirl, the more I am still inside. My dance is all motion without, all silence within. As much as I love to make music, it’s the unheard music that never dies. And silence is my real dance, though it never moves. It stands aside, my choreographer of grace, and blesses each finger and toe.

ぼくは思わずニヤリとして、頭でバランスをとって、激しく回り始める。それは、ぼくのお気に入りのダンス。そこには秘密があって、速く回れば回るほど、ぼくの内側はより静かになる。ぼくのダンスは外側は完全に「動」で、内側は完全に「静」。ぼくは音楽を創ることを愛しているけど、ダンスは永遠に絶えることのない、音のない音楽。ぼくのダンスの真実は沈黙にある。決して動かず、ぼくに寄り添う、優雅な振付師は、ぼくの指先から爪先まで祝福を与えてくれる。

I have forgotten the moon now and the sea and the dolphins, but I am in their joy more than ever. As far away as a star, as near as a grain of sand, the presence rises, shimmering with light. I could be in it forever, it is so loving and warm. But touch it once, and light shoots forth from the stillness. It quivers and thrills me, and I know my fate is to show others that this silence, this light, this blessing is my dance. I take this gift only to give it again.

月のことも、海や、イルカのことも忘れてしまったけど、ぼくは今、かつてないぐらい彼らの喜びを感じる。星のように遠く、砂粒のように近く、その存在は現われ、微かに光る。その光は、永遠にそこにいたいほど、暖かく愛にあふれているけど、触れると、その静寂の中からは、鋭い光が放たれて、震えるほどのスリルを感じる。この静寂や、この光、この喜びこそが、ぼくのダンスで、神がぼくに与えた贈り物。そして、これをみんなにも与えることが、ぼくの使命なんだ。

“Quick, give!” says the light.

「早く与えなきゃ!」光が言う。

As never before, I try to obey, inventing new steps, new gestures of joy. All at once I sense where I am, running back up the hill. The light in my bedroom is on. Seeing it brings me back down. I begin to feel my pounding heart, the drowsiness in my arms, the warm blood in my legs. My cells want to dance slower. “Can we walk a little?” they ask. “It’s been kind of wild.”

ぼくは、今までに経験したことがないほど、突き動かされて、新しいステップや、楽しい動きを生み出していく。すると、突然、ぼくは自分の居場所に気づいて、丘の上へと駈けもどる。寝室には明かりがついたままで、見ているうちに、ぼくは我にかえり、胸が高鳴り、腕はぐったりして、脚も熱くなっていることに気づいた。ぼくの細胞たちは、のんびりしたダンスをしたがって「少し歩かない?」と訴えてきた。「やりすぎだってば!」

“Sure.” I laugh, slowing to an easy amble.

「そうだね」ぼくは笑って、普通にゆっくり歩きだした。

I turn the doorknob, panting lightly, glad to be tired. Crawling back into bed, I remember something that I always wonder at. They say that some of the stars that we see overhead aren’t really there. Their light takes millions of years to reach us, and all we are doing is looking into the past, into a bygone moment when those stars could still shine.

少し息を切らして、心地よい疲れを感じながらドアノブを回した。ベッドに潜り込むと、いつも不思議に感じていることを思い出す。ぼくたちの頭上に見える星たちは、すべてがそこにあるわけではないということ。星の光が、ぼくたちに届くには何百万年もかかる。だから、ぼくたちが見ているのは、過去の光であって、かつて、それらの星たちが輝いていたときはもう過ぎ去ってしまった瞬間なんだ。

“So what does a star do after it quits shining?” I ask myself. “Maybe it dies.”

「星は輝きを失ったら、どうなる?」ぼくは自答する「死んじゃうのかな」

“Oh, no,” a voice in my head says. “A star can never die. It just turns into a smile and melts back into the cosmic music, the dance of life.” I like that thought, the last one I have before my eyes close. With a smile, I melt back into the music myself.

「そんなバカな」ぼくの頭の中の声がささやく。「星が死ぬことはない。それは微笑みながら、宇宙の音楽に溶けて行く。それが生命のダンスなんだ」ぼくは目を閉じる前に思いついたこの考えが気に入って、ぼく自身も、微笑みながら音楽の中に溶けていった。

(訳:yomodalite)


◎[Amazon]『Dancing the Dream』Michael Jackson
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As much as I love to make music, it’s the unheard music that never dies. And silence is my real dance, though it never moves. It stands aside, my choreographer of grace, and blesses each finger and toe.

この詩の中では、上記が、もっとも何度も書き直したところですが、きっと、また修正したくなると思います(その部分や、この詩だけでなく…)。

『Dancing the Dream』からは、これまでに7編の詩を訳してみました。

当初、苦手な英語力を駆使しても、自分なりに訳したくなったのは、この7篇だったのですが、この数日で、ちょっと考えが変わって、、

最後に「God」を追加して、「マイケルと神について」を書こうと思います。




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Commented by jean moulin at 2012-08-06 18:39 x
やっと、DANCE OF life 公開してくれたのね。
もう、これだいすきっ!
「創造」をこんなに美しく、実感と物語性ももって語れるなんて、すごいよね。
何度も読んだ文章だけど、Yomodaliteちゃんの日本語訳は違和感がなく、日本語としての魅力も付加されていてとても素敵だと思います。

何かと泣けるポイントの多いロンドンオリンピックだけど、ロシアのシンクロでまた泣けた・・。
さっきは、パリスの壁を見て泣けた・・。
なに? 今にしてのこの喪失感・・。
Commented by yomodalite at 2012-08-06 20:24
>日本語としての魅力も…

いつも、アリガトね!

で、ロシアのシンクロも、パリスのつぶやきも見てなかったんだけど、、mourinさんが泣いたのって、これ? http://instagram.com/p/N-or6Tqwjd/ あの、間違いなく世界一で、どんなコメディアンも寄せ付けない、そして、3バカ大将より、上手くやれるんじゃないかと思ったという「実力」が、遺憾なく発揮された「寄り目」写真がヘッドに近い中央に貼ってあるね!

>この喪失感・・

わたしね、毎日MJのことばっかり考えてるから、喪失感なんて全然ないよ。むしろ、たまには1人にして欲しいって感じww
Commented by jean moulin at 2012-08-07 18:01 x
>これ?
うん、これ。
「寄り目」よく見つけたね。みんないい写真だよね。

>喪失感なんて全然ないよ
そうだね、おもちももらったし・・。
パリスもそうだといいなあ。

Dancing the Dream の考察楽しみにしてます。
Commented by yomodalite at 2012-08-07 22:11
>「寄り目」よく見つけたね。

この写真は、いつでも簡単に取り出せる「脳内フォルダ」においてあって、ファイル名は「匠の業」なの。

>パリスもそうだといいなあ。

しかし、、実娘とはいえ、流した涙の量では負けてないという気がするのも事実。。

>Dancing the Dreamの考察

あんまり面白くもないと思うけど、、8月はバースデーまで、ゴシック図書館で、ポーに浸る予定だったのに、、例の仏教本にヤラレたうえに、、暑さでどうかしてるんだと思う。

ロシアのシンクロって、MJの曲で演技したの? 今夜のNHK(Eテレ)で11時に放送されるやつかな。。
Commented by jean moulin at 2012-08-08 18:29 x
ロシアのシンクロ見つかった?
もし、まだならここに行って
http://www1.nhk.or.jp/olympic/synchronised_swimming/

ロシアのイシェンコ、ロマーシナのデュエットのテクニカルルーティーンを見てみて。
Michael Foreverだって。

「God」大きなテーマだね。
Commented by yomodalite at 2012-08-08 19:03
>もし、まだならここに行って

ありがとーーーー!!! まだ見れてなかったの。

昨日のは、フリーだったみたいで、彼女たちが実力も圧倒的で、選曲も一番ステキだってことしかわからなくて、、、MJ曲のもいいんだろうなぁって思ってたけど、コスチュームまで!

しかも「ゼイドント」のこーゆー使い方は新しいね。シンクロの動きに取り入れられるMJぽさを探すのに、この振り付けの人、相当MJの動きを見たって感じがする。

フィギュアだけでなく、シンクロまで、ホント、あらゆるダンスにMJが。。
もはや、すでに「クラシック」だね。
Commented by jean moulin at 2012-08-09 18:21 x
じゃあ、良かった。
ほんと、完成度高いよね。

>コスチュームまで!
中学生以降、水着禁止なんだけど、あれなら着てみたいかも・・

>すでに「クラシック」
うん、そうだね。そういう歴史を目の当たりにできるのは、幸せな事なのかな。

「マイケル」と「神」の考察、冷房なしで読んでも、とても涼やかだよ。
Commented by yomodalite at 2012-08-09 20:49
>中学生以降、水着禁止なんだけど・・
(いったいどんな訳で… ま、まさか宗教的な理由…?)

mourinさんが、バブル時代にレースクイーンじゃなかったなんて、
思ってもみなかったよw
中学から着てないのに「ハイレグ」過ぎるってば!
私は、いくらMJでも遠慮するw

>とても涼やかだよ。

ホント? でもきっとまだ「序章」だからだよ。
これから、あのウザいと言われているシュムリーのコメントよりも、さらにウザくなる可能性も高いので、、ときどき優しく叱ってね。
Commented by jean moulin at 2012-08-10 18:32 x
>ま、まさか宗教的な理由…
そんな感じかな(笑)

>バブル時代にレースクイーン
ない! ほら、その頃、幼稚園生だし(・・・)

>ときどき優しく叱ってね。
こらっ 
(うそ、うそ)

(2)もとても丁寧に書いてくれているので、すっきり解りやすいよ。
どんなウザい展開になるのか楽しみ。
Commented by yomodalite at 2012-08-10 21:26
>そんな感じかな(笑)

マジかっ!じゃ、なんか「ブレイク」のときに、
mourinと神についてを語ってもらわないとね(笑)
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by yomodalite | 2012-08-06 09:52 | ☆Dancing the Dream | Trackback | Comments(10)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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