エリア51 世界でもっとも有名な秘密基地の真実/アニー・ジェイコブセン、田口俊樹

エリア51 世界でもっとも有名な秘密基地の真実 (ヒストリカル・スタディーズ)

アニー・ジェイコブセン/太田出版



本書はノンフィクションである。ここに書かれているのはすべて実話であり、本書に登場するのもすべて実在の人物だ。本書を書くにあたってインタヴューした74人はいずれもエリア51に関する稀少な情報、すべて自らの体験に基づいた情報、を持っており、そのうち32人は実際にこの秘密基地内に住み、そこで働いた経験を持つ人々である」(p.7 プロローグ 秘密都市より)


エリア51と聞いて、まず連想するのは「UFO」、そして、そのあとに連想されるのは「ロズウェル事件」ではないでしょうか。なんとなく、最近はUFOの話題が下火になっているような気がするので、あぁ、そんな「謎」に夢中になったことがあったなぁと思われる方も多いと思いますが、

でも、本書がインタビューや機密解除された公文書から明らかにした新事実の大半は、UFOではなくて「原子力委員会」と「CIA」に関係すること(原書は2011年出版)。

311以降、原発について考えるようになって、ようやく気づかされたことですが、宇宙開発も、原子力も、すべて、米ソの冷戦時代の産物。米国は第二次大戦後も、キューバ、ベトナム、朝鮮戦争と、絶え間なく戦争状態にあり、地球規模の核戦争の回避を大義名分に、CIAと原子力開発は超法規的な権力を手にしていった。

エリア51の周辺では、頻繁に核実験を行っていて、本書には、水爆の父、エドワード・テラーの名前が多く登場します。

核実験に関してこれだけの極秘情報がすでに公開されている、米国の情報機関にとって、現在の福島の被爆など取るに足らない、シュミレーション通り、利用できる「ショックドクトリン」の到来なんだろうと感じました。

1961年に、アイゼンハワー大統領が、退任演説で、軍産複合体の存在を指摘し、大統領が、米国の真のリーダーではないことが明らかになり、それでは、原子爆弾の開発を推進したり、大統領の直属と言われるCIAに、命令を下しているのは、いったい誰なんだろうと、以前はよく思いました。

軍産複合体、国際金融資本、イルミナティ、ロスチャイルド、ロックフェラー… といった黒幕の存在は誰もが知っています。でも、冷戦の狂気から守られてきたはずの、今日の日本の検察や官僚の暴走を見ていると、もう、そんな黒幕など必要ないのかもしれません。

本書は、公開された極秘文書を、緻密に解いていくという構成で、著者の推測による語りはほとんどないので、月面着陸捏造説に関しては、サラリと触れる程度なんですが、今でも、アポロが月に行ったと思っている人は読まない方がいいかもしれません。また、UFOや、宇宙にまだ夢がある人や、単純な陰謀論的「真相本」に慣れている人も、読了するのは難しいかもしれません。

でも、終盤まで、UFOもロズウェル事件のことも忘れて読み進んできた読者にとっては、最後に、突然『X - FILE』のテーマソングが流れてきそうな箇所があります。

下記の参考サイトで、著者の「新仮説」が論争を呼んだと記しているところで、大勢のレヴュアーも、真偽を疑っている箇所なので、安心して、あえて言っておきますがw、私は多くの日本人が食料に飢えるほど、貧しい戦争の間に「731部隊」がやっていた実験を考えれば、月面着陸を創造した米国には、これを実行する理由が充分あると思いました。

少なくとも、原発すら安全に稼働できない科学力で、月に行って帰ってくることの「荒唐無稽」とは異なり、現在の科学力で実行可能ですからね。

◎[参考サイト]HONZ『エリア51』アメリカで賛否両論の話題作

[目次]
秘密都市
エリア51の謎
架空の宇宙戦争
陰謀の種
情報適格性
原子力事故
ゴーストタウンからブームタウンへ
転落するネコとネズミ
基地の再構築
科学、テクノロジー、仲介の達人たち
どんな飛行機?
さらなる隠蔽
汚くて退屈で危険な任務は無人偵察機に
砂漠のドラマ
究極の男社会
ブラックシールド作戦と、プエブロ号事件の知られざる歴史
エリア51のミグ
メルトダウン
月面着陸捏造説と、エリア51にまつわるその他の伝説
空軍の支配ーカメラ室から爆弾倉までー
驚くべき真実

◎[Amazon]エリア51 ー 世界でもっとも有名な秘密基地の真実
________________

[内容紹介]「NYタイムズ・ベストセラー・リスト」に11週連続でランクインした全米ベストセラーが日本上陸! エリア51の知られざる数々の事実、核や人体実験などアメリカ軍事史の闇に迫る渾身のノンフィクション! ◆「エリア51」はUFO墜落・宇宙人の遺体回収で知られる「ロズウェル事件」の舞台として世界的に有名だが、実際はネヴァダ州の砂漠地帯にある米最高機密の軍事施設である。衛星写真でも隠せないほど広大な基地にもかかわらず、いまも当局は存在を伏せている。 ◆ジャーナリストの著者は、ふとしたきっかけからエリア51で働いていたという人物と知りあい、取材を開始。以後、基地に勤務していた20人近い関係者、プロジェクトに関わった50人以上の科学者、基地近郊の30人を越える居住者などからの証言を得て全容解明に挑戦。その結果、冷戦下の軍事秘史が明らかになった。 ◆貴重なモノクロ写真を約60点収録。太田出版 (2012/4/5)



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by yomodalite | 2012-07-04 08:31 | 報道・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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