藤永先生に贈ったマイケルの曲[1]

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藤永茂氏のブログ「私の闇の奥」にコメントしたことから、先生からメールを頂いて、それで、なんだかんだあって、先生に私が選曲したマイケルのCDを贈ることになりました。私が先生にプレゼントしたくて仕方がなくなってしまったからです....

藤永訳の『闇の奥』が、本作品のベスト翻訳本だと思われる方は大勢いらっしゃると思いますが、わたしは、これを「地獄の黙示録」の原作としてだけでなく、カーツを演じたマーロン・ブランドが「闇の奥」をどう読み、どのようにカーツの人間像を創っていったのかに最も近い解釈がなされている本だと感じ、藤永氏にブランドと同様の「魂」を感じてしまったんです。

(ブランドが「闇の奥」を読んでいなかったとか、役づくりを怠ったために肥満していたなどの記述は、大変多く見られますが、それらはマイケル・ジャクソンを整形で語るように愚かなことなのでご注意くださいませ)

藤永茂氏は、九州大学教授から、1968年にカナダのアルバータ大学理学部教授となり、1991年には同大名誉教授に....そんな先生(現在86歳)に、物理学どころか、算数も苦手な私が送ったメールを公開します。

最後に、先生からのお手紙も紹介します(もったいないので一通だけですが、先生の今でも少年のように好奇心旺盛なところとか、マイケルへの感想も....)


2011年12月10日

藤永先生

お忙しいところ、返信までいただけるなんて本当に感激です!

私は、マーロン・ブランドのことを、去年まで「ゴッドファーザー」と「地獄の黙示録」でしか知らなかったのですが(しかも観たのは子供の頃)、今年の夏、あるきっかけから、彼の魅力に気づき、ブランドの自伝『母が教えてくれた歌』をガイドに『欲望という名の電車』から、遺作である『スコア』まで、12、3作の作品を駆け足で観ました。

わたしにとって、俳優に強い興味を抱くことは、初めての経験だったのですが『母が教えてくれた歌』は、それがどうしてなのかを教えてくれるような内容で、読んでいるうちに、ますます彼に惹かれ、自伝だけでなく彼の演技の先生であった、ステラ・アドラーの本も読んでみたり、とにかく自分でも驚くほど夢中になり、それが、きっかけで『闇の奥』も読んでみようと思いました。

藤永先生の『闇の奥』『闇の奥の奥』は、立花氏の『解読・地獄の黙示録』を読んだときの違和感と、もやもやした霧を晴らしてくださるような、素晴らしい読書体験で、扱っておられるテーマにそぐわない表現なのですが、先生の真摯な探求心に触れられて、とても清々しい気分にもなれました!

ところで、私がブランドに出会った「きっかけ」なんですが、

それは、藤永先生の本に出会うことが出来た「きっかけ」でもあり、先生も驚かれるというか、面白いと感じていただけたら嬉しいと思い、ちょっぴり長くなりますが、説明させていただくと、実は「マイケル・ジャクソン」なんです。

私は2年前にマイケルが亡くなってから、彼が相当の読書家であったことに気づき(2005年の幼児虐待事件の際の家宅捜査でも図書館並みの蔵書量が確認されています)、彼がどんな本を読み、思考していたかということが、頭から離れなくなり、今日まで、彼のことを考えない日がないぐらいなんですが(呆)、

その彼の(実質的な)最後のミュージック・ビデオ(彼は革新的な音楽ビデオの制作者でした)の出演者がブランドだったんですが、その作品はファンの間でも賛否両論、謎の多い作品で、出演時、すでに77歳のブランドは(遺作映画と同年)マイケルファンにとっては、過去のスター過ぎて、まったく理解されませんでした。

わたしは、そのビデオのことが、永年気になっていて(「You Rock My World」というタイトルです)何度も観ているうちに、その中に、ブランドの歴史が隠されていることにようやく気づいて、それで、ブランドの映画を観るようになり、自伝を読み、完璧にハマってしまったんですね(笑)

(2人が親友であることはよく知られている事実で、ブランドの息子は、永年マイケルのボディガートとして働いているのですが、ブランドは晩年のほとんどを、マイケルの有名な家「ネバーランド」で過ごしていたと証言しています)

ブランドの魅力は、語りきれないほどあると思いますが、あえて、一言でいうなら、その登場からずっと真摯に「アメリカの偽善」と向き合ってきたことが、全身から伝わることでしょうか。私は、マイケルが若い頃から晩年までブランドを尊敬していたことで、彼がきっと素晴らしい人に違いないと思っていたのですが、今はそれと同じぐらい、ブランドがマイケルを可愛がっていたことを、素晴らしいことだと感じています。

彼らの魂を感じてから、わたしは、これまでより、わずかな偽善の匂いや、偽物の知性に敏感になったと思います。

ですから、わたしは、マイケル・ジャクソン~マーロン・ブランドという糸から、藤永先生の本にも出会うことが出来たんです。

この2年間、わたしは「マイケルは1ミリも間違っていない」という仮説を検証するかのように毎日を過ごしているのですが、必ず、素晴らしいひとにバトンが繋がっていくことの幸せを日々実感していて、本日、藤永先生からのメールで、またひとつ、それを実感いたしました。


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CDに添付した曲目リストの表紙
右側は「Rubberhead Club の掟」



2011年12月16日

藤永先生、「したたかに好奇心....」そのステキな言葉にワクワクしてしまいました。

先生、是非マイケルの本を書いてください!(笑)いえ、あの、冗談ではなくて、、というのも、現在、東大の..... (以下、自主規制).... という感じで、曲に対しての解釈がまだまだ青いんですよね(笑)

マイケルは、29歳のとき出版した自伝『ムーンウォーク』でも、2001年のオックス・フォード大学でのスピーチでも(当時43歳)、自分のことを80歳ぐらいだと言っているので、彼が「Better Place」に旅立った50歳のときは、先生より年上の可能性もあり、やはり、せめて80歳ぐらいじゃないと彼のことは語れないんじゃないかと思うので、藤永先生にとって「痛く悔やまれる」どころか、むしろ「今」ではないかと。

また、私は、先生からの最初のメールの「ブランドの人柄に以前から信頼と親しみ」「彼が嘘をつくとは私には考えられません」で、先生の知性だけではなく「The Man!」な人柄や器量にも確信をもちました!マイケルはその女性的な風貌から誤解されていますが、彼以上の「男の中の男」がこれまでの歴史上存在していたとは、到底思えないので、彼を語る人にも、その器が必要ではないかと思うんです。(中略)

もし、先生のお宅にCDプレーヤーがあり、音楽を聴くことに、あまり抵抗がなければ、私が選曲した「マイケル・ジャクソンCD」をプレゼントさせていただけないでしょうか?マイケルと言えばダンスが有名ですが、私が選曲したいと思っているのは、先生のような頭脳労働の方が1日を終えられたときに、多少はお疲れがとれるような曲を考えています。わたしは、自分の友人に彼のCDをプレゼントしたことも、大体、彼のファンだと言ったことすら1度もないので、これは、わたしにとって「初めての体験」です。

☆藤永先生に贈ったマイケルの曲[2]につづく


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Commented by jean moulin at 2012-02-01 13:53 x
昨日の夜、この記事がアップされたの見た時、こころがひっくりかえるかと思った・・。
それでなくても毎日「小さな白い鳥」でどきどきしてるのにい。
本当にこんな事、共有させていただいていいのかな。
CDの装幀も、掲載されている写真もとてもきれいだね。
愛を感じます。
[2]楽しみにしてるね。

>東大の..... (以下、自主規制)、
ちょと笑た
Commented by yomodalite at 2012-02-01 17:54
>共有させていただいていいのかな。
うん。。先生からも承諾いただいたから。。

>東大の.....
そーゆー肩書きだけじゃなくて、本当に尊敬してる「先生」だから、レポート提出するような感じで、すっごく緊張して書いたのね(あんまりそう見えないかもしれないけど...一夜明けて、そのときの緊張が蘇ってきて、またドキドキしてきちゃった)

これを書いてたのと同時期に「反省×3」を書いてて...だから、これは「まとめ×3」みたいなことになってると思う....(たぶん)

>「小さな白い鳥」でどきどきしてるのにい。
読み終わってから「そんな面白くなかった」ってゆーコメントも「承認」するからね!
Commented by jean moulin at 2012-02-01 18:16 x
>あんまりそう見えないかもしれないけど...
そんなことないよ。すっごい伝わってきた。
画面みただけで、心臓止まるかと思ったもの。

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by yomodalite | 2012-01-31 19:03 | MJ系ひとりごと | Trackback | Comments(3)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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