中国は世界恐慌を乗り越える/副島隆彦

中国は世界恐慌を乗り越える

副島隆彦/ビジネス社



戦争の本質が、国家経済の破綻を、覆い隠すために行うものだということは、すでに「常識」だと思いますが、昨日、EUのイラン産原油の輸入禁止が決定されましたね....

ヨーロッパとアメリカの高級紙は、ずっと、日本に対し「失われた10年」とか「日本のようになるな」と言い続けてきました.....とにかく、ニュースを見たら、その10倍は本を読まないといけない世の中ですけど、その本もあまりにも嘘が多いので.....副島氏の本がどんどん売れるようになっているのでしょう。

あまりタイムリーでなく、そんなには売れていないかもしれない本の紹介をすることが、もしかしたら多いかもしれない当ブログではめずらしく、毎回発売から間もないタイミングで紹介している副島氏の新刊本ですが、

本書も、書店の目だつ売場に並んでいることですし、今回は、わたしが個人的に興味がある点のみ「あっさり」とメモしておきます。


第3章から省略して引用


◎日本海の時代がくる

わたしは3年前から「これからは陸の時代が来る。海の時代から移る。ユーラシア大陸のど真中が世界の中心になる」と書き出した。おれは2009年7月に中央アジアのカザフスタン国に行き、ここに新しい世界銀行ができる(2015年から)と分かったからだ。

大陸の時代には、道路と鉄道が重要となる。大陸を横断する陸上輸送網がこれからももっともっと建設される。日本は島国であり、ユーラシア大陸の東のはずれの島嶼国である。だから、日本にはこれから日本海の時代が来るのだ。

新潟、富山、福井、島根、これらの都市が急激に韓国の釜山や上海や大連、青島、天津と港湾どうしでつながり急激に伸びる。このことを日本の産業人、ビジネスマンたちは早く自覚しなければならない。

◎トルコとイタリアの海底パイプライン「ナブッコ計画」

2011年1月から、中東、アラブ地域での各国民衆の反乱運動と反政府運動による旧政権の打倒の動きが起きた。これらの動きの背後には、アメリカの軍隊とCIAの合同である特殊部隊の動きがある。アメリカは兵隊を直接、現地に大部隊で投入するこれまでの戦争のやり方を根本から変えたようだ。

エジプトは国民の7割の支持をもつムスリム同胞団という温和なイスラム教徒の政党がある。このムスリム同胞団による政権の誕生が必然なのに、これを阻止しようとするアメリカの動きがある。

ムバラク政権打倒のエジプト青年たちの運動は「フェイスブック」という実名登録のインターネット通信網が大きな役割を果たしたとされるが、エジプトのフェイスブックの運営責任者で「4月6日運動」を指導するアハマド・マヘル(30歳)という若者がどうも怪しい。ファイスブックのザッカーバーグと始めからつながっている。だからムスリム同胞団は、彼ら外国帰りの青年活動家たちを警戒している。

中東アラブ諸国にとってこれからのお手本となるのはトルコのエルドアン政権である。他のアラブ諸国もトルコの政治体制に見習おうとしている。リビアのカダフィ政権の打倒(2011年9月)には、もうひとつ裏側の理由がある。それは「ナブッコ石油天然ガスパイプライン」に関わる。

ナブッコというのは、ネブカドネザル王のことである。欧米人にとっては有名なオペラの名前だ。劇作「ナブッコ」はイスラエルの民で、バビロン捕囚に遭っていた者たちが祖国のパレスチナの地に帰りたいという望郷の念をあらわにした作品として有名だ。このナブッコと名づけられたトルコ経由の南回りルートの石油と天然ガスのパイプライン建設の動きにイタリア(ベルルスコーに首相)、リビア(カダフィ大佐)が深く連携していた。

中央アジアのカザフスタンの南にトルクメニスタンという国がある。トルクメニスタンにはニヤゾフという独裁者がいた(2006年2月死去)。このトルクメニスタンという国もカスピ海沿岸で、ものすごい量の石油と天然ガスが出る。この資源をトルコのエルドアン政権とイタリアのベルルスコーニ政権が組んで地中海方向にパイプラインを引いてヨーロッパに天然ガスを供給しようという計画だ。

さらにイタリアから南にシシリー島を経由して、かつてのカルタゴあたりまで海底パイプラインをつくる計画があった。これが「カダフィ殺し」で中断してしまった。アメリカの狙いどおりだ。

ナブッコ計画に対して、フランスとイギリスとアメリカがいい顔をしていなかった。上手くいったらトルコとイタリアとリビアがヨーロッパのエネルギー供給で主導権を握ることになるからだ。だから「NATO軍による爆撃」でカダフィ政権は打ち倒された。

ロシアもまた、ナブッコ計画を敵視していたという事情がある。ロシアはカスピ海の豊富な石油、天然ガスをウクライナとベラルーシを通って、北回りのロシア経由で欧州各国に供給している。この利点が、ナブッコ計画で半減してしまう。


第4章から省略して引用


◎内モンゴルのレアアース生産基地

中国は、レアアース、レアメタルを国家戦略資源に位置づけて、急に海外輸出規制をし、それらの世界シェアの多くを押さえることを2010年9月に目標にしたが、どうも失敗したようである。

レアアースの国際価格だけがひとり歩きして高騰した。ところが、このあと事態は一転した。買い手(需要者)である日本の電気メーカーのほうは、まだまだ安価な入手が可能なようである。日本政府(経済産業省)は早めに手を打って、もうひとつのレアアース産出国であるインドからの輸入量の確保を確実にしたようだ。

しかし、わたしの情報では、去年ランドサット(航空宇宙資源探査衛生)で日本の資源開発チームが大量のレアアースを南米ペルーで見つけたようだ。中国の輸出規制の動きに対して、日本商社も危機感を強め、インドその他の国からの輸入で国内需要分を十分に確保できたようだ。これらの理由から、中国のレアメタル・レアアースの開発特区は当面尻すぼみだ。(引用終了)


下記は、見るだけでも為になる「目次」


第1章 迫りくる「1ドル=2元=60円」時代

円が強い今こそ人民元預金 …… 14
人民元は必ず上がる …… 16
中国で人民元を預金する …… 22
中国で金に投資すべき …… 24
中国で買って中国で売るのが正しい …… 28
不動産投資なら東北しかない …… 30
欧米の不健全なバブルと中国の健全なバブル …… 34

第2章 中国経済の成長は何があっても止まらない

中国の不動産バブル …… 38
インフレ抑制のため、中国の金融引き締めは続く …… 46
崩壊するのは中国ではなくヨーロッパとアメリカだ …… 49
中国の技術力が飛躍的に伸びている …… 52
最先端分野での技術力も急伸している …… 55
通信機器の分野でも日本は抜き去られた …… 58
中国は石炭で動いている …… 62
中国国内最大の石炭会社 …… 64
中国の物流を担うトラック運転手たち …… 66
飢えない限り暴動は発生しない …… 70
大都市部には空き家がゴロゴロある …… 72
需要を上回る過剰な建設ラッシュ …… 74
中国経済を牽引する裏マネー …… 78
10年で10倍、20年で100倍になった …… 83
バブル崩壊で半値になっても、まだ5倍の利益が残る …… 85
貧富の巨大な格差こそ中国経済の原動力 …… 87
300万円のバッグを買い漁る行動原理 …… 91
政治の目的は民衆を豊かにし、食べさせること …… 95
古い粗悪な鉄筋アパートは建て替えなくてはならない …… 100
日本にも中国と同様の腐敗が蔓延していた …… 102

第3章  中国は世界覇権国を目指し、
人民元の時代が到来する


資本主義が崩壊しつつある …… 108
世界は完全な統制経済体制になっていく …… 110
資本主義はなくなるのか? …… 112
2011年、北京、上海の不動産の下落が始まった …… 115
株式市場も引き締めが続いている …… 118
中国は経済成長を維持し続ける …… 121
資産家は不動産投資で生まれた …… 122
中国で激しいインフレが起きているというのはウソだ …… 124
“爆発戸”と呼ばれる石炭成金 …… 126
中国のエネルギーの根幹は今も石炭である …… 129
中国とアメリカのG2時代 …… 132
オバマの次はバイデンだろう …… 136
中国はまだ米国債を買い続ける …… 140
2012年から始まる習近平時代 …… 141
薄煕来は首相レースから脱落 …… 142
習近平の次の第6世代は周強と胡春華がトップ …… 148
江沢民が反日運動を主導した本当の理由 …… 149
北朝鮮とのパイプ役、張徳江という人物 …… 152
軍はまだ胡錦濤が握り続ける …… 153
日本海の時代が来る …… 154
トルコとイタリアの海底パイプライン「ナブッコ計画」 …… 159
カダフィが倒された本当の理由 …… 162

第4章  西部大開発により大きく発展する
内モンゴルの実情


フフホト~バオトウ~オルドス …… 166
内モンゴルのレアアース生産基地 …… 171
内モンゴル自治区の漢人はすでに80%以上 …… 178
90年代のモンゴル共和国の大飢饉 …… 180
中国全土の漢民族化が加速している …… 183
チンギス・ハーン陵墓 …… 186
遊牧民はほぼ消滅した …… 190
黄砂は内モンゴルから日本へ飛んでくる …… 192
世界各地で進む砂漠化を中国は解消できるか? …… 194
18世紀のGDP世界1位は中国だった …… 198

第5章  巨大な人口と消費が
今後も中国を支え続ける


内モンゴル暴動事件の真相 …… 204
中国の民衆暴動の実態 …… 208
人と産業の巨大な移動が中国の西部大開発 …… 212
社会主義的市場経済の実態 …… 214
大気汚染の問題もいずれ解決する …… 216
アメリカのハイテク日本企業たたきのめし作戦 …… 219
地下水による農業化、工業化は十分可能 …… 223
中国の株価はすでに十分に下がっている …… 228
地方の不動産価格はこのまま据え置きで止まる …… 230

付章 主要な中国株の代表的銘柄30 …… 233

◎中国は世界恐慌を乗り越える(アマゾン)

______________

[内容紹介]副島「中国」研究第4弾。 石炭、石油、天然ガス、レアアース…天然資源の宝庫・内モンゴル自治区、山西省での取材から、今後の中国の政治、経済の動向を読み解く。 中国経済は不動産、株価、賃金など、10年ですべてが10倍になった。しかし、バブルが起こっているのは不動産のみであり、中国経済は膨大な実需でインフレを乗り越えていく。よって、中国の成長が止まることはない。 迫りくるアメリカの衰退とともに起こるドル大暴落。ドルとのリンケージをカットした人民元は大きく上昇し、「1ドル=2元=60円」時代がいずれ到来する。その時こそ、中国が世界帝国となる。 2012年秋から始まる習近平総書記時代の中国の対アメリカ戦略、経済戦略を副島隆彦が分析し、日本の進むべき道を示す。 巻末に「中国経済の指標となる株式銘柄50選」を収録。 
ビジネス社 (2012/1/6)



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by yomodalite | 2012-01-24 09:24 | ビジネス・経済・金融 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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