マイケルからの伝言/松浦大覚

マイケルからの伝言

松浦 大覚/さんが出版



MJ本としては、ちょっぴり「今更」な感じではありますが『最後の黒幕』を読んで、朝堂院氏に興味をもってしまったので.....

本書は2010年の6月25日に出版されたもので、著者が、あの日の衝撃から1年をかけて想いを綴ったという内容になっています。

以下「マイケルとの約束」(序にかえて)から、省略して引用します。

《息子 マイケルに捧ぐ》という献辞を目にして、奇異の念を抱かれた人も少なくないと思う。「そんな資格が著者にあるのか」と、お腹立ちの向きもいることだろう。この本を手に取る多くの読者の、唐突な疑問にますお答えしなければならない。

読者のなかには私のことを、また私とマイケルとの関係を知っている方々もいるかもしれない。だがご存知ない方々のためにご説明する必要がある。(中略)

私がマイケルと初めて会ったのは、1997年9月のことだった。彼の動向にはメディアの目が四六時中光っていて、自由な行動がとれない。そんな環境におかれていて、マイケルは私と会いたいと熱望した。誰にも知られずに会うことは出来ないかと。それまでの私は、マイケルに特別な関心をもっていたわけではない。

私のもとには、相談事を持ち込んで来る人達が大勢いる。親しい人々から、政財界の著名人も少なくない。日本のみならず世界にそうした人々は大勢いた。国家元首級の人物もいるし、不当に自由を抑圧された民族のリーダーもいる。私は有名無名を問わず先入観を持って人と会うことはしない。だからマイケルが私に会いたいと切望していることを知ったときにも、その理由を調べる必要は感じなかった。何事も本人に会ってからの話だ。

当時私は、国賓待遇の外国の重要人物を非公式に入国出来る人脈とルートを持っていたので、マイケルの希望をいれて迎えることのできるように手配させた。こうして世界中のメディアに知られることなく、マイケルは極秘裏に来日した。(中略)

極秘来日で私と過ごした3日間、文字通り膝を交えて私とマイケルは語り合った。マイケルが私と会うことを切望した理由もわかった。それぞれの世界でやってきたことは、舞台こそ違え、目指す理念は同じものだった。

人類の平和と、差別のない社会の実現。自由を抑圧する巨大な権力に立ち向かう有志を支援すること。地球の環境を浄化し、子供たちには希望の持てる未来を用意し、国境や民族や人種を超えて愛に満ちた地球とするために何をなすべきか。さらには宇宙の法にまで話はおよんだ。(中略)

壮大なビジョンばかり話していたわけではない。彼は映画が大好きで読書家でもあった。私が主宰する空手道にも興味を示した。私が彼の目の前で空手の連動型を示すと、マイケルは即座にやってみせた。初回で私と同じ速さで寸分違わずやってのけたのだ。正直私は舌を巻いてしまった。人間のなせる技ではない。

素直に私が褒めると、マイケルは無邪気な子供のように喜び、ちょっと誇らしげに微笑を返して寄こした。そして「こんなふうに父さんに褒められたことは一度もなかったのに...」と言いながら、ふっと笑顔を曇らせた。打ち解けるにつれて彼は実にさまざまなことを何の構えもなく私に話した。まるで、私が実の父親のように。

そして、少しはにかみながら私にこう言ったのだ。

「あなたにもし、そのお気持ちがあるなら、僕がファーザーと呼ぶことを受入れていただけますか?」と。

もちろん私に異存はなかった。こうしてマイケルは、自ら望んで私の息子になったのである。血肉をわけた親子ではなかったが、心の絆で結ばれた父子になった。そして、私の実の子どもたちが世界中に50人以上いることを話すと、「ワォ!」と、それが口癖のマイケルは、心底驚いて「なんて素晴らしいんだ!」と感激しきりだったことを昨日のように思い出す。

マイケルは私の子どもと仲良しになりたいと望んだ。ファンの中には、彼が翌年公式来日したときに、常に隣にいた男の子を憶えておられる方がいるかもしれない。「謎の少年」と話題にもなった。その子は私の実子で当時12歳のリチャードだ。

私とドイツ系女性の間に生まれたハワイ生まれのハワイ育ち。その後もマイケルと文字通りのブラザーとして彼と幸せな日々を過ごした。だからマイケルの訃報には私以上に衝撃を受け深く悲しんだ。この本を執筆するにあたり、マイケルの音楽に関する事柄、ことに楽曲に関しては私より詳しいから、音楽シーンで特筆すべきことなどに進んで協力し、翻訳も行ってくれた。

マイケルと私の、世間からみれば秘密会見の内容は、翌年、公式に来日したときまでに発表可能な一部がまとめられた。そしてマイケルと私が同席したホテル・オークラの記者会見で発表されることになった。世界中から700人の報道陣が集まった。

さまざまな媒体でそれを目にし耳にした人たちも少なくないだろう。本文で改めて紹介するが、ここでは『日本と全アジアに於けるマイケル・ジャクソンの映像と画像の排他的独占権を朝堂院大覚に与える」旨の契約書を2人の合意文書として公表したことに留める。

朝堂院大覚とは、私が主宰する国家武道会議の総裁として現在も用いている名乗りで、本書の著書名は本名の姓・松浦と組合わせて新たな名乗りとした。

1998年の記者会見は、前年、私とマイケルらが語らった構想実現のための足懸かりとなるはずのものだった。親密な父子となった私たちは理想の実現のためにビジネス・パートナーともなったのである。その記者会見の時期、マイケルの言葉によって、私が「マイケルの日本の父」であることも公表された。また、親愛なる息子に空手の名誉段位も授与した。こうした経緯があるので、私が本書の献辞に息子マイケルと記したのも故なしとしないことが諒解していただけただろうか。(中略)

私の役割は、生前のマイケルが語った熱い思いを本書で届けることである。そして、それを果たすべく第一歩を踏み出すことにしよう。願わくば、本書を通読し終えた読者の方々が、マイケルの真意に触れ、時代に先駆けて出現した稀有な存在が導こうとした世界を共有していただければ、これにまさる幸せはない。

2010年6月吉日 東京新橋にて  松浦大覚

(引用終了)

第一章「心を開くマイケル」
・その日
・極秘来日
・白い肌の黒人
・膝を交えて
・そのときのマイケルの事情
・宇宙基本法・弱者救済・環境問題
・天啓
・ファーザーとお呼びしてもいいですか?


第一章は、極秘来日でMJと会い、2人が打ち解けて行く様子が描かれていて、この部分はコアはファンにとっても興味深い内容になっていると思います。これまでに多くの人が彼のことを語っていますが、それらと本書が異なるのは、著者が出資者として、マイケルに会っているところですね。

(もう少し踏み込んだ言い方をすると「借金をするときのMJ」がほんの少し垣間見られるということでしょうか。ただし、著者はそうは書いてませんし、自慢やそれをアピールする気持ちもないようで、もちろん額も書かれていないのですが、、おそらく数億円の出資はしているのではという「推測」を私はしています)

にも関わらず、著者が、MJから感じた印象は『マイケル・ジャクソンの思い出』の著者にも似ていて、さらに驚くのは、実際にMJに会っていない『私たちの天使』の著者以上に、MJに「神の子」を見てしまっているところなどは、

日頃から、MJを自分の神のように尊敬している私から見ても、彼の人心掌握術のスゴさにあらためて感心し、MJの「こんなふうに父さんに褒められたことは一度もなかった...」の「殺し文句」の効き目の裏側にある、今現在でも名誉が回復されていない、ジョーパパには、ますます同情したくなってしまいました。


第二章「闘うマイケル」
・98年の再開
・《マイケル・ジャクソン・ジャパン》と《ワールド・オブ・トイズ》
・リチャードからのメッセージ


第二章は、翌年98年の公式来日で再開したときの話から。MJは『インヴィンシブル』の制作中で、プリンスは1歳5ヵ月。パリスの誕生を電話で伝えてきたことや、著者が権利をもつと主張する、MJの日本における排他的ビジネスパートナーの正当性と、ローティーンの頃にMJに出会った、息子リチャードによる思い出。

第三章「語り継がれなかった自伝」
・自伝『ムーンウォーク』から
・《ジャクソンファイブ》
・75年の移籍
・激動の80年代
・逆風の決意
・ハーフ・タイム
・民族解放運動を支援する
・語り継がれなかった自伝・新たな地平線
・ネイション・オブ・イスラムへの傾倒

第四章「死の真相とマイケルの復活」
・突然の死
・マイケルは謀殺された
・復活 その意味するもの
・マイケルは死して復活した


第三章、第四章は、ファンにとっては、見知っている内容が多いと思います。ただ、著者は、マイケルの魅力について、まだあまり知らない人にも説明したいという意図が強く、自伝「ムーンウォーク」に書かれなかったMJの真意を掬いとろうされていることなど、その心情には、姉の『インサイド・ザ・ジャクソンファミリー』にも通じるところがあり、第4章で、著者が考える「死の真相」も、姉がMJの死の直後に抱いた感想と似通っているようです。

著者は本書で、マーレー医師を実行犯とし「故殺」に「共謀罪」を加えるべきだと主張。医師が雇われたときの経済状態に不信を抱き「MJの死によって誰が得をするか」と問い、MJが公演をこなすことが不可能だと莫大な損害を被らなければならない。その解決方法として、公演中止は不可抗力だと主張したかった勢力があり、損失に対する保険金詐欺も含めた計画的殺人だと考えておられるようです。

そういった意見は、著者だけでなく、多くの「死の真相」本(『マイケルに起きた真実』など)によって主張されていることで、本書はその件に関して、新たな調査や事実が加えられているわけではありません。

(このブログでは、それらの「真相」に関して、これまでも異論を述べて来ていて、もう一度、繰り返しにはなりますが。。)私もそういった考えが主催者側に全くなかったと考える方が「不自然」とも思うのですが、それでも、私が、それを「真相」だと思わないのは、

マーレーの行動があまりにも「計画的」でないことと、
それらの「計画」を、MJが「THIS IS IT」を決断する前に深く理解していたということ


という2点で、それは、著者が最終章で主張しているような「MJの預言」という点においては、相反する考えではないとも思っています。


第五章「マイケルは神の子か」
・MJは音楽を超えた
・MJの歌詞に秘められた預言(メッセージ)
・MJバイブル
・宗教を超えたウェーブ


すでに、目次からも、イッテる感じが「ビンビン」と伝わってきますが、そのせいでしょうか....私には、著者の気持ちが「すんなり」納得できましたので(笑)、特に納得した箇所を引用します。

音楽家以外のモーツァルトやベートーヴェンは語られない。プレスリーやビートルズは音楽家以外の栄光を保てるか。神の子と呼ばれたのはマイケルただ1人だ。

また、著者はMJバイブルとして、彼の歌詞を、大西恒樹氏の翻訳から(http://mjwords.exblog.jp/)『タブロイド・ジャンキー』『ブラック・オア・ホワイト』『マネー』『マン・イン・ザ・ミラー』『ヒール・ザ・ワールド』が掲載され、ここまで読んでくれた読者に提案として、(下記は省略引用)

MJが天分である音楽の才能を駆使して世の中に訴えかけたことを、行動に移すことだ。それは愛のウェーブを起こすことだ。手始めに私は、日本からそれを始めたい。それを世界中に広げていきたいと思っている。MJを失ってからの私は、深い喪失感の数ヶ月を過ごしたが、彼の意志を継ぐための「マイケル・ジャクソン・ムーブメント」を始めるべきではないかと考えた。MJを神輿にかつぐとなると、拒否反応を持つ人々もいるかもしれない。(中略)しかし、最終的にどういう名称になるかはともかく、私の中では、あくまで「マイケル.ジャクソンの世界を変えるムーブメント」なのである。(後略)

最後に「あとがき」からも、引用します。

マイケルの訃報を耳にした時の衝撃と、名状しがたい喪失感は筆舌には尽くし難い。涙さえ忘れてただ茫然自失して、長い時間を過ごした。深く辛いときには涙さえ出ない。泣きたくても涙は出なかった。涙腺が枯渇していた。血の涙を流すようだった。

わたしは虚ろな数日を過ごした。たぶん数週間。私はその時、掛け替えのないマイケルの存在に改めて気づかされた。その穴のあいた思いが今回の執筆のさなかに、至福で埋められていくような幸福感を味わった。(中略)

私に私欲などない。それは私の人生遍歴を読んでもらえれば理解していただけると思う。言葉のイメージから私が標榜しようとする「ムーブメント」にアレルギーを抱く人がいるのは承知の上だ。しかし、マイケルが、既成の宗教によって解決しえない現状に、新たな「愛の園」の必要を説いた。なればこそ私は、真実の世界平和のためのムーブメントの実現を約束する。それがマイケルから託された伝言なのだ。(中略)

マイケルは、明治時代に世界的ベストセラーになった新渡戸稲造の「武士道」を愛読していた。驚くべきことに「葉隠れ」も読んでいた。日本人の多くが「武士道は死ぬことと見つけたり」を曲解していたのに、マイケルは、すなわち武士とは、いつ死ぬか分からない、それを日常の心得として、毎日を生きる。いわば生きることの有難さを感謝して生きるという反語なのだということを、自分の生き方に投影していた。(中略)

マイケルはサムライの精神を持っていた。武士道の精神的支柱は「仁・義・礼・智・信」の五常の徳目である。「仁」はつきつめれば他者への思いやりだ。「義」は弱者を見捨てず、勇気を持って力のない人たちになり代わり、正義を行うことだ。「礼」と「智」は今更説明の必要はないだろう。「信」こそはマイケルを愛する者とマイケルの絆だ。もうお解りだろう。すべてがマイケルの生き方に当てはまる。

復活したマイケルが、打ちひしがれた私を励まし、日本を世界に向けて再始動する拠点とすることを願ったことは故なしとしない。それを託された私は、「ただ行動あるのみ」なのだ。マイケルの復活によって、私も蘇生した。ありがとう。マイケル。   
2010年6月吉日  松浦大覚

(引用終了)

引用した部分以外でも、著者は、マイケルの名前を利用していると思われることや、彼を神輿にかつぐことの、拒否反応をよく理解されていて、自分よりも詳しいファンへの気遣いなども感じられ、「黒幕」「フィクサー」と言われるような人物とは思えないような謙虚さも、本書全体から伝わりました。

たぶん、朝堂院氏は、それらの誤解を、マイケル以外の活動においても、常に経験されているからでしょう。私はこの「謎の人物」に対し、ますます興味をもちました。

とはいえ、朝堂院氏の日本での権利に関しては、やはり「ハラハラ」すると言うか、MJエステートが一括している方がいいように思え、そのあたりの私の感情は、大好きなラトーヤへの感情とも近いような....

◎MJエステート、日本で2件目の主張と争う

また、朝堂院氏が本書でも使用している「空手道本庁 総裁」という肩書きですが、空手有段者の我が家のダーリンは『最後の黒幕』を読了後、Youtubeで動画を見まくり、氏のモノマネがすごく上手くなったのですが(笑)、道場生の前でやったところ、誰も朝堂院氏を知らなくて
(笑)、今のところ、私にしかウケないことを残念がってます(笑)


「国士」の伝統と歴史を感じさせる「演説スタイル」なんですが、
平成の世ではキビシーかなぁ。。。
◎NEWS TODAY 2011.10/12詐欺年金 朝堂院大覚 激怒part1

◎マイケルからの伝言(アマゾン)


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Commented by jean moulin at 2012-01-18 17:29 x
yomodaliteさん、紹介どうもありがとう。
関連本はもういいかなって思ってたんだけど・・。
予想以上に素敵な本で、お宝本の1冊となった「マイケル・ジャクソンの思い出」と近い視点もあるようだし、yさんの解説のおかげで、興味津々、やっぱり読んでみる事に

でも、こういう一見異分野の人同士も一瞬で通じ合えるって、やっぱりすごい人はすごいのね。

yさんのダーリンて空手有段者なんだね。すごい!しかも、そんなおもしろい事してくれるなんていいなあ。

桜庭一樹さんの本も出たみたいね。読む?
Commented by yomodalite at 2012-01-18 21:35
空手関係者にあんまり知られてない「総裁」だし、私はフィクサー好きだから「一応」読んだけど、、、(桜庭氏の本はもちろん読みます)

どーゆーわけだか、そんなに薦めてないときに限って「読みます」コメントが来ることが多いような....不思議だなぁ(笑)

もうすぐ、完璧に「Must Read」本、紹介するからね。
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by yomodalite | 2012-01-16 16:33 | ☆マイケルジャクソン書籍 | Trackback | Comments(2)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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