カストラチュラ/鳩山郁子 

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笑える本が読みたい。それから、面白いマンガも読みたい....最近の私の読書傾向からは、そんな気配は全然感じられなかったかもしれませんが、求める気持ちはすっごくあって・・・でも、マンガに関しては「笑える本」よりもアンテナ張ってなくて、図書館も、立読みも利用しにくいというハンデがある、マンガの世界は常に接していないと見つけるの難しいよね・・・と思っていたところ、友人から突然、『カストラチュラ』面白いよ!という、シンプルなメッセージが。

マンガへの思いが「飢餓状態」だった私は、アマゾンでその美しい表紙に魅せられ、内容もよくわからないまま速攻「ポチ買い」してしまいました。(「シノワズリ」ってもう大好物なの....)

届いた本は、表紙だけでなく中身の絵も美しく、ページを捲ると、美しい装飾が施された2足の「纏足靴」に目を奪われました。


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この絵は『カストラチュラ』ではなく、同じ作者の別の作品から。



そして、その物語は.....


舞台は中国(おそらく)、寄宿学校のような場所で暮らす少年は、教師の質問に答える。

教師 革命により、ついに民主化を勝ち取った当時の人々はしかし、生活と密接に関わるある普遍的習慣に対して嫌悪の意義を申し立てる事をなったのだ。
その習慣とは何か?答えなさい

少年 はい。他の生き物の生命を屠り、消費する文化です。


古本屋で見つけた宮廷料理の本に魅せられている少年は、ある日、旧王朝時代の遺物、宮廷去勢歌手(カストラート)の公演を劇場で見ることになり、纏足し去勢をしているカストラートのありえないほど膨らんだ肉体と歌声に、徐々に惹かれるようになり.....



最初の方は、私の「シノワズリ」好きを覚えていてくれたのねとか、思いつつ読み始めたんですが...(登場人物が大好きなヘレンドの「ポアッソン」でお茶してたしぃ)でも、なかなか、物語のパターンが見えてこないことに、そわそわして、調べてみたところ、カストラチュラ(castratura)は、イタリア語で「去勢」という意味らしく....

最後まで読んで、まさか、こーゆー話とは思わなかったというストーリー展開というか、その世界に驚いてしまいました!

◎《参考サイト》「うな風呂」

確かに、上記の素敵なブログに書かれているように、時代設定も、ストーリーも、主人公すら不明で、作中でなにが起こっているのやらさっぱり意味がわからない。とか、ネームも小難しく、難しい言葉を使えば雰囲気出るだろう的で、漫画をサブカルとして捉える人が好みそう.....

と言われても、仕方ないような「作品」ではあるんですが、

でも、難しい言葉をつかって「サロン的な教養」をひけらかす「グロテスクさ」とは違って、作者は「グロテスクな美」への思いが真剣で、すっかり興奮して調べてみたところ、鳩山氏は、長野まゆみ氏の著作の装幀を何冊も担当した方で、この作品は、あの皆川博子氏が「自分で小説にしたい作品」と絶賛しているとのこと。

やっぱりね。。。(だって、本物だもん....)

私は、この作品の続編というか「番外編」とも言える『シューメイカー』もポチしてしまいました。

でも、ものすごく読者を選ぶ作品なので、お好きな人のみという感じで...「グロテスクな美」と言ってしまいましたが、鳩山氏は、古くは、大島弓子、高野文子に通じる「画風」で、また、その退廃美は「やおい」でも「BL」でもなく、エロい描写もほとんどないんですよね....

下記の参考サイトで気になった人のみ、お薦めします!

☆参考サイト

◎「関心空間」
◎「誰かの雑記帳」何となく村上春樹の小説を思い出した

☆下記は、ペヨトル工房の雑誌群(「夜想」「銀星倶楽部」...)や、
『JUNE』『ガロ』などに興味があった方が読むと、ちょっぴり面白いかも。


◎真実から眼を背けることで想像力を掻き立てるマンガ家・鳩山郁子 vol.1
◎真実から眼を背けることで想像力を掻き立てるマンガ家・鳩山郁子 vol.2
◎真実から眼を背けることで想像力を掻き立てるマンガ家・鳩山郁子 vol.3
◎真実から眼を背けることで想像力を掻き立てるマンガ家・鳩山郁子 vol.4
◎真実から眼を背けることで想像力を掻き立てるマンガ家・鳩山郁子 vol.5
◎真実から眼を背けることで想像力を掻き立てるマンガ家・鳩山郁子 vol.6
◎真実から眼を背けることで想像力を掻き立てるマンガ家・鳩山郁子 vol.7


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by yomodalite | 2012-01-11 11:21 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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