横浜トリエンナーレ(11月の思い出)

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写真は、リヴァーネ・ノイエンシュワンダーの作品「Prosopopoea」。
文字は、わたしが心に思ったことを並べたもの





(『桜庭一樹読書日記―少年になり、本を買うのだ』より)帰宅して、なにを読もうかなぁと積み本を眺めていたら、なにか急に、怖くなる。東京に戻ってきたので新刊がいくらでも手に入るのだが、いや、自分の本も出たときは新刊なのだが、新たに出る注目の本ばかり追いかけると、まるで流行りのJ-POPを消費する若者のような心持ちで読んでしまう気がして、手が止まる。

こういうことを繰り返したら、作家も読者も聞き分けがよく似通った、のっぺりした顔になってしまうんじゃないか。みんなで、笑顔でうなずきあいながら、ゆっくりと滅びてしまうんじゃないか。駄目だッ。散らばれッ! もっと孤独になれッ! 頑固で狭心で偏屈な横顔を保て! それこそが本を読む人の顔面というものではないか? 

おもしろい本を見せておいて「でも君には難しすぎるかもね」なんて口走って意中の女の子をムッとさせろ! 読もうと思っていたマニアックな本が、なぜかすでに話題になっていたら、のばした手を光の速度でひっこめろ! それぐらいの偏屈さは、最低限、保たなくては……。

みんな、足並みなんか、そろえちゃ、だーめーだー……。古い本を! 古い本を! むかしの小説を! 読まないと死ぬゾ。(引用終了)


「読まずに死ねるか」って、自分にだけ言い聞かせるんじゃなくて「読まないと死ぬゾ」っていうメッセージが送れる桜庭一樹って、ホントにスゴいひとだと思う。

わたしは、古い本を読んでいる方が、まだまだ死にそうなんだけど.... 
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毎回欠かさず行っている横浜トリエンナーレ、2011年は閉幕ギリギリに行った。

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ヨーコの電話に並ぶ。残念ながら「お電話」は受けられず。でも、少女時代からのファンだから、もし、電話があったら、何をしゃべろうかと、すごくドキドキして考えてしまう

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ジョン・レノンは『イマジン』を、ヨーコの『グレープフルーツ』という本にインスパイアされたものだと語っているのだけど、それは、ヨーコの本を読んだ人なら言われなくてもよくわかる。『グレープフルーツ』には日本語本はないのだけど(たぶん)、1970年版の『グレープフルーツ』から、言葉を選び直し、日本の写真家の写真を添えて、出版されたのが、 『グレープフルーツ・ジュース』

この本から、いくつか「詩」を選んで、ここに記録しておこうと思ったんだけど、、
全部いいの。。。(下記は、短いのに限定して選んだもの)




録音しなさい。
石が年をとっていく音を。




月に匂いを送りなさい。




盗みなさい。
水に映った月を、バケツで。
盗みつづけなさい。
水の上に月が見えなくなるまで。




この本を燃やしなさい。
読み終えたら。





ぼくがこれまでに燃やした本の中で、
これが一番偉大な本だ。 ー ジョン・レノン 1970




「空の美しさにかなうアートなんてあるのだろうか。私はただ私でありたい、
そう思って暮らしてきただけだ。」
(『ただの私』より)
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Commented by Jean moulin at 2011-12-09 18:13 x
「横浜トリエンナーレ」行ってきたのね!
著名な作家さんが多いとはいえ、こういう展覧会に30万人以上の人が足を運んだっていうのは、なんだか素敵・・。
迷ったけど英語版「グレープフルーツ」注文しちゃった。
yomodaliteさんのおかげで読みたい本が増える・・。
「闇の奥」は当面yomodaliteさんに任すね。
やっぱりああいう本は、学生時代に読みたいものよね。
Commented by yomodalite at 2011-12-10 12:31
英語版「グレープフルーツ」私が持ってるのと同じ版形かなぁ。。グレープフルーツを正方形にしたぐらいの大きさなんだけど、部屋に置いておくだけで、ずっと香気が失われることがないの。

「闇の奥」は、特にお奨めしたくはないんだけど.... でもさ、私は、ブランドが「自分を見失いそうになるまでのめり込んだ」って言ってる役が、ここまで評価されてないことを、見逃すことなんて出来ないじゃん?

もう、ホントそれだけだと思う(あらためて思うと。。)

それと、藤永氏の本は、その告発について私は何も言えないけど、、なんか、もう、ああこの時代の物理学者の人って、ホントエラい!スゴい!っていう感動で胸がいっぱいになって、書いてるあることは人間の残酷さに関することなんだけど、

書いてる人の魂がキレイだから、すごく浄化されて....
Commented by jean moulin at 2011-12-12 17:37 x
うん、同じだと思う・・。すっごい素敵な本。なんか、泣きそうになる・・。やっぱりオノ・ヨーコさんってかっこいいね。
ねえねえ、yomodaliteさんの「グレープフルーツ」香りがするの?私の紙のにおいしかしないんだけど。

「ブランド」ブームから奥の奥まで行っちゃうところが、yomodaliteさんだよね。ふふ
「書いてる人の魂がキレイだから、すごく浄化されて」って、こんな風に感じられる事に出会えるって、とってもいいね。
Commented by yomodalite at 2011-12-12 23:01
>「グレープフルーツ」香りがするの?
ごめん。話しを盛ったつもりはなかったんだけどw、ついヨーコのことが好き過ぎて、調子に乗って、詩的に表現し過ぎちゃった(てへ)

>「ブランド」ブームから奥の奥まで....
うん....すべては「You Rock My World」の謎を追って、そこまで辿りついたんだよぉ....誰にもわかんないと思うけど、、実はこっそり「自分で自分のこと褒めてた」(照)

>書いてる人の魂がキレイ....
でもね....やっぱり「闇の奥」だから、そこで、F先生の尊い精神に会えなかったら、なかなか帰ってこられないっていうか....T氏はもともと魑魅魍魎の世界の住人だから、なにが「闇」かも、なにが「虚ろ」かもわからなくて平気なのかもしれないんだけど....F先生は、きっと少年の夢を叶えて物理学者になったような、本当に「学問」をしてきた人だから、謎の追い方が真っすぐで....(つづく)
Commented by yomodalite at 2011-12-12 23:02
わたしは、ブランドがコンラッドの闇からカーツを創造していった道を検証していて、F先生は、コンラッドの闇の奥の奥を探求されているんだけど....

その成果は、わたしの眼から見ると、ブランドのカーツに行き着いているように見えて....書き終わってから、気になって、F先生のサイトで質問してみたら、本から感じた清冽な精神と同様の素敵な返信が来て....また、泣いちゃった。とにかく、なかなか説明できない話だから、必死でw冷静を装うと思ってたんだけど...全然クールダウン出来ないみたい.....

アフリカのwildernessだけじゃなく、ホフマンもデュマも、チャイコフスキーや、ヘッセの「BLACK FOREST」も....MJは、ありとあらゆるロマン派の系譜の先端に自分がいて、

それで「音楽とダンスに関して、人々がこれまでみたことがないような映画」って言えたのは、MJが「完全に戻ってこれるひと」だからで、だから、子供にも怖い話しが出来るというか、しなくちゃねって思ってたんじゃないかなぁ。
Commented by jean moulin at 2011-12-13 17:48 x
そっか、私も、「グレープフルーツ」の香気が漂うよう大切に読もう。

アメリカ人にとってのアメリカ万歳のエンターテイメント映画には、ブランドの30分は不必要だったんだろうね。

MJのホラー、初めて読んだ時、どうしてこんな怖い話を作ったの?と思ったけど、あらためて、
「You Rock My World」→「マーロンブランド」→「地獄の黙示録」→「闇の奥」→「闇の奥の奥」→「MJのホラーストーリーの黒い森」と考えたら、鳥肌立っちゃった。(Tさんは好きでないので、するー。ごめんね。)これすごい。yomodaliteさんすごい!MJの抱えていた「黒い森」。アメリカ社会が抱える「闇の奥の奥」。本当にMJが戦っていたものが何か、そして、やっぱりMJは勝者だった事が、明確になって行くかも。yomodaliteさん、本書いて!

で、yomodaliteさんMJトリビュート行く? てか、行った?
Commented by yomodalite at 2011-12-14 00:48
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by yomodalite | 2011-11-29 09:58 | 日常と写真 | Trackback | Comments(7)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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