昭和天皇伝、迷いと決断、ハリウッドエンジェル....

昭和天皇伝 (文春文庫)

伊藤 之雄



主要参考文献のページが、未刊行、刊行、新聞・雑誌、単行本、論文などに分類されて、8ページ、人名索引も16ページもあり、これまでの著者である、豊下楢彦、ハーバート・ビックス、保阪正泰、原武史.....が著した内容や、米内光政氏、牧野伸顕氏など、主要な発言の要旨を知るのに非常に便利で、また、これまでに昭和天皇について、それなりに読んできた人にとっても、これが初めての人にとっても、著者の見解はバランス感覚に優れているので、リファ本として家に置いておくには最適かも。

読書の興奮を感じさせるような面白さはまったくありませんが、同じく、一流大学教授である豊下楢彦氏が、何年も研究を重ねて得た結論とか、新聞社出身だと、これで賞がとれるの?!など、どうしても裏を感じさせずにはいられないほど、不可解な原武史氏の本のように、昭和天皇本にありがちな「疲れ」を感じる点が少なく、

公金で運営されている大学関係者の本として、最後に(静かに)登場するのに相応しく、わたしは「昭和天皇本」は、これが「最終ヴァージョン」というか、もう、これ以上読まなくてもいいかなと思いました。

[参考リンク]社会科学者の時評


ハリウッド・エンジェル―失われた少女時代を乗り越えて

ドリュー バリモア,トッド ゴールド



ドリュー・バリモア(1975年2月22日魚座)は、ジョニー・デップが「神」と称した ジョン・バリモア(代表作『グランドホテル』デップも演じた『ドンファン』など)を祖父にもち、MJの大好きな映画『ET』(1982)の子役として(当時7歳)芸能界で成功した後、10歳でマリファナ、12歳でコカイン中毒に苦しむ。

本書では、アルコール・薬物依存矯正施設での体験が赤裸々に語られていますが、施設での治療に助けられ、順調に回復したという結末ではなく、むしろ、治療の困難さが語られている点が興味深い。

原書は1990年に出版された『Little girl lost』。わたしは、薬物依存、チャイルドスター、『ET』、ジョン・バリモア、両親との葛藤....などの興味で手にしたので、興味の範疇とも、共感とも少しズレてはいたものの、スピルバーグの話は少し面白かったかも。。

アルコール中毒で、離婚し別居している父親、女優で自分のキャリアと、子どもの芸能生活に悩みつつ同居する母親との葛藤、本書では、自らのキャリアを捨て、ドリューのマネジメントに奔走する母親に対して愛情深く語られていますが、本書の続編では(未読)、その後の14歳での自殺未遂に対し、母親を原因とし独立を訴えるなど、この後も、10代にして、ドリューの波乱の人生には、まだまだ、続きがあった模様。

迷いと決断―ソニーと格闘した10年の記録(新潮新書)

出井伸之



1995年にソニーの6代目の社長に就任した出井氏が、CEOを退任して1年を経過した後に書かれたもの(2006年11月執筆終了)。MJの90年代を復習するための副読本として読んでみる(呆)

出井氏は「はじめに」で、コンシューマー・エレクトロニクスの全盛期が過ぎ、インターネットの時代が胎動しようとする中で、事業のフィールドを拡大し、重心を移行して、ネット社会に適合できるような方向へ会社を転換していく必要があり、社長就任当初から、伝統的AVでビジネスをしてきたソニーにITの事業を加えようとしたわけですが、90年代も後半に差し掛かると、パソコンの粋を越えて、インターネットのインパクトがだいぶ明確になり、ネットのインパクトの大きさを見誤って変革を起こせないままだったら、ソニーといえども恐竜のように絶滅の運命をたどっていたかもしれません。と語る。

00年に、ソニーの3つの子会社、ソニー・ミュージックエンターテインメント、ソニーケミカル、ソニー・プレシジョン・テクノロジーの上場を廃止して、ソニーの100%子会社とした。特に抵抗を示したソニー・ミュージックの業績はきわめて悪く、同社の利益の大半を占めていた、ソニー・コンピュータの株を買い占められたらという懸念が深刻だったことなど。。。

出井氏が「スティーブ・ジョブズの死はマイケル・ジャクソンと似たところがある」と言ったことに、直接繋がる表現はないものの、グローバル企業のCEOには、気の休まる暇がなく、睡眠導入剤の選び方と飲み方を熱心に研究し、厳しい自己規制を設けたものの、なかなか上手くいかなかった体験なども印象に残りました。

「MJの90年代」と「ソニーウォーズ」を考え直してみるのに簡単に読める副読本かも。


キッシンジャー―世界をデザインした男〈上〉

ウォルター アイザックソン



『スティーブ・ジョブズ』の著者の、1994年出版(国内)の本を思い出して読んでみる。国際政治学者が、有能政治家になることは、海外ではよくあることですが、思想・哲学分野においても、重厚な知識を備えた歴史観の持主である、キッシンジャーに魅せられる、優秀な日本人が多いのは、ホント仕方がないというか、きっと、初めて「メンター」に出逢ったような気分なんだと思う。

どんなに、小室直樹が天才であっても、彼をメンターにする限り「国際政治」のアクターになれない。。。当時よりさらに、落ちた日本の大学の知性では、差が歴然すぎて、どうにもならなさそう。

すでに「上巻」で、その重みにぐったり(内容が濃いという意味ね)

ネットで英文ばかり読んでると、眼を縦に動かすスピードが遅くなるし、古典の翻訳本も素早く読めないせいか、読書スピードが遅くなったような気がする。どーしよー。。


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by yomodalite | 2011-11-28 16:17 | 読書メモ | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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