放射能のタブー/副島隆彦、SNSI副島国家戦略研究所

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本書は、『悪魔の用語辞典』『日本のタブー』につづく、副島国家戦略研究所(SNSI)による『悪魔の用語辞典』シリーズ第3弾。

副島氏は「まえがき」で、この本は読書人に向けた本だと言っている。

たしかに、もう一般のひとは「放射能」について考えたりしていないのかもしれない。普通のひとは、ものごとに真実なんか求めてないし、放射能について、特別怖がっている人を見ると少し醒めた感情を抱いてしまう人が、今は「普通のひと」なのかもしれない。私は普通よりかなり「臆病」ですし「真実」も知りたいので、2011年3月11日以降、つくづく読書好きで良かったと思う。

もし、小室直樹から「アノミー」を教えてもらっていなかったら....『ショック・ドクトリン』をいう言葉を知っていなかったら....山本七平の『「空気」の研究』を読んでいなかったら....わたしは、きっと「放射能コワいコワい派」の人になっていたと思う。

本書で、副島氏は多くの専門家を批判していますが「筆誅」として、厳しく批判したのは、武田邦彦、小出裕章、広瀬隆、児玉龍彦の4人。特に、対談本も出版した武田氏に対しては「諧謔の精神と冷笑だけで生きてきた人」と最上級の厳しい評価。

『原発事故、放射能、ケンカ対談』は「ケンカ」という言葉から、日本の議論にありがちな感情的なものを想像される方も多いと思いますが、本書はアマゾンレヴュアーの感想からは、かけ離れた非常にレベルの高い対談集で、武田、副島両氏の素晴らしさがよくわかる本です。また、この対談集を読まれた方は、本書も併せて読まれると「対決」がより鮮明になると思います。)

わたしは、小出氏、児玉氏の本は読んだことがありませんし、武田氏に諧謔の精神があるのかどうかはわかりませんが、武田氏のこれまでの環境問題に関する著書にも見られた、データの運用には、読書人に対する姿勢の甘さだけでなく、氏のバックボーンに原因があり、今回はそれが最悪な結果を生んでいるのではないでしょうか。

また『赤い楯』『持丸長者』の著者である広瀬隆氏が「シニカルな視点」で、再度この波に乗ったことは想像に難くないですし、広瀬隆氏同様に、『患者よ、がんと戦うな』の近藤誠氏の今回の態度も、同じ人間としてよく理解できますが、

だからこそ、より一層、副島隆彦への読書人の信頼は増しているのだと思います。

以前、こちらの本を読んだ時もそう思いましたが、

マイケル・ジャクソンと副島隆彦に出逢えて本当に良かったと心から思う。

マイケルの音楽と人間性の素晴らしさは、本を読んでいなくてもわかったと思いますが、彼が最後まで、一番売れることにこだわったことの凄まじさは、読書経験でしかわからなかったと思う。

そして、それを、わたしが感じることができたのは、
副島氏の著作とその根底にある「愛」からでした。


今回の原発問題で、すでに「除染」が巨大な利権になっていることに気づいている方は多いでしょう。(そして、その利権が今まで原発を推進してきたメンバーと同じであることも....)

本書は「放射能の健康問題」だけでなく、環境問題が「環境ビジネス」だったことを、もっとも先鋭的に1冊の本に凝縮した『エコロジーという洗脳 ー 地球温暖化サギ・エコ利権を暴く[12の真論]』のSNSIの著作なので、

原子力の平和利用という原発の始まりから、他にも、公害対策で、次々に官僚が利権(権限)をつくり出していった歴史までが、普段それほど読書ができない、忙しい人にまで届くように凝縮された内容になっています。

私と同様、数値が苦手な人は、まず、冒頭のロシアの安全保安院のような組織の副院長であるアルチュニアン氏と副島氏の対談と「放射線の規制値に科学的根拠はない」という大川治美氏の文章を是非読んでみてください。

自分や子どもの健康問題としてだけでなく、今後、被災地への理不尽な差別を無くし、以前よりももっと美しい場所にするために、日本国民必読の書だと思います。

☆☆☆☆☆(満点)

◎著者の1人である中田安彦氏による内容紹介
◎『放射能のタブー』(アマゾン)

以下は、副島氏による、本書の「まえがき」(省略して引用)

2011年3月12日に、福島で原発爆発・放射能漏れが起きた。それからもう半年以上が経った。いまごろ放射能についての本を出しても売れない。どうやってみても売れない。そのこともわかっている。

本屋にはすでに放射能関係の本がたくさん並んで、そして消えていった。それでもようやくにしてこの本は出来上がった。それは、放射能漏れの大事件に私たちが身をもって直接関わったからである。私たちSNSIは、遠くからの傍観者の集団ではない。福島の原発のそばにまで行きました。現地に行きもせず、遠く遠くのほうから知ったかぶりをして「放射能はコワイコワイ」「危険だ」「子供たちが危ない」と騒いだ人々がたくさんいる。今もほんの一部だが騒いでいる。

「福島になど行く必要はないのだ」と言い放った原発・放射能の専門家たちがいたのには驚いた。私は許し難いことだと思っている。放射能、原子力発電についての専門家であれば、何があろうと絶対現場に駆けつけなければダメである。現地に居続けなければいけないのだ。それが専門家〔エキスパート〕というものなのだからだ。このこともわからず、遠くのほうから知ったかぶりで放射能の恐怖や危険を盛んに書いて煽り立てた人々がいる。それらすべてと、この本は闘う。

本文中の各所で低線量の放射能の恐怖をさんざん煽った者たちの名前を明記する。ここで断言しておくが、それらの代表は武田邦彦、小出裕章、広瀬隆、児玉龍彦の悪質な四人組である。この四人が“放射能恐怖煽動の四人組”である。(中略)

彼らは放射線の人体・健康への被害の本当の専門家ではまったくない。放射線(あるいは放射性物質)について、学者として何十年もの長い経験と思考を重ねてきたのは、放射線医学者たちである。長崎大学医学部教授の山下俊一、広島大学医学部教授の神谷研二、東京大学医学部準教授の中川恵一たちである。そして彼らの先生が、長瀧重信氏(放射線影響研究所元理事長)と佐々木康人(日本アイソトープ協会常務理事)である。

彼らの今回の大事故の直後からの誠実な活動と責任ある発言を、私たち日本国民は褒め称えなければならない。彼ら医学者たちの主張に深く耳を傾け、彼らの指図と指導に日本国民は冷静沈着に従って行動するべきである。そしてこの国の大災害からの復興を、指導者層と国民が団結して推し進めなければならない。これが、この本の結論である。

彼ら賢明なる放射線医学者たちの主張についても、この本の中で概略取り上げる。彼らは御用学者ではない。東電からたくさんの金〔かね〕をもらってきた小宮山宏(東大元総長、原子力委員長、東大工学部名誉教授、現在も東電の監査役)を頭目とする原発工学者の極悪人たちとは根底から異なる。

私たちは、放射線の人体への被害についての専門家ではない。なんの専門家でもない人間たちが専門家のフリをして偉そうにあれこれ語ると、それ自体が虚偽を生む。虚偽を撒き散らかすために一冊の本を編んではならない。しかし、「放射能コワイコワイ」派の連中がすでにあまりにも多くの虚偽を雑誌記事などで大量に撒き散らした。しかも、それを恐るべきことに、彼らは科学(サイエンス)の正しい知識のフリをして撒き散らした。(中略)

「目に見えないから怖い」という奇妙な合い言葉は、どう考えてもこれは宗教体験である。あるいは、ある特定の信仰にドップリと入信していく人間たちの姿そのものである。すなわち、「科学のフリをした宗教」である。

厳密なサイエンス(science、本当は近代学問と訳すべき)のフリをして、それなりの根拠に基づいて主張しているフリをした者たちが輩出した。(中略)自らの名前をもって「専門家」と称してあれこれ週刊誌等に書いた者たちは、後々徹底的に事実検証〔テスティフィケーション〕されなければならない。(中略)

放射線の人体と人生への影響と危険〔リスク〕について研究する放射線医学の専門家でもない者たちが恥知らずにも、いまも日本国民に放射能の恐怖を煽動している。(中略)

「賞味期限切れ」という言葉が近年わりと流行っている。原発・放射能の問題は出版ビジネスとしてはどうやらもう飽きられて賞味期限間近である。だが、それでもなおこの現状にしつこく食らいついていって、大きな真実を暴きたてて、本当の真実が細々とでも世の中に伝わり広がらなければならない。この私たちの決意を支持してくれる少数の本当に優れた読書人たちが全国に散らばって居てくださる。(中略)
 
私はこの事態をこの半年、凝視し見据えながら不愉快でならなかった。そして、現にほんの微量の、なんの人体被害もない(ないどころか、健康にいいとする学説もある)放射能を過剰に恐怖する者たちとの戦いはこれからも続く。(中略)

 この本では、私の学問道場の研究員たちが15人、論文を寄せた。一人一人の味わいが出ている。今も福島第一原発から21キロのところに開設している私たちの福島復興活動本部(田村市都路)からの現地報告の活動日誌も載せた。それぞれに面白い趣向を凝らした文章である。我々の学問道場は一切のタブー(禁忌)のこの国への蔓延を恐れない。それに立ち向かう。ひたすら「大きな枠組みのなかの諸真実を暴き立てること」に向かってさらに突き進む。この一筋の道以外に、私たちの学問道場が生き延びる活路はないと心得る。ー 2011年10月2日 (引用終了)

_______________________________

[出版社/著者からの内容紹介]今の超微量の放射線量では人体の健康に与えるリスクはない。放射線医学者なら誰もが知っているこの明確な事実を無視し、彼らを「御用学者」と貶め、無知な大衆の恐怖心を煽った似非専門家たちがたくさんいる。しかも、彼らは本当の専門家でもないくせに、専門家の名を騙り、科学のようなフリをしてその煽動言論を行った。本書はそれらすべてを許さない。それらすべてと徹底的に闘う論争の書である。

「目に見えないから怖い」という奇怪な合い言葉のもと、放射能に関する多くの無用で、有害なデマゴギーが跳梁跋扈した2011年の日本。原発事故直後から現地福島で復興活動本部を立ち上げ、体を張って現場で活動してきた著者たちが、放射能に関する従来のあらゆるタブーをかなぐり捨て、本当の真実を暴露する。

チェルノブイリ原発事故の公職の専門家、ロシア科学アカデミーのR・アルチュニアン氏をゲストに迎えた編者・副島隆彦との巻頭対談では、チェルノブイリ原発事故で本当は何人の人が死んだのか、衝撃の事実が明かされる。
そして、広島、長崎の原爆の真実、JCO臨界事故の真実、そして、いま福島で現に起きていることが何なのか、圧倒的情報力と分析力で論及する。

なぜ、超微量の放射線にもかかわらず、20キロ圏内は封鎖されねばならなかったのか。そこには原発推進勢力の恐るべき企図が隠されていた事実も明らかにされる。この本は、単純な、原発に賛成か反対をめぐる本ではない。核兵器による唯一の被爆国である日本が長年抱え続けてきた「放射能のタブー」に初めて切り込んだ、全国民必読の啓蒙書である。 KKベストセラーズ (2011/10/26)




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by yomodalite | 2011-11-01 10:26 | 311関連 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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