作家の手紙/北方謙三、小池真理子、中村うさぎ 他

こちらは、作家の手紙を紹介した本ではなくて「手紙」という形式でのアンソロジー。36人の作家による、個性全開の手紙文が楽しめます。

テーマは「別離」「恋」「断り」「ファンレター」など、実際に役立ちそうなものから、役立ちそうにないと思われて、意外に「使えそう」なものから、絶対に使えないけど、面白いものまで、さまざまで、ひとことで言えば、本書は「とても素敵な本」です。

最近、古典ばかり読んでいるせいか(古典の感想ってブログに書けないね)、参加されている作家の方には、私にとってなじみのない方も大勢いましたし、一般的にも知名度に差があるラインナップになっていると思うのですが、

本書での内容の面白さは、知名度に比例しないというか、むしろ、そういった知らない作家さんの個性を、本書で知ることが出来ることも、楽しみのひとつだと思いました。

きっと読みたくなる36人の「作家の手紙」は、以下。



「別離の手紙」
◎去って行った恋人に贈る手紙/小池真理子
◎人間でないことがばれて出て行く女の置き手紙/峰飼 耳

「恋の手紙」

◎ある女子より。牛乳配達のお兄さんへ。/中村 航
◎タイプだと思った相手に交際を申し込む手紙/中村うさぎ
◎霧の流れる何処かの都市(きみ)へ/菊池秀行

「断りの手紙」
◎一方的に自作小説を送りつけてきたファンへの手紙/奥田英朗
◎相手の妻が読むことを想定して、
同窓会で再開した初恋の男からの誘いを断る手紙/新津きよみ
◎読者からの交際を申し込まれたが、事情があり、それを断る手紙/盛田隆二
◎申し込まれた借金を断る手紙/楡 周平

「ファンレター」
◎永遠なるエヴァ・バルトークさま/逢坂 剛
◎エイリアンさまへの手紙/五條 瑛
◎真偽は定かではないが、巨人軍監督就任を打診されているという
噂の原辰徳氏への手紙/日向 蓬

「苦情の手紙」
◎隣家の庭から張り出した小枝の苦情をいう手紙/森 絵都
◎中元に近江牛の味噌漬けを届けてくれる、亡父の友人に、
それが毎年腐っているのだと思いきって教える手紙/姫野カオルコ

◎マンションの管理人が住民に騒音を注意する手紙/酒井順子

「催促の手紙」

◎友人に貸した一万円を返してもらうための手紙/有栖川有栖

「お詫びの手紙」

◎隣の人にピアノの音がうるさいと言われた時のお詫びの手紙/近藤史恵


「頼みごとの手紙」
◎親しくしていただいている(と自分が思っている)編集者に宛てた、
借金申し込みの手紙/角田光代
◎現住所もわからない漫画家の元妻へ、
「子供に会わせてほしい」と伝える手紙/枡野浩一

「励ましの手紙」
◎デビュー前夜の自分へ送る手紙/伊藤たかみ
◎リストラされた友人を励ます手紙/大島真寿美

「案内の手紙」
性転換手術を受けたいあなたへ/モモコ(訳:池上永一)

「古い知人への手紙」
◎友人に離婚を知らせる手紙/佐藤正午
◎三十数年前、コーヒー屋を開くと言った先輩への手紙/又吉栄喜
◎本屋でオレの本を見つけて、「もしかして?」というメールを送ってきた、
二十三年前の高校の部活の後輩への返事/素樹文生
◎旅立つ前に久しぶりにばったり会った昔の彼女への手紙/西田俊也
◎植物転換手術を受けることを決めた元彼女へ、
思いとどまるように説得する手紙/星野智幸

「哀悼の手紙」
◎亡き友への手紙/北方健三
◎亡き兄を送る手紙/歌野晶午
◎遠い日に逝った祖父へ/野中 柊
◎天国の兄貴へ/江上 剛
◎若かりし日は男前だったじいちゃんへの手紙/古処誠二
◎亡き父への手紙/小林紀晴

「大きなあなたへの手紙」
◎Hydrodamalis gigas とPinguinus imapennis
巨大人魚と太っちょバードへ/川端裕人

「未来への手紙」
◎卒園する息子へ/松久淳
◎十三歳になった未来の孫へ、日記とともに託す手紙/豊島ミホ

◎読書メーター
◎『作家の手紙』角川文庫(アマゾン)
________________

[BOOKデータベース]催促、苦情、お願いごと。とかく手紙は、書きにくい。言いにくいことをうまく伝える方法は?後腐れないような言い回しは?目上の人に失礼のない書き方は?誘いや借金のお願いをやんわりと断ったり、落ち込んだ友人を励ましたり、亡くなった人を思い起こしたり。思いの丈を文字にのせて、伝えよう。36人の作家がオリジナリティ溢れる短い手紙文を執筆。文章と創作のプロに学ぶ、手紙の見本帳。
角川書店 単行本 (2007/2/28) 文庫(2010/11/25)





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by yomodalite | 2011-09-28 10:20 | 文学 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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