ネクスト・ルネサンス/パラグ・カンナ(著)古村治彦 (翻訳)

ネクスト・ルネサンス 21世紀世界の動かし方

パラグ・カンナ/講談社



個人的にちょっぴりハマっていた「ルネサンス」ですが「ネクスト・ルネサンス」と言われると、もっと気になるような気がしたので読んでみました。

著者が主張しているのは「巨大化する外交(メガ・ディプロマシー)」という概念で、これまで職業外交官たちや国際機関が独占してきた外交に、NGO、有名人、宗教家、人道支援活動家....といった様々なアクターが参加することで、より機能するものとするというもの。

「21世紀を動かすのは、ビジネスリーダーら、メガ・ディプロマシーの担い手たちだ!アメリカ帝国衰退後の世界の設計図を示した意欲作。副島隆彦氏 絶賛!」

と言うのが出版社の帯宣伝なのですが、副島氏絶賛の理由は、副島門下の古村治彦氏が、本書の翻訳をされていて、とても読みやすいことと、名著「アメ政」の〈シンクタンク一覧〉で、リベラル系の老舗研究所として位置づけられている「ブルッキングズ研究所」の次世代リーダーの紹介にあると思いました。

そんなわけで、国際政治研究者や国際NGO関係者必読!みたいな内容だからでしょうか。主婦が読んで、ふむふむ「なるほどね!」みたいな箇所は少なくて「ネクスト感」も「ルネサンス感」もあまり感じられず、どこが新しいのか(全然変わってない?)よくわかりません。

著者は、他にもCFRの会員で、ニューアメリカ財団の研究員も兼任し、米国特殊作戦部隊のアドバイザーでもあるのですが、一昔前なら、キッシンジャーのように、彼が考えるように世界が動いていくというような影のリーダー像もありえましたが、

現在は、キッシンジャーを雇っていたような組織が、今後どのように存続するのか、世界最高のブレーンが、誰によって、どう使われるのかわからない時代なんじゃないでしょうか?

本書を読んでいると、世界のリーダーになれそうな人が、その就職先に迷っているという感じを受けました。

また、著者は、ダボス会議では、あの藤◎◎香や、小泉進◎◎郎も選ばれている「若き世界のリーダー」の一人にも選出されていて、著者の言う、様々なアクターが参加するというのも、すでにそういった場所で試され、専門知識を全く持ち合わせていないNGOの参加が、実質的な成果をほとんど生み出さないという批判も受けましたが、

これからの未来は、戦略研究所や会議に、強力過ぎるクライアントがいなくなるからこそ、メガ・ディプロマシーの時代だということなんでしょうか。。

でも、国境線の意味が無くなれば戦争もなくなるというのも、従来どおりの考え方だったり、人種・文化問題での紛争拡大の懸念についても、やっぱりネクスト感があまりないような。。。

そんな風に感じるのも、戦後ずっとアメリカの属国として、安定成長してきた日本に暮らす主婦だからかもしれません。気になるのは、ハンドラーズがどんどん「ヤクザ化」してきていることだったり、日本人が得意とする「間をとる」とか「中道路線」が、ちっとも上手くいかなくて、これまでの安定した体制維持を求める人々が、結局、その場その場で「腕力」の強い方に引っ張られていってしまうことだったりするからかな。。

◎『ネクスト・ルネサンス-21世紀世界の動かし方』(アマゾン)

☆ビルダーバーグの有力者不在、アメリカ出席陣の弱体化、アングロ・アメリカン型の自由主義モデルのメルトダウン.....
◎欧米エリート組織に立ちはだかる「ネクスト・ルネサンス」の壁(1)〜(4)
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[内容説明]国家の時代は終わった“新しい(ネクスト)ルネサンス”21世紀を動かすのは、ビジネス界のリーダーらメガ・ディプロマシーの担い手たちだ!! アメリカ帝国衰退後の世界の設計図を示した意欲作。講談社 (2011/6/10)

本文より/中東各国に波及している民衆の反乱や日本を揺るがした大規模な自然災害。日本を襲った大震災は2011年に発生したが、2010年という年は、本書『ネクスト・ルネサンス』で私が行った主張の基本的な前提を思い出させる多くの出来事が発生した年だった。私が自分の主張の前提としたのは、「私たちはこれまで経験したことがないほどの混乱と不安定さの中で生きている。それなのに各国政府や各国際機関は、こうした混乱に対応するための準備がまったくできていない」ということだ。(日本語版のための序文より)

パラグ・カンナ/1977年、インドに生まれる。ニュー・アメリカ財団上級研究員。ブルッキングス研究所研究員も兼任。米国特殊作戦部隊のアドバイザーも務める。外交問題評議会(CFR)会員。世界経済フォーラムの「若き世界のリーダー」の一人に選出された。ジョージタウン大学外交学部にて学士号、修士号取得。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)にて博士号を取得。『ニューヨーク・タイムズ』『フィナンシャル・タイムズ』紙他多数の新聞に寄稿するほか、CNN、BBCなど世界中のテレビにもしばしば出演している。『エスクワイヤ』誌からは「21世紀の最も影響力のある人物」と取り上げられるほか、『ワイアード』の「スマート・リスト」にもランキングされた。世界100ヵ国以上を精力的に飛び回り取材を続けている。著書に世界的ベストセラーとなった『「三つの帝国」の時代 アメリカ・EU・中国のどこが世界を制覇するか』(玉置悟訳、講談社)がある。



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by yomodalite | 2011-09-11 21:44 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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