セックスメディア30年史-欲望の革命児たち(ちくま新書)/荻上チキ

セックスメディア30年史欲望の革命児たち (ちくま新書)

荻上 チキ/筑摩書房




アラフォー女子として思うのだけど、今の20代は大変だと思う。それは、不況とか経済的なことよりも、恋愛するのがすごくむつかしいような気がするから。バブル世代と言われるけど、当時は◎金、◎ビと分類されて、あの頃の東京でのビンボーは、現在の格差社会でのビンボーより、遥かに惨めで、楽しい恋愛生活を送るのは、それなりに厳しい戦いがあったのだけど、それでも、あの頃の男には絶対に恋愛しなくては、彼女をつくらなければという思いがあったと思うけど、今の若い男はそうではないと思う。

一生出逢うことのないような、美人で、可愛くて、抜群のスタイルの女のあんなことや、こんなことまでが「無料」で見られるという経験を10代の頃から経験してきている男たちと、どうすれば愛しあうことが出来るんだろう。

太古から、男たちのエロに賭けるパワーは、世の中を動かす最大のパワーだったと思うのだけど、これほど簡単にエロを手に入れてしまえるようになったら・・・本書は、今まさに人類が直面している、極めて重要な問題意識を日頃から抱いている者としては、読まざるを得ないという気持ちで手に取りました (* ̄∇ ̄*)

著者の荻上氏が運営する 「SYNODAS」には、レベルの高い知見が集まっていて、興味深いのですが、これまで荻上氏自身には、痒いところから相当離れたところを、ゆる〜く撫でてくれるような相性の悪さを感じることが多くて、

本書も、第一章「いかにして出会い系は生まれたか』、第二章「変化するウェブ上の出会い」部分では、大学レポートのように内容を割り増ししたような、回りくどいアプローチに、いつもの失望感を感じましたが、

第三章「何がエロ本を殺したか」で「オレンジ通信」の元編集長や、芳賀書店社長、第四章「『エロは無料』の衝撃」での、動画ナビゲーターや、ア×××総合サイトの担当者などのインタビューが非常に優れていて、

特に、第五章「性と快楽のイノベーション」の株式会社「典雅」の松本光一社長や、オリエント工業の林拓郎氏インタビューは「プロジェクトX」で特集されていたら、その中でも名作になりそうな物語で、

松本社長の「機能の部分をつくるのと、デザインをつくるのは、同じくらい労力がいります。これまでのア×××グッズは、機能面ではまだ頑張ろうとしていたところもあります。でもトータルでデザインされていない。それは、iPodをつくったのに、塩ビの箱に入れて梱包し「いっぱい聴けるクン」という名前で売っているようなものです」

という日本の製造業のひと全員に聞いてもらいたいような名言もあり、この本を読んで「T×××A」を買いたくなってしまう人も多いと思う。(私まで買いたくなった。使い道ないのに。笑)

全体を通して、やっぱり「痒いとこはそこじゃない」という不満はあるものの、気づいていなかった「スポット」を刺激されたような感じでしょうか。

◎ 「テ◎ガ事件」水野敬也のウケる日記

◎セックスメディア30年史(アマゾン)
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[内容紹介]80年代から10年代までの性産業の実態に迫り、現代日本の性と快楽の正体を解き明かす! 筑摩書房 (2011/5/11)



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Commented by たま at 2011-09-03 11:17 x
いろんなエントリーにコメントしてごめんなさい><

冒頭の、今の20代は恋愛するのが大変…って言葉がずっしーんと来ました。
実はあたしが今恋してる相手がそんな相手だから。
あたしは顔もスタイルもそんなに悪くはないと自負はしているんですが(←バカ)、
「君のことは好きだけど、付き合えない」って言われて苦しんでます。
その理由は「めんどくさい」、「付き合って何が変わるのか、意味が見いだせない」とのこと。
でも、「好きだし、一緒にいて欲しい」、要はインスタントに何もかもが手に入るこのご時世において恋愛=縛られるのが面倒なよう…。
辛いです。
っていうか、単にダメな人なのかもしれませんが。
愚痴ってしまいましたーーーーーごめんなさい。
Commented by yomodalite at 2011-09-03 14:41
>いろんなエントリーにコメント....
いろいろ、読んでくれてありがとーー!!!

「辛いです。」辛いよね。。わたしなんか、もし今20代に戻されたりなんかしたら、生きられるかどうか自信ないなぁ。。私はね、顔もスタイルだけでなく主観的にも客観的にも全然イイところがなく20代を過ごしているので(←謙遜じゃなくてマジ)、たまさんとは全然ちがうタイプなのね。

それで、自分と同じようなダメでブスな女子には「人は生まれながらにして不平等で、与えられているものとそうでないものとの差は激しいけど、でも幸せになれるかどうかだけは平等だからね!」って強く言ってあげたいと思うんだけど、そう言う機会は今まで一度もなくて、

今も、私と遊んでくれるのは、40過ぎても独身で、若い頃からずっと「デキル女」が多いのね。それで、想像なんだけど、、たまさんの彼氏も「ダメな人」ではなくて、たまさんと同じように「デキル男」だと思うのね。だけど、男と女の差で「そういう反応」になるんじゃないかなぁ。。なんの慰めにもなってないよね。。ごめん。
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by yomodalite | 2011-08-02 10:19 | 評論・インタヴュー | Trackback | Comments(2)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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