マイケル・ジャクソンの顔について(29)You Rock My World

f0134963_23583898.jpg


☆(28)のつづき

「You Rock My World」のショートフィルムは、MJが、整形によって、自分で、自分の顔をめちゃめちゃにしてしまった。という印象を多くのひとに与えた作品だったと思います。それまで、メディアによる印象操作や、タブロイド情報をくだらないと思っていたファンにとってさえも。。

こちらのコメント欄での、モスクワさんの意見のように、さらに、この後、頬骨を高くして、体重が増え顔が丸くなったため、頬をこけさせ、不自然にこけた頬と盛り上がった頬骨のせいで、人相が変わってしまい、それをカバーするために、エラと顎と鼻の無限ループに陥って行った....

『THIS IS IT』後でさえ、そういった印象が拭えず、決定的な事実と感じている方は依然として多いようです。

わたしもある時期までは、そんな風に思っていました。でも、インヴィンシブル期から『THIS IS IT』までのMJを知りたくなって、年月順にしつこく見ていったところ、そうでないことはあっさりわかりました。

あっさりわかる写真に関しては、これまでも「カテゴリ」の「マイケルジャクソン裁判」(2005年)や「MJの顔について」で、豊富に「証拠」を揃えたつもりなので、ここでは、「You Rock My World」から1年後の動画を1点だけ紹介しておきます。


2002年12月1日
ディズニーランドでのプライヴェート動画 




「整形」だけではなく、MJには、こどもの頃から大人の世界にいたために、成長後、こどもの世界に逃避するようになったという、強固に信じられた「イメージ」もありました。

わたしは、インヴィンシブル期からのMJに興味をもってから、どうして、彼が、何度もミケランジェロのことを言っていたのか、少しだけわかるようになったのですが、

こどもにも、そして、こどもの感性をもった大人でも、システィナ礼拝堂の天井画を見て、感動する「心」はあるかもしれませんが、それを描く技術も、また、技術があったとしても、あの過酷な作業に耐えることはできないと思いませんか?


f0134963_0123986.jpg

天井から、滴り落ちる絵の具を顔に受け、本当に無理な姿勢による肉体的苦痛に耐え、途方もない時間をかけ、天井に絵を描くという行為は、心の底からの激しい怒りと、また、その怒りが、自分にとってだけでなく「人類にとって正当なものである」という確信がなければ、絶対に出来ないレベルのものです。

ミケランジェロは、それまでの教会に激しい怒りを抱きつつも、その教会に自ら絵を描くことで、教会を正し、本来の「神」を復興しようとした。わたしは、ルネサンスの「人間復興」を、教会の民衆への不誠実と反知性に対して起こったものと理解していますが、ミケランジェロの絵も彫刻も、どうして、あれほどまでに「筋肉」にこだわったのか、最近までよくわからなかったし、

筋肉を感じさせない、反マッチョイズムのダンサーだったMJが、どうして、ラファエロや、ボッティチェッリでなく、あんなにもミケランジェロを尊敬していたのかも、なんだか不思議だったのですが、ミレニアムからのMJのことを考えているうちに、ようやく、少しだけ腑に落ちてきました。


f0134963_0135581.jpg


MJは、こどものように、ミケランジェロの作品に感動しただけではなく、歴史をよく学んだうえで、その「怒り」を手本にし、常に、それを自分のものにしようとして、作品を創ってきたんだと思います。

アステアが、MJに電話をかけたときの言葉をもう一度、思い出してください。

「君は怒れるダンサーだ。私とおんなじだよ。」

そして、サミー・ディヴィス・ジュニアが言った、

「パンが人類の食卓に載った時以来のすごいやつになる」

MJの「怒りの激しさ」は、常にサーヴィス精神に溢れ、心優しく妖精のような身の軽さを備えた2人のレジェンドには、すぐにわかったみたいですが、ただの音楽ファンである私にはものすごく時間がかかりました。でも、次元上昇とか、宇宙エネルギーなどのスピリチュアル風味で、MJのことを「神」や「メッセンジャー」だと感じたところで、もうすでに歴史上起こったルネサンスのような「変化」でさえ訪れないと思うんです。

MJは、変革というものが、どれほど困難かを歴史を通してよく学んでいたから、何度も同じメッセージを繰り返すことを厭わず、長い間のメディアの攻撃に耐えられたのであって、それは、こどものような精神ともキレイごとばかりのボランティア精神とも異なるものだと思います。だからこそ彼は、自分のこどもに大人になるための教育も出来たのだと思います。

アーティストが、こどもの感性を大事にするのは極普通ですが、彼らとMJが決定的に異なるのは、深い叡智と、変革に対しての「本気度」の差ではないでしょうか。


f0134963_016884.jpg


再度、下記のとてもとても素敵なサイトからの引用。
◎『STRONGER THAN PARADISE』マイケルの最強ショート・フィルム【第9位】

どんどん人種不詳化するルックス、曖昧さを増すセクシュアリティ、年齢不詳化するメンタリティ、その他、様々に報じられる奇行などによって、マイケルは我々の前で、ひとりの黒人男性から、人間離れしたミッキー・マウス(あるいはモンスター、すなわちファンタジー)へと変貌を遂げていった。

脱・人間を標榜する「Thriller」を自分の表現の頂点としてしまったことは、マイケルにとってあらゆる意味で不幸なことだったと思う。マイケルが「Thriller」を克服する唯一の方法は、人間ミッキー・マウスと化す前の普通の黒人男性に戻ることだったと思うが、それは残念ながら、肉体的にも精神的にも不可能なことだったように思える。(中略)

ほぼ無味無臭に近い、空虚とも言える平面的な男性像。だからダメだ、というわけではない。それをどう享受するかは、もちろん観る人次第なのだが、肉体のミッキー・マウス化を完遂していったその後のマイケルに関して言えば、パフォーマーとしての唯一無比の凄みに圧倒される一方、何か言いようのない寂しさと物足りなさを感じる、というのが、いちマイケル・ファンとしての私の正直なところだ。

執拗に変身を繰り返すマイケルを見ていると、彼は本気でマンガになってしまいたかったのかもしれないとも思う。

一体何がそこまでマイケルを変身に駆り立てていたのかという問題には、ここでは踏み込まない。かつてひとりの黒人青年が放っていた肉体の神々しい官能こそを私はこよなく愛する、とだけ書いて、その点は留保したいと思う(私はこの文章を飽くまでミュージカル映画ファンとして書きたい)。(引用終了)



「You Rock My Would」のSFを、初めて見たときの感情を代弁してくれた言葉だと思いましたが、それを残念だと思っていた頃は、彼が「世の中の子供を助けるため、という望みがなかったら、生きてこられなかっただろう」という気持ちも理解できなかったし、

もうすっかりこどもではなくなっていた、わたしのことを救ってくれるとは、もっと思っていませんでした。



f0134963_018102.jpg


TVG : I found it jarring to read a recent quote in which you said that if it weren’t for your desire to help the children of the world, you would throw in the to well and kill yourself. Do you really feel that way?

あなたが「世の中の子供を助けるため、という望みがなかったら、頑張って生きてこられなかっただろう」と言ったのを読んで違和感を覚えたんですが、本当にそんな風に感じているんでしょうか?

MJ : I always have, ’cause I would feel I have nothing to live for.

いつもそんな気持ちでした。そういう望みがなかったら、何のために生きていけるだろうと言う風に感じるんです。

TVG : Not even for yourself and your own creativity?

自分自身とか、自分の創造性のためという動機ではだめなんですか?

MJ : I wouldn’t care. Everything I create is inspired by that kind of innocence. And nature, it’s everything. It has to be. I mean, that’s it.

そういうことはどうでもいいんです。僕が創り出すものは、純粋さや自然からインスピレーションを受けて生み出されるんです。それがすべて。(創造とは)そういうものから生み出されるもので、そうでなければならないし、それ以外はありえないんです。(1999年「TVガイド」インタビューより)

☆(30)につづく



[PR]
トラックバックURL : http://nikkidoku.exblog.jp/tb/16110522
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by リラ at 2011-06-11 10:37 x
初めて、「You Rock My World」のマイケルを、超カッコイイ!!と"キュン死"しました… ←使い方合ってるかなぁ、流行に乗れないタイプなもので(^_^;)

yomodaliteさん、ありがとうございます。
コメントは随分前にしかしていませんが、いつも拝見しています。
私は被災地の内陸に住んでいるのですが、yomodaliteさんの記事で、いろんな感動しています。そして、癒されています(^^ゞ

あぁ、マイケルを好きになって、本当に良かった。
マイケルを好きになる心を、自分が持っていて、良かった。

ありがとう、yomodaliteさん!
Commented by yomodalite at 2011-06-11 18:32
リラさん、ルネサーーーーンス!!! (。・ω・)/(古っ)

"キュン死"...初めて聞いた。でもそんな感じで死んでることは確かに多いかも。

>被災地の内陸に住んでいるのですが.....癒されています(^^ゞ

そのお言葉で、わたしもすごく癒されました♡
GWの福島行きはドタンバで切符が取れず、6月4日の副島氏の福島復興本部の事務所開きにも諸事情により行けなくなり、すごく残念なんですが、、

「You Rock〜」のケリはつけるからね!きっと...(た、たぶん...)
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by yomodalite | 2011-06-11 00:36 | マイケルの顔について | Trackback | Comments(2)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


by yomodalite